┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~イーロン・マスク氏、トランプ大統領、ネタニヤフ首相と宗教右翼のイスラエルは、三位一体の強力なレイシスト・チーム! マスク氏は「西欧文明の弱点は共感」と発言! トランプ大統領はデモ参加者を「動物」と呼ぶ! パレスチナ人を「人間動物」と見下すイスラエルで急増する宗教右翼の元祖、メイル・カハネ師は、ユダヤ人と非ユダヤ人の魂の違いは「人間と動物の違いよりもはるかに大きい」と選民思想・差別思想を説く!!
┃
┠■【中継番組表】
┃
┠■<シリーズ特集 2025年7月20日参院選! 投票に行こう! 第15回>国民民主党が山尾しおり氏の公認取り消しで、山尾氏は逆ギレコメントを発表し離党届を提出! 不倫相手とされる倉持氏が突然YouTubeに出演の怪!! メディアもネットも手の平返しで、国民民主党の対応を猛批判! 玉木代表、榛葉幹事長の会見は山尾氏の言い分との間にズレ! 自分には甘い不適切な処分しかしない代表の、不適切な候補の擁立と、不適切なやり方での取り消し、国民民主党の支持率は、どのみちダウン!? 山尾・国民民主が進めたい政策は、改憲による緊急事態条項の一択という不適切な政策!
┃
┠■<号外報告>「<速報>イスラエルがイランの軍事施設と核施設に大規模攻撃を開始!」を発行しました!
┗━━━━━
■はじめに~イーロン・マスク氏、トランプ大統領、ネタニヤフ首相と宗教右翼のイスラエルは、三位一体の強力なレイシスト・チーム! マスク氏は「西欧文明の弱点は共感」と発言! トランプ大統領はデモ参加者を「動物」と呼ぶ! パレスチナ人を「人間動物」と見下すイスラエルで急増する宗教右翼の元祖、メイル・カハネ師は、ユダヤ人と非ユダヤ人の魂の違いは「人間と動物の違いよりもはるかに大きい」と選民思想・差別思想を説く!!
IWJ編集部です。
イーロン・マスク氏とトランプ大統領が決裂して、世界的な話題となっています。
たとえば、ドイツのインフルエンサーで、トランプ政権を一貫して支持してきたナオミ・ザイプト氏は、6月6日の『X』へのポストで、こう述べて、決裂を残念がっています。
「私達は、イーロン・マスクに自由を勝ち取るチャンスを与えてもらった。
トランプ大統領がそれを行う前に、マスクは私達に言論の自由を与えてくれた。
トランプ大統領は、MAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)のために、文字通り弾丸を浴びた。
彼らは、そうする必要もなかったのに、すべてを危険にさらしたのだ。
トランプ大統領とイーロン・マスクは、歴史上最も強力なチームだ。
私達は、彼らが必要です」。
※ナオミ・ザイプト氏の6月6日の『X』へのポスト
https://x.com/SeibtNaomi/status/1930972293078921589
イーロン・マスク氏とトランプ大統領は、ザイプト氏の言うように、確かに、強力でラディカルなチームです。
しかし、11日時点で、マスク氏は、トランプ米大統領に対してSNS上で激しい批判を繰り広げたことについて、「後悔している。行き過ぎだった」と『X』にポストし、ホワイトハウスも「大統領は感謝している」と述べるなど、事実上、和解状態にあります。
※マスク氏、トランプ氏批判めぐり「後悔している。行き過ぎだった」(朝日新聞、2025年6月12日)
https://digital.asahi.com/articles/AST6C5SYYT6CUHBI03LM.html
マスク氏がトランプ政権に今後、再び関与するかどうか不明ですが、トランプ大統領への影響力を一定程度維持した形です。
このマスク氏から行われたトランプ大統領への批判の一つに、エプスタイン文書(小児性愛者ジェフリー・エプスタイン氏の顧客リスト)に関するものがあります。
マスク氏は、公約にしていたエプスタイン文書の公開がいつまでもできないのは、エプスタイン氏の顧客リストに、トランプ大統領の名前があるからだと批判したのです。
しかし、エプスタイン氏の最後の弁護士、デービッド・ショーエン氏が、生前のエプスタイン氏に直接この件を正したとするポストが『X』にアップされ、それをトランプ大統領が、『トゥルース・ソーシャル』にリポストして後、マスク氏は、自らのポストを削除しました。
デービッド・ショーエン氏の6月6日の『X』へのポストは、次の通りです。
「ジェフリー・エプスタインが亡くなる9日前、私は刑事弁護士として彼の弁護を担当するよう依頼されました。
彼(エプスタイン氏)は、それより何ヶ月も前から私の助言を求めていました。
私は、断言できます。
彼(エプスタイン氏)には、トランプ大統領を傷つけるような情報は一切ありませんでした。私は、彼に直接尋ねたのですから!」。
※デービッド・ショーエン氏の6月6日の『X』へのポスト
https://x.com/SchoenDavid/status/1930801003114152120
この和解の背景には、マスク氏が経営するテスラ社の株価が下がり、さらに、政府からの、スペースX社への受注も打ち切られるという脅しもあって、マスク氏は、ひとまず鉾を収めて、反省の弁を投稿したのだろうと思われます。
しかし、執念深いタイプのトランプ大統領が、本当にマスク氏を許したかどうかはわかりません。
マスク氏とトランプ大統領の2人は、とてもよく似た思想を持っています。その共通項は、強烈なレイシズムであり、弱肉強食の思想です。
マスク氏は、2024年3月29日の『X』へのポストで、西欧文明の共感力は弱点だと、次のように、述べています。
「近代西洋文明は、その力の割に並外れた共感力を持っています。
しかし、これは同時に、最大の弱点とも言えるでしょう。
核爆弾があれば、米国は地球上のあらゆる国を容易に征服できたでしょう。
ヒトラーとスターリンなら間違いなくそうしていたでしょう。
その代わりに、米国はドイツと日本の再建を支援しました!
