国会前で相見えた「脱原発」都知事候補者、市民を前にそれぞれ脱原発誓う 2014.1.31

記事公開日:2014.1.31取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 「原発」の是非が重大な争点となった東京都知事選挙。「脱原発」を主張する都知事候補者たちが1月31日、国会前で開かれた脱原発抗議行動(首都圏反原発連合主催)に顔を出し、スピーチした。

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脱原発とともに福島への支援、脱被曝も重視する宇都宮氏

 元日弁連会長の宇都宮健児候補は、「脱原発の声が都知事選で広がることは、大いに良いことで、重要な争点にすべき」と、他候補による脱原発の表明を歓迎。「(都知事になったら)東電の大株主として、福島第一、第二原発の廃炉はもちろん、柏崎刈羽原発の再稼働に断固反対し、さらに廃炉の提案をする」と訴えた。

 さらに、「自然再生可能エネルギー産業を支援しながら、福島の支援を同時に行っていかなければならない。被害者の生活支援をしながら、脱原発をする」と主張。続けて「子どもたちの命と健康を東京都は守る責任がある。率先して子どもたちを守っていかねればいけない」と述べ、「脱被曝」にも言及。「食べ物や土壌の測定をし、厳しい安全基準を作って、食べ物や給食の安全を守っていきたい」と語った。

壇上に上がらず、マイクを持たずに「挨拶」した細川氏

 元総理の細川護熙氏は壇上には上がらず、主催者の用意したマイクも使わずに、肉声で挨拶した。

 「小泉(純一郎)さんとともに駆けつけた。公職選挙法上、壇の上にあがったり、マイクを持ってものを申し上げるのは、ちょっと疑問があるとの指摘があるので、この場からご挨拶を申し上げて、失礼をさせていただきたい。

 皆様方の気持ちをよく介し、これから『原発ゼロ』で、頑張っていきたい」と意気込みを語り、「(原発は)再稼働しない、即ゼロ、という方向で、自然エネルギーでやっていく。後ろまで聞こえなくて本当に申し訳ないが、その意を、どうぞ一つ、お汲み取りいただきたい」

 細川氏の声は周囲数メートル以内にいた者にしか届かず、参加者からは「聞こえない!聞こえない!」、「今、一生懸命しゃべってるんだから、ちゃんと聞いてくれよ!」「聞こえない!来た意味ないんじゃないのか」といった声も上がった。

鈴木氏はオリンピック返上で福島の避難者への手厚い支援を約束

 今回初めて立候補した「憲法と人権の日弁連をめざす会」の鈴木達夫弁護士は、現在も福島では、福島第一原発構内から汚染水が漏れ続けていることや、小児甲状腺癌が多数確認されていることを挙げ、「国も県も、福島第一原発とは関係ないと言っている」と、無責任さを指摘した。

 また、安倍総理が、汚染水はコントロールされており、湾内でブロックされていると発言し、オリンピックを招致したことについて、「事実に反するウソを平然とついて、呼び込んだ。そして福島の現実に蓋をし、切り捨てる」と批判。

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長に就任することが決まった森喜朗元総理が「即時原発ゼロならオリンピック返上しかない」と、脱原発を否定したことを例に、鈴木氏は、「オリンピックで再稼働、増設を狙っていることがわかった。そのようなオリンピックは返上すべきだ。東京だけでも5000億円を使うと言われているが、それなら福祉や託児所、認可保育所を作るべき。この東京には、6600人の避難者が福島から来ている。その人たちの生活援助に向かわせるべきではないか」と主張した。

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