3.11から3年。世界中から脱原発連帯の声 ~NO NUKES DAY 原発ゼロ 大統一行動 官邸前・国会前大抗議 2014.3.9

記事公開日:2014.3.9取材地: テキスト動画
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(官邸前担当:IWJ・石川優、国会前担当:IWJ・松井信篤)

特集 3.11

 東日本大震災からまもなく3年が経過しようとしている3月9日(日)、国会周辺では、福島第一原発事故後から続く首都圏反原発連合を中心とした抗議行動が行われた。主催者発表によれば、この日行われた国会正門前や首相官邸前、日比谷野外音楽堂での抗議に、約3万2000人が参加し、反原発・脱原発の声を挙あげた。

■官邸前

■国会前

 2012年6月8日、野田佳彦総理(当時)は記者会見で、福島原発事故後初となる大飯原発3・4号機の再稼働を宣言。その後、この2機が定期検査に入り、稼働が停止して現在に至るまで、日本国内の原発は1機も再稼働していない。

 2012年12月の衆議院選挙では、自民党が大勝し、第2次安倍政権が誕生。政府は、今年2014年2月25日に発表したエネルギー基本計画案で、原子力について、「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけた。しかし、脱原発を求める声はやむことなく、いまだに原発の稼働がゼロの状況も続いている。今年中の原発再稼働を視野に入れている安倍政権に対し、参加者らは繰り返し、脱原発を訴えた。

 国会周辺では、脱原発を求める市民らが、安倍政権の原発再稼働に抗議し、請願デモや国会大包囲などを行い、その後、国会前大集会が開かれた。オープニングのライブ演奏でスタートした集会は、登壇者のスピーチがメインで行われた。

 集会には、再稼働や原発輸出に反対する共産党や生活の党、社民党の議員らが駆けつけ、各々がスピーチを展開したほか、菅直人元首相もマイクを握り、原子力政策について、次のように語った。

 「あと2日で3年が経とうとしていますが、今から原発ゼロに持っていけるか、それとも安倍内閣の逆行を許してしまうのか、正念場だ」

 菅氏は、原子力規制委員会が策定した原子力対策指針に基づき、自治体に課されている地域防災計画の策定について解説。北海道電力泊原発で事故が起きた場合、札幌にも被害がおよぶとのシミュレーションが出ているにも関わらず、住民が安全に避難できるかどうかなど、安全性の評価について、規制委員会が「判断しない」と述べていることを紹介した。住民の安全に関する規制委のこうした無責任な姿勢に対し、聴衆からは「ひどい」という声が飛んだ。

 集会では、原発立地地域をはじめ、国内外のさまざまな市民団体から、再稼働を阻止するためのスピーチが続き、韓国やアメリカからも、原発に反対する市民らが登壇した。台湾からはメッセージが寄せられ、3月8日に台北市、高雄市、台中市で、13万人の脱原発デモが行われたと報告された。

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「3.11から3年。世界中から脱原発連帯の声 ~NO NUKES DAY 原発ゼロ 大統一行動 官邸前・国会前大抗議」への1件のフィードバック

  1. tantan より:

    フクシマと地球の汚染/日本と世界の原発問題

           もうすでに多くの人達が気がついていることだが、原発の問題は一地域の問題ではなく、地球の環境の問題として考えた方が、理解し易い。
    誰でも怖い地震ーそれでも原発を作り続けて40年、気がついたら56機もあり、その中の6機が、廃炉予定とは言え、いつ又大事故が起きても仕方ないような不安定な状況に置かれたフクシマ第一。 
           チェルノブイリ事故よりさらに大きな事故を起こしたフクシマ第一の現状を、時々刻々と解り易く説明しているメディアはなかなか見当たらない。現状がうやむやにされている中、原発推進派が世界中で手を取り合い、原発の更なる推進を試みている。
    日本の原発は国策民営、これに効果的に反対して行く為には、諸外国の反対派と積極的に意見を交換しながら、理性を保ち良識ある人々の輪を広げて行くのが、遠回りのようだが、効果的だと考える。
    今イタリアにいるが、昨日、ENELのPaolo Scaloなる重役が、環境汚染の責任者として懲役5年が求刑された。今後の調査で、賄賂問題が明らかにされて行く見込み。そうなるとScaloの刑期もさらに延びる可能性が高い。
    国策民営ではないから、裁判で有罪になった良い例だ。 
           確かに「今さら地球の環境を良くしようというのは無理」だと言う説もある。しかし、理性を持って理解出来ることをより多く理解し、出来ることはやっていく、 という前向きな姿勢が人間性だと思う。
    愚かな判断に振り回されない為にも、個々の我々がヒューマニズムに立ち返って、環境問題を多角的視点を持ちながら理解を深めて行くことは大切だと考えている。
     

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