これほどの力を持つ国が、敗北した敵を破壊するのではなく、助けるという前例は歴史上ない」。
※マスク氏の2024年3月29日の『X』へのポスト
https://x.com/elonmusk/status/1773477116979646691
まず、米国は核を持っていないわけではない。核を保有しています。
しかし、ロシアも、中国も保有しているので、米国が先制使用しても、互いに核の撃ち合いとなり、人類が全滅してしまうので、現実的に使用できません。
マスク氏の言っていることは、もし、単独で米国だけが保有していたら、という意味でしょうが、その場合は「米国は地球上のあらゆる国を容易に征服できたでしょう」と書いています。「ヒトラーとスターリンなら間違いなくそうした」と、2つの全体主義国家の独裁者の名前をあげていますが、マスク氏自身の「本音」を、独裁者の名前を借りて、表明しているだけのことです。米国だけが核をもっているならば、世界を征服したに違いないとは、我々こそ、世界を支配したい、しかし、それには他者への「共感」が邪魔ななのだ、ということです。
先にドイツ人のインフルエンサーが、マスク氏とトランプ氏の「チーム」を、持ち上げていることをお伝えしましたが、このマスク氏のポストを目にしなかったのだろうか、と思います。
マスク氏は、現実も歴史も知らない、あるいは歪めて認識してる、といえます。
冷戦期に、ドイツと日本が、経済成長をしたのは、たしかに、両国民の勤勉だけが理由なのではなく、米国が気前よく、国内市場を開放したからであり、否定はできません。敗戦国であるドイツと日本に対し、2度と歯向かうことがないように、痛めつけることもできましたし、実際、そういう意見もありました。
しかし、結果として米国がそうしなかったのは、新たなライバルである、ソ連の台頭に対し、封じ込め戦略を行うことを選んだからです。共産主義よりも、自由主義陣営の方が、優位であることを見せつけるために、日本と西ドイツ(当時)の復興を支援し、両国の工業製品を輸入して高度成長をアシストし、「西側のショーウィンドー」として、敗戦国である日本とドイツの復興と経済成長に寄与しました。それは事実ですし、結果、ソ連が体制間競争に敗れて、崩壊し、冷戦が終わるまで、日本の親米感情や対米従属への疑問も抱かずにここまできてしまいました。
しかし冷戦が終わると、米国は手の平を返しました。
冷戦終焉直後の1992年、ネオコンのリーダーの一人と目される東欧からのユダヤ人移民2世のポール・ウォルフォウィッツ国防副長官が中心となってまとめられた「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」と呼ばれた国防計画文書(DPG)の中で、「冷戦後の次の敵は、ロシア、中国、ドイツ、日本」であると、4ヶ国が名指されました。
中国とロシアはまだわかりますが、米国の「忠実な同盟国」である日独に対しても、米国を脅かす潜在的なライバル・敵国とみなしていたのです。
特に日本は、主に経済的ライバルと見なされ、日本の産業競争力の弱体化や、米国企業が日本市場で利益が出るように、次々と、米国に都合のよい「改革」を強要し、実際に、半導体など、日本が圧倒的なシェアを持っていた分野で、競争力を失っていき、その後、日米安保は、ソ連を仮想敵とする関係から、中国、北朝鮮を敵視する「日米同盟」へと、実質的に変更されていきました。
マスク氏の発言に戻ります。
マスク氏は、保守派のインフルエンサー、ジョー・ローガン氏の2025年2月28日のポッドキャストでも、こう述べています。
マスク氏「今起きているのは『文明としての自殺的な共感』なんです。
もちろん、共感は大切だと私は思っています。他人を思いやる気持ちは必要です。
でも、文明全体のために共感することが必要であって、文明の自殺に加担してはいけないんです」
ローガン氏「それから、誰かに『共感』を逆手に取らせて、国(州や国家)を完全に支配させ、そのうえでとんでもなくひどい運営をされても、その人物が決して解任されない──そんな事態に陥ってはいけない」
マスク氏「西洋文明の根本的な弱点は『共感』です。
『共感の悪用』が行われています。
彼らは、西洋文明の『バグ』(プログラム上の欠陥)、つまり共感反応を悪用しているんだ。
もちろん、私は共感は良いものだと思っています。
でも、それをちゃんと考えて使わなきゃいけない。
ただロボットみたいにプログラムされた反応をするだけではダメなんです」
ローガン氏「そう。共感が実際に『道具』として使われているときがあることを理解しなくちゃいけない」
マスク氏「そう。まるで『武器化』されているようにね。
『共感』は問題になるんです。
そう、『武器化された共感』。
うん、まさにそれです」
