「ええじゃないか。ええじゃないか。築地でええじゃないか」「日本の文化、築地を守れ」「汚染まみれの豊洲は危ない」ー。
3月29日(土)、築地市場の豊洲移転に反対する抗議デモが行われた。築地市場の正門前を出発し、銀座や霞ヶ関にある中央卸売市場を管轄する農水省前を練り歩き、沿道の人々に築地市場移転反対をアピールした。主催者によると、デモの参加者は約500人だったという。
2月、東京都は、築地市場を豊洲へ移転する計画に関する3つの会議を開催。同会議は、かねてから懸念されてきた豊洲新市場予定地の土壌汚染対策については、一部を残し完了したと結論づけた。しかし、豊洲新市場予定地の6街区がいまだ土壌汚染対策工事が完了しておらず、当初計画からは半年ずれ込んだ形となった。
- コース 築地市場正門 → 新橋駅 → 農林水産省 → 日比谷公園
全水卸・伊藤裕康氏が東京都の怠慢を批判 物流計画がいまだ決まらず
この日、13時前に行われた抗議デモの前には、築地場外市場近くの波除神社前で街頭宣伝もおこなわれた。
農業農家に携わる市民で構成される農民連(農民運動全国連合会)の斉藤敏之氏は、先月2月21日におこなわれた第15回新市場建設協議会の模様を解説。斉藤氏はこの議事録を見て驚愕したと話す。また、「築地市場は移転が先ありきで、市場がどういう役割をするかが明らかになっていない」。「(豊洲新市場は)駐車場が足りない。荷捌き場が必要数の10分の1しかない」と、協議会の場で、全水卸(全国水産卸協会)の伊藤裕康会長が指摘した豊洲新市場計画の問題点を紹介した。
東京中央市場労働組合書記長の中澤誠氏は、東京都が、業界の代表者である伊藤氏から袋叩きにされた新市場建設協議会の場に、農水省の担当者も傍聴していたと明かし、「さすがに農水省もドン引き」と話し、東京都が進める豊洲新市場計画の強硬姿勢に距離を取り始めたと表現した。先月2月21日におこなわれた第15回新市場建設協議会の議事録はこちら(第15回 新市場建設協議会[PDF])で公開されている(現在、閉鎖)。