2014年5月14日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。日本原子力研究開発機構の”もんじゅ”が、保安検査の度に規程違反を繰り返していることについて、田中委員長は「事業者の責任。規制で何かできることではない」との見解を示した。
2014年5月14日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。日本原子力研究開発機構の”もんじゅ”が、保安検査の度に規程違反を繰り返していることについて、田中委員長は「事業者の責任。規制で何かできることではない」との見解を示した。
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川内原発の適合性審査における火山噴火に関する調査の状況について、記者から質問を受けた田中委員長は、「島崎委員がリードして議論している。私が答えるのは適切でないと思う」と答えた。
田中委員長は、「火山の問題、特にカルデラ火山の研究はまだ十分ではない。しかし、GPSでの地殻変動調査などで、少なくとも10年以上前から兆候が見え、対応が可能だ」と島崎邦彦委員が考えていることを紹介し、「ただし、その測定をデータをどのように判断するのか、今後どのような知見を集め、研究を進めるのかという視点で、長期的に有識者会合や検討会を続けるほうが良い」と島崎委員が考えていることを代弁した。
適合性審査において、当初半年の見込みだった審査がいまだ終わらないことについて、所見を求められた田中俊一委員長は、「審査が遅れているのは事業者の対応が遅れているから遅れている。それは事業者の責任だ」と述べ、「規制委・規制庁が遅らせようとして遅らせているのではなく、審査に手を抜くことはない。きちっとやることをやり、できる限りの努力をしている」と弁明した。
適合性審査を進めていることは、1F(福島第一原発)事故をないがしろにし、再稼働を進めていることにならないのか。記者から尋ねられた田中委員長は、「1Fの問題は大事な問題として取り組んでいる。一方、適合性審査は規制委の法的な義務。全部一緒にすることは理解しがたい」と答えた。
日本原燃東海第二原発の審査が進められている。どのように審査するのか、記者からの質問に対し委員長は、「新規制基準への適合が大前提。その後、30年超経過するプラントだから高経年化検査を行うことになる」と答えた。
古かろうが新しかろうが、あくまでも現行の新規制基準が基準となり、審査することを改めて示した。
登場人物が鼻血を出すなど、被曝の影響を示唆する描写で物議をかもしている漫画「美味しんぼ」について、所見を尋ねられた田中委員長は、「新聞以上のことは見ていない」と述べ、「特に所見を述べる考えはない」と答えた。
日本原研の”もんじゅ”では、保安検査に入る度に新しい保安規定違反が見つかっている。これまでに5回の違反を起こしている。
原因は何か、規制委として新しい打つ手はないのかと、記者から質問を受けた田中委員長は、「こういったことがなくなるような規制は、たぶんできない。事業者の責任、規制で何かできることではない」と答えた。
■jaikoman氏によるツイート