ローガン氏「それに加えて問題なのが、『リベラルなイデオロギーに対する硬直した執着』です。
たとえばカリフォルニアでは、もう立場を変えることすらできない。
テック業界やハリウッド、エンタメ業界──そういう界隈にいるなら、もう『左派』であることが、ほとんど宗教的に、ほぼ完全に、当然とされている」
マスク氏「カリフォルニアでは、共和党員でいることは『ほとんど違法スレスレ』なんです。
サンフランシスコやロサンゼルスでは共和党支持者であること自体が、もはや『違法ぎりぎり』みたいな扱いを受けるんですよ」
ローガン氏「確かに、敬遠されますね」
マスク氏「いや、ほんとに、たとえばサンフランシスコじゃ、市役所の前で、市長の車に向かってヘロインを打ちながら用を足したとしても、誰にも咎められないんですよ。
でももし、MAGA帽(トランプ支持の帽子)をかぶって通りを歩こうものなら、襲われることになる。
もう、正気の沙汰じゃないですよ」(後略)
※Joe Rogan Experience #2281 ― Elon Musk(PowerfulJRE、2025年3月1日)
https://youtu.be/sSOxPJD-VNo
※#2281 ― Elon Musk(Joe Roagan Experience、2025年2月28日)
https://www.happyscribe.com/public/the-joe-rogan-experience/2281-elon-musk
マスク氏は、「共感」そのものは、一応は否定しませんが、それが弱点となり、他者によって「武器化」されると主張し、「西洋文明の自殺を招く」とまで強調しています。
マスク氏とそのお仲間の、歴史の忘却が、またしても顔をのぞかせます。
欧州を中心とした西洋の歴史、この500年をふり返れば、他の民族、人種、宗教の違いなどを理由にして、どれだけの血を流してきたことか。
西洋の歴史とは、植民地主義による世界各地への侵略や人種差別、奴隷貿易、そして植民地争奪のための相互の戦争の連続です。
他者に対する「共感」の過剰ではなく、他者への「共感」の欠如こそ、西洋文明の本質ではないか、と言いたくなります。
米国も、イスラエルも、「入植者植民地主義(セトラー・コロニアリズム)」、即ち、本国から植民していって、先住民をジェノサイドし、追放して、建国された国家です。どこが、「共感」や「思いやり」にあふれ、それが弱点となっていまう文明なのでしょうか。
マスク氏らの対話のテーマは、リベラルな民主党のバイデン政権、特にその移民政策に絞られている、という人もいることでしょう。
しかし、民主党の移民政策も、「共感」にもとづく慈善のために行われていたのではありません。移民の人口を増やせば、それは民主党の票になるからであり、また、安価な労働力を必要としていたからです。利他的ではなく、きわめて利己的な動機にもとづいています。
バイデン前大統領は、決して、うるわしい「共感」の持ち主ではありませんでした。イスラエルによるガザのパレスチナ人に対するジェノサイドをはっきりと支持し、軍事支援までしてきた点からも明らかです。その点は、また、トランプ大統領とも共通しており、彼などは、ガザの土地を米国のものとし、パレスチナ人を追放して、リゾート地にしようと提唱し、ネタニヤフ首相の賛意を得ています。彼らは、現在進行形のジェノサイドの「共犯」です。
ロサンゼルスをはじめ、米国の大都市で、トランプ政権への強権的な移民排除に対する抗議デモが広がり、暴徒化して、警察だけでなく、軍まで出動する事態になっている現在、このようなロジックは、たやすく受け入れられてしまいそうです。
欧州各国でも、移民排斥を訴える政治勢力が伸長しており、しばしば、街頭での暴力に結びついています。マスク氏のような知名度のある人物の発言は、大きな影響力があるはずです。
少なくとも、ガザにおけるジェノサイドから、人々の関心を遠ざける効果は、発揮したはずです。
※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
―――――――
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆中継番組表◆
**2025.6.13 Fri.**
調整中
========
◆中継番組表◆
**2025.6.14 Sat.**
調整中
========
◆中継番組表◆
**2025.6.15 Sun.**
調整中
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆昨日アップした記事はこちらです◆
「取り返しのつかないことが起きようとしている!」上野千鶴子氏、前川喜平氏ら学者・文化人40人が国会前に座り込み! ~6.9「学術会議法案」の参院内閣委員会での採決強行を許さない! 6.9全国一斉行動
