世界人権宣言が国連で採択されてから65年という節目を記念して、10日、差別を許さないネットワークの構築を目指す東京集会が開かれ、在特会(在日特権を許さない市民の会)を長年取材してきたジャーナリストの安田浩一氏が講演を行った。
安田氏は、反アパルトヘイト運動に身を投じ、27年間の獄中生活から釈放された後、大統領の座に就任したマンデラ氏による新政権の現場を取材するため、95年、南アフリカ・ヨハネスブルグを訪れた。取材先の一つ、「ソエト」という貧困地域は、白人政権が黒人らを強制的に居住させていた町で、麻薬、殺人、暴行が横行していた。安田氏は恐怖心から、ソエトでの取材を躊躇したというが、同行したソエト出身のカメラマンの友人や家族と出会っていく中で、「自分を恥じた」と語った。取材中、「恐い経験は何一切なかった」からだ。
- 来賓挨拶講演 「在特会取材から見えてきた日本の人権状況」 安田浩一(ジャーナリスト)
- 特別アピール 「ヘイトスピーチを許さない行動を」 辛淑玉(のりこえネット共同代表)
『マンガ 嫌韓流』の山野車輪氏、「在日は恐い」
現在、全国で毎週のように排外差別デモが行われている。在日韓国人や在日朝鮮人に対して憎悪をぶつける参加者の中には、「在日が怖い」と語る者も少なくないという。「嫌韓」という言葉を、著書を通して広めた山野車輪氏も同様、安田氏の取材で「在日が怖かった」と話した。
安田氏はこの「恐い」という感覚は、差別と偏見と密接に結びついていると語り、続けて、日系ブラジル人が多く暮らす静岡県浜松市を例に挙げ、その実態を紹介した。
親善ムードから一変、日系ブラジル人に対する攻撃的なデマ
リーマンショックを機に職を失った日系ブラジル人の多くは、ハローワークの外に長蛇の列を作るようになる。それまでポルトガル語を習い、サッカーやサンバを通して親善を図っていた浜松市民の間に、「日系人とは言っても、私たちとは違う。仕事がない日系ブラジル人はどんな悪いことをするか分からない」「最近、(外国人による)子どもたちに対する誘拐が頻発している」「日系ブラジル人が砂浜で難民キャンプのようにテントを張っている。危ないから近づいてはいけない」といった事実無根のメールが流れるようになり、それまでの親善ムードから一変、町は日系ブラジル人を敵視するようになった。
在特会も同様、「在日は税金を納めない」「在日は医療費、水道費など色々無料」「6年間3兆円のうち、2兆3千億円が在日朝鮮人の生活保護費にあてられている」などと言った「在日特権」と呼ばれるデマをネット中心に触れ回ることで、在日に対する差別や憎悪を煽り、「殺せ」「死ね」といったヘイトスピーチを繰り広げてきた。
黙殺してきたメディア、「反省しなければいけない」
2007年に誕生した在特会はこの6年で、会員数を500人から1万5000人に増やしている。
「在特会は毎週末のように、全国のどこかでデモを行う力量を持っている。彼らの主張に多くの賛同が集まっているのも事実。彼らを育て容認してきたのは日本社会だ」。
安田氏はこう話し、「差別的な文言に触れることで社会的に認知してしまうのではないか」「一部の特殊な人の集まりだからいずれ消えてなくなる」と、取材を躊躇してきたメディアも「反省しなければいけない」と指摘し、日本社会が、在特会らのデマや暴力を煽動する街宣活動を放置したことが、「在特会の活動を助長させてきた」と警鐘を鳴らす。
安田氏、「日本社会には復元力がある」
安田氏は、「在特会だけではない。地下鉄の駅構内では、韓国を罵る新聞が一番目につく場所に置かれ、中国や韓国との対立を煽る言葉が多く目に入る」と話し、「しかし、日本社会には復元力がある。どうにもならない属性を揶揄し、誹謗中傷し差別することは許さないというメッセージを日本社会は持っているはずだ」と、最後に、差別デモを許さない「カウンター」と呼ばれる一般市民の抗議行動を紹介し、憎悪や対立が増幅されている目の前の現実を放置せず、一人一人が向き合い、考えることが重要だと訴えた。
集団で殺せとかレイプするとか大虐殺をすると宣言するのは、刑法第222条に定められている脅迫罪で、集団でこれらの行為を行いながら誰も訴えられず逮捕もされないというのであれば、文明国として恥ずかしい限りです。外国から当局の関与を疑われてろしょうがない状態です。
Wikipediaによると条文は、《第222条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。》ですので逮捕と送検、刑法犯としての裁判は十分可能です。
Wikipediaには《相手が恐怖心を感じるかどうかは問わない(抽象的危険犯)。》とも書いて有るので、一刻も早く刑法犯として警察当局に逮捕される様に住民や現地で商売をしている人、弁護士団体、都会議員や国会議員が動くべきです。