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527777
山尾志桜里氏「憲法に、緊急事態を統御する条項が必要。そして、そこには、緊急事態であってもさわってはいけない、制約してはいけない権利、そういうものをちゃんと事前に考えて、書いておくということが、人権尊重にとって極めて大事」~6.10 山尾志桜里氏 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527807
◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆
40年間続いた米国債の価格上昇が、下落へ! 世界一米国債を保有する日本には、巨大な含み損が発生! 米国債務は対GDP比100%を超え、利払い費だけで、米防衛費を超過!「アメリカの、世界に対する覇権を支えている財政システムが、大変動を起こしている」! 岩上安身によるインタビュー第1195回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2弾 前編
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/527763
◆しばらくフルオープン! 【緊急事態条項】シリーズ!動画をご視聴になり、記事をお読みになった方々は、ぜひ、この機会に会員登録をお願いします!◆
※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21 岩上安身によるインタビュー 第872回 ゲスト 永井幸寿弁護士
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982
コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要! 政府による人災に苦しめられたコロナ禍を検証!~岩上安身によるインタビュー 第1062回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500397
コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!(続編)日本海溝巨大地震で原発リスクは想定せず!? ~岩上安身によるインタビュー第1063回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500470
コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!(続々編)日本列島は「中国軍のミサイル吸収ホイホイ」!? ~岩上安身によるインタビュー第1064回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500588
世界の「緊急事態条項」を検証!自民党改憲草案の「異常性」に迫る~岩上安身によるインタビュー 第612回 ゲスト 早稲田大学法学学術院教授 水島朝穂氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287146
憲法学の「神様」がIWJに降臨!前代未聞!自民党改憲草案の狙いを丸裸に!~岩上安身によるインタビュー 第613回 ゲスト 樋口陽一・東京大学名誉教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287549
コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!(続々編)日本列島は「中国軍のミサイル吸収ホイホイ」!? ~岩上安身によるインタビュー第1064回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500588
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■<シリーズ特集 2025年7月20日参院選! 投票に行こう! 第15回>国民民主党が山尾しおり氏の公認取り消しで、山尾氏は逆ギレコメントを発表し離党届を提出! 不倫相手とされる倉持氏が突然YouTubeに出演の怪!! メディアもネットも手の平返しで、国民民主党の対応を猛批判! 玉木代表、榛葉幹事長の会見は山尾氏の言い分との間にズレ! 自分には甘い不適切な処分しかしない代表の、不適切な候補の擁立と、不適切なやり方での取り消し、国民民主党の支持率は、どのみちダウン!? 山尾・国民民主が進めたい政策は、改憲による緊急事態条項の一択という不適切な政策!
国民民主党の公認候補として、山尾しおり氏が10日に会見を行った翌日の11日、国民民主党は、両院議員総会を開き、山尾氏の公認を取り消しました。
※はじめに~国民民主党の候補である山尾しおり氏が10日、単独会見! 質問の3分の1以上が不倫問題に集中! 80回以上の「申し訳ありません」を繰り返しながら、不倫疑惑については「男女の関係はなかった」として、それ以上の回答を拒否! 山尾氏の任務である緊急事態条項について質問したのはIWJのみ! 昨日、公認取り消しへ!(日刊IWJガイド2025.6.11号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250611#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54745#idx-1
しかし、山尾氏は、黙って引き下がろうとはしません。公認取消の翌日である12日、『X』に、「両院議員総会での決定について」と題する、A4で2ページに渡る声明を投稿しました。
※「両院議員総会での決定について」(山尾志桜里氏の2025年6月12日のXへのポスト)
https://x.com/ShioriYamao/status/1932996384099348651
声明の冒頭は、公認取り消しの決定を受けた報告に続き、国民民主党の玉木雄一郎代表と、榛葉賀津也幹事長の「お二人同席の上で重ねてのご要請」を受けて、「悩み抜いた末」出馬を決断したと、出馬の経緯を説明しています。
「昨日6月11日、国民民主党の両院議員総会において、事実上の公認取り消しの決定を受けました。国政への再挑戦を決意しておりましたが、全国比例代表候補として、その場に立つことはかないませんでした。
昨年来、玉木雄一郎代表より、国民民主党からの国政復帰のお誘いを頂戴していました。本年に入り、改めて代表から具体的に夏の参院選での出馬の要請を受け、その後、代表と榛葉賀津也幹事長お二人同席の上で重ねてのご要請を頂戴しました。
悩み抜いた末、この大事なタイミングで党と国家に貢献できるなら微力を尽くしたいと考えるに至り、さまざまな環境を整えた上で、ご要請をお受けする決断をしました」
玉木代表・榛葉幹事長にどうしてもと要請されて、出馬を決めたのに、今更公認取り消しですか、という恨めしさが伝わってきます。
声明は続いて、公認決定から取り消しまでの経緯を明らかにしています。
その中で、山尾氏は「6月7日には後援会・支援者の皆さんと、事務所開きを行い、商店街の一角で事務所の運営を開始しました」と、準備に入っていたことを明らかにし、早く出馬会見を開きたかったが、「党からの判断を待った結果、6月10日開催の運びとなりました」と、国民民主党の判断によって、出馬会見が遅くなったと述べています。
出馬会見について、山尾氏は、玉木代表と榛葉幹事長が同席を見送ったことを「大変残念」だと述べています。
「代表・幹事長の同席を希望しましたが、辞退会見であれば同席するとのお答えは大変残念でした。ただ私には辞退の意思はありませんでしたし、会見するという自分の言葉を守る責任がありましたので単独で臨んだ次第です」
出馬を要請した玉木代表と榛葉幹事長が「辞退会見であれば同席する」と述べたというのですから、この言葉を信じれば、玉木・榛葉両氏は、表向きの会見などの発言とは違い、山尾氏が10日に会見を開く以前から、山尾氏に出馬を要請した張本人でありながらも、思いのほか山尾氏への風当たりが強く、世間は国民民主党そのものへの批判を強めていることに、両氏は動揺していた様子がうかがえます。もっと言えば、出馬を求めておきながら、山尾氏本人が、自らの判断で辞退するように、暗にうながしていたのではないかと推測されます。
玉木氏にせよ、榛葉幹事長は、それ以上に、あえて古臭い言葉を使えば、会見などで歯切れ良く答え、「男らしさ・頼もしさ」を感じさせ、一般有権者の好感を得ていたのではないか。
それが、執行部(榛葉幹事長も含む)として擁立を打診しておきながら、辞退会見ならば同席するが、不倫問題追及会見には同席しないとは、実に「男らしく」ない話です。
立憲民主党時代には、不倫スキャンダルが表沙汰になってから、2017年9月に山尾氏は離党し、それを党も了承しました。その後、2020年に国民民主党に入ったわけですが、その後、2021年4月に不倫相手の元妻が自殺したことが報じられると、自民党への移籍話も消え、表舞台から退きます。
今回は、不倫も、不倫相手の元妻が自殺していることも十分わかっていて、執行部が擁立したのは間違いないのですから、たとえ山尾氏から出馬したいと言い出しても、それは無理ですと断ることはできたはず。言い出したのがどちらであっても、認めた執行部の責任は免れません。
国民民主党は、改憲によって、緊急事態条項を導入して、非常時に権力を集中することの必要性をロジカルに話せる論客として、山尾氏を必要としたのです。国民民主党の玉木氏、榛葉氏らの、その感覚がおかしいと言わざるを得ません。
しかし、天下国家を雄弁に論じることはできても、8年経っても、自らの不倫は認めない、謝罪もしない。
何よりも、自殺した元妻への気持ちを聞かれた時に、「お気の毒に思います」といった、お悔やみの言葉ひとつ、山尾氏はついに口にすることがありませんでした。
文字通り、人の情も、涙ひとつもない人が、天下国家を大上段に振りかぶって論じ、国会議員という権力者になって、緊急時に権力の強化を論じること自体、恐ろしく感じます。しかも、立憲民主党の議員時代には、断固として、緊急事態条項は危険だ、認められない、として、論陣を張っていたのです。
※【再掲載!】緊急事態宣言を可能にする特措法改正案に反対!「ここで妥協したら、憲法に緊急事態条項は不要と主張する資格を永遠に失う!」岩上安身による緊急・採決直前インタビュー!第988回 ゲスト 立憲民主党・山尾しおり衆議院議員 2020.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/469847
立憲民主党は、不倫スキャンダルの発覚以来、彼女を引き止めるとか、擁護することはありませんでした。結果的には、立憲民主党よりも、一般の有権者の感覚からズレまくったいたのが、国民民主党ということになります。
玉木代表自身が、自身の不倫スキャンダルで、3ヶ月、代表の座を外れていた経験があり、その後、しれっと元のポジションに戻っています。
※「黙れ!」玉木雄一郎代表(55)と不倫相手・小泉みゆき(39)が憲法審査会で見せていた“裏の顔”「2人はアイコンタクトを」「玉木氏にヤジが飛ぶと彼女が立ち上がって…」〈全文公開〉(文春オンライン、2024/12/05)
https://bunshun.jp/articles/-/75339
※玉木雄一郎代表(55)の不倫相手・小泉みゆき(39)は国民民主党の候補者だった!(文春オンライン、2024/11/26)
https://bunshun.jp/articles/-/75105
※国民 玉木氏が代表復帰 “参院選で21議席以上を目指す”(NHK、2025年3月4日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250304/k10014739431000.html
山尾氏の緊急事態条項案は、自民党案よりもマイルドにした、と売り込んでいますが、ひとつだけ、はっきりしていることは、3権分立を束ねてしまう、ということは山尾氏も明言しているので、民主主義国家とは言えなくなります。いくら解除規定があってもです。
全権を委任したのち、国民に主権を戻す、三権分立に戻す、といっても、実力で約束をねじふせられたら、どうにもなりません。それが、ナチスが全権委任法によって、独裁権力を掌握した時に起きたことであり、戒厳令下のウクライナも、大統領選挙を行わないまま、ゼレンスキー氏の独裁権力が継続しています。
しかも、議員の任期は延期できます。議院内閣制ですから、発令した時から、内閣は固定されます。選挙も延々と引き延ばされていきます。法律の代わりに政令が出され、立法府たる国会も、司法も、空洞化します。
当然、報道や言論の自由も規制が予想され、玉木氏や山尾氏の不倫疑惑を報道が追及することも、説明責任を主権者たる国民に対して果たせ、という声をあげることもできなくなることが確実視されます。今回、開いたような会見を、山尾氏は開かなくてすむようになるでしょう。
今は、現行憲法下では、国民が主権者ですが、緊急事態条項が発布されてからは、内閣=国家権力が一方的に国民に命令を下すようになるのです。不倫スキャンダルなど、もみ消しは簡単です。そもそも、そのような報道は検閲されることとなり、表に出せなくなるでしょう。玉木氏や、山尾氏のような不倫議員は安泰です。あのような会見も、開かれることがありません。
戦前・戦中は、2.26事件の時に発布された、一時的な戒厳令などはありました。しかし、そんな戒厳令が出されなくても、国家総動員体制が確立され、男性は、赤紙(召集令状)一枚で、戦地に赴かされ、銃後の年配者、女性、子供達まで、軍需工場に勤労動員させられました。ありったけの資源が民生でなく、軍需に回されて、国民は飢え、贅沢品などは、拠出させられました。
国家緊急権、すなわち環境事態条項がなくても、これだけのことができたのです。国家緊急権が導入され、発令されれば、同様以上のことが、可能となるでしょう。
実際に国家緊急権ができたなら、国民の反発は完全に弾圧して、主権は国民から内閣の手に握られ、国民は命令される側になってしまい、しかもその内閣は、米国・米軍の言いなりの傀儡独裁政権となります。山尾氏は、法学部を出た法律家ですが、戦争も安全保障も、リアリズムの国際関係も、その歴史も、とてもではないが、理解しているとは思えません。
そもそも法律次第で、一夜にして、日本が中国と対決できる軍事国家になれるわけではないのです。頭の上の日米安保という超国家権力にも従わざるを得ないのです。彼らは、日本の法律にも憲法にも縛らられませんから。
そうしたこと抜きに、地道に国防を考え、自立していく道を模索していかなければ、日本の安全保障は確立できません。その点の甘さ、いいかげんさは、山尾氏だけでなく、玉木氏はじめ、国民民主党全体の問題であり、自民党など、他の保守政党も同様です。
山尾氏の言い分に戻りましょう。
山尾氏は、「全ての人の納得を得ることはできないだろうということも予測はしていました」が、「有権者のご判断を仰ぎたい」と会見に臨み、「意を尽くして」、「できる限り真摯に対応」、「今の自分自身の正直な言葉を届けた」と述べています。
「そして6月10日の約2時間半の記者会見の後、さまざまな方からご連絡もいただき、少なからずご理解と励ましの広がりに感謝をしていたところ、24時間もたたないうちに『公認取り消し』という性急な結論を頂戴したことには正直驚きました。
明らかに執行部主導でご要請を受け、擁立いただいたにもかかわらず、執行部の責任において判断せず、両院議員総会での決定という形をとる点にもかなり違和感がありました」
山尾氏としては、執行部主導で出馬を要請しておきながら、公認取り消し決定の局面では、執行部、つまりは玉木代表と榛葉幹事長の両氏が姿を隠して責任を取ろうとしていない、と強く批判しています。
山尾氏の公認を決めた玉木代表の判断に対し、国民民主党の中でも疑問の声が上がっているという指摘、玉木代表の単独決断ではないかという指摘は、公認発表の時点からありました。
しかし、国民民主党が、合従連衡の末に現在の形になっていく段階で、改憲による緊急事態条項の導入を党の合意事項としてきたことは、間違いありません。
山尾氏の起用は、玉木氏1人の情実ではなく、榛葉幹事長含めた執行部の責任であること、もっと言えば、そのような政策を実行するために、山尾氏を必要としたわけで、国民民主党全体の責任であることは間違いありません。
山尾氏の出馬会見直後のSNSには、「イメージダウンが加速した」「なんだあの会見は! クソすぎる!」「ほんと最低最悪。必ず山尾しおりを落選させよう」「誰が信じるかよ」「シンプルに人としておかしいでしょ」「亡くなった人(不倫相手とされた倉持氏の自殺した妻)に哀悼の言葉もないのか」などのアンチ投稿があふれていました。
山尾氏の会見、そして会見での不倫問題に対する回答拒否、亡くなった方へのお悔やみの言葉もない姿勢に対して、肯定的な声はほとんどありませんでした。もし事実無根であると言い張るならば、8年前から、『週刊文春』に対して名誉毀損の訴訟を起こして、戦うべきだったはずですし、また、理由がどうあれ、自殺した故人に対しては、哀悼を表すべきだったはずです。
SNS上の声を、そのまま「有権者の声」ということはできませんが、少なくとも支持者の一部からの猛烈な反感が伝わってきます。
また、両院議員総会を開き、全国各地の党の責任者から、山尾氏に比例で公認を与えないでほしいという声が大多数だった、という点を見ても、このままでは、国民民主党は参議院選を戦えない、と全党的に判断した、ということが言えると思います。
しかし、上述した通り、執行部自体が山尾氏に「辞退会見であれば同席する」と伝えていたことから、執行部もすでに山尾氏の公認を「取り消し」という党主導の形ではなく、「辞退」という形を希望していたのだろうと推測されます。山尾氏の声明には、この推測を裏付ける文言があります。
「今回問題とされた事柄は、全て公認時に周知されていたことです。その事柄について何らか懸念があるのであれば、公認前に選対面談を設けご指摘を頂戴することができたなら、よりよい状況を作れたようにも思います。
面談日程が入らないガバナンスに違和感を覚え、公認前の4月15日に選対面談を申し出た際には、面談は不要とのご判断を頂戴した経緯もありました」。
つまり、公認発表後、山尾氏に対する「選対面談」を、玉木氏や榛葉氏ら、党の執行部は避けていたのです。山尾氏らの4名の公認発表後の支持率の急落に、執行部が動揺し、責任回避していたとしか思えません。
山尾氏は「党から正式な公認内定を受けても、党の都合で排除されてしまう政党では、志ある方も今後立候補の決断にちゅうちょしてしまう」と述べ、「その統治能力には深刻な疑問を抱いております」と批判しました。
最後に、山尾氏は、「さきほど、国民民主党には離党届を提出いたしました」と、出馬会見で「穏健保守からリベラルまでを包摂する改革の中道政党」だと高く評価した国民民主党を離れたことを明らかにしています。
山尾氏の声明を信じるのであれば、玉木代表・榛葉幹事長ら執行部は山尾氏に出馬を要請しておきながら、支持率が下がる、SNSで山尾氏への反発の声が上がるといった事態に動揺し、「手のひら返し」で山尾氏に辞退を迫り、公認を取り消した、ということになります。これでは、多くの批判にさらされることを覚悟で出馬を決めた山尾氏から「ハシゴ外し」だと言われても仕方がありません。
※山尾志桜里@ShioriYamao(X、午後0:00・2025年6月12日)
https://x.com/ShioriYamao/status/1932996384099348651
実は、山尾氏は自身の会見開催を告知した6月4日の『X』への投稿で、以下のように述べていました。
「はい、出馬会見をさせてください。
決定当初は自然体で会見を設定していたのですが、その後、私の発信や会見が党に与える影響を読むことができず、躊躇していました。(中略)
そんななか、友人がある方のSNSでの発信を転送してくれて、そこには『がんばれ!応援しているよ。丁寧に説明してほしい』とありました。その文字を見た瞬間、正直涙が出ました。本当にそうだよな、と。繰り返し丁寧に説明するという普通のことをやれてなかった自分と向き合い、猛省しました。
相前後して、代表や幹事長もそれぞれご自身の記者会見で、『会見すべき』と言っていることを知り、背中を押して頂きました」
つまり、山尾氏の会見は、玉木代表、榛葉幹事長からの、直接の要請ではなく、間接的に聞いた代表や幹事長の報道を通じた発言によって、背中を押されたものだったのです。公認発表からあと、玉木代表や新馬幹事長ら党執行部との連絡が途絶していたのではないか、と疑わせる投稿です。
※山尾志桜里@ShioriYamao(X、午後2:59・2025年6月4日)
https://x.com/ShioriYamao/status/1930142338241966169
6月10日の定例会権で、玉木代表は、山尾氏ら4名の公認比例代表候補を選んだ、代表と幹事長の責任について問われ、「私と榛葉が個人で決めたものではなくて、役員会を通して、両院総会を通して、組織として決めたもの」だと答えています。
つまり、山尾氏の公認は、組織として決めたものであるにもかかわらず、SNSでの山尾会見の評判が悪いとなると、1日で公認取り消しにしたのは、玉木代表・榛葉幹事長が手のひら返しをしたわけではなく、組織として手のひら返しを行った、ということになります。
※【LIVE配信】国民民主党・玉木代表会見 2025年6月10日(火)10時30分~(国民民主党)
https://www.youtube.com/live/8DZ1j2uejY8
11日のぶら下がり会見で、山尾氏の公認取り消しについて問われた玉木氏は、「(同日の両院総会で)山尾氏の公認候補予定を公認に切り変えないということを決定をいたしました」と述べました。
「公認取り消し」と言わず、「公認候補予定を公認に切り変えない」などという説明をするのは、いかにも姑息です。
5月14日の『日本経済新聞』は、「国民民主党は14日、夏の参院選の全国比例代表に元衆院議員の足立康史氏と菅野志桜里氏を擁立すると発表した。元参院議員の須藤元気氏と薬師寺道代氏の公認も同日決定した」と報じています。
両院議員総会長である舟山康江氏は同日、「公認すべきだということで決まった」と述べています。今更「公認候補予定」などと言い出すのは違和感があります。
※国民民主党、参院比例に足立康史氏や菅野志桜里氏ら4人を公認(日本経済新聞、2025年5月14日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA139PR0T10C25A5000000/
玉木代表は、公認取り消しの理由を「(過去に色々問題があっても)どんな人にもチャンスを与えるというのが私達の政治姿勢」だから、山尾氏を擁立したが、「正直、有権者、全国の仲間、支援者。こういった方々から十分な理解と信頼が得られないと判断」をした、「代表も責任があると思っている」と、述べました。
玉木代表は、10日の山尾会見について、山尾さん個人が勝手にやったものかと問われ、「何回かお答えしてるように、疑問があればしっかり答えるべきだということは、私からも、会見でも何度も申し上げてますし、そういったいろんな声が来てるよ、ということは、本人にも伝え、しっかりと会見すべきだということは、私からも伝えています」と答えました。
「本人」に「私からも伝えています」というくだりは、山尾氏の投稿「代表や幹事長もそれぞれご自身の記者会見で、『会見すべき』と言っていることを知り、背中を押して頂きました」とは、矛盾しています。
玉木代表は、山尾氏の会見会場は、国民民主党の事務局が確保したと答えました。しかし、さらに「あの時点では、公認候補予定者ですから。最低限どの便宜は供与したと思います」と付け加え、玉木氏としては協力したくなかったことを示唆しています。公認を取り消す前から、玉木代表が、党内や支持者らの声を受け、山尾氏の公認に消極的になっていたことは、確かです。
山尾氏の擁立については、当初から疑問の声があったにもかかわらず、今頃になって「公認取り消し」という決断は遅すぎるのではないかと問われ、玉木氏は「批判は真摯に受け止めたい」、党の「ガバナンスを強化していきたい」と答えました。
※6月11日 玉木代表ぶら下がり(党首討論を終えて)(国民民主党、2025年6月11日)
https://youtu.be/fg5qHq2-crs
榛葉幹事長は12日、山尾氏の公認取り消しの説明会見で、9日月曜日に開催した全国幹事長会議で、「(山尾氏の)法律家としてのご自身の能力を見込んでの擁立ということでしたが、全国の国民民主党を支えている都道府県関連、そして全国の地方自治体議員から同様に、今回の山尾さんの公認は見送ってほしいという声が全国からありました」と述べています。
榛葉幹事長は、同会議で「一部、山尾さんにも弁明のチャンスを与えるべきだ」という声もあり、「昨日(11日)、山尾さんには出馬会見を行なっていただきました」と、山尾氏の出馬会見開催を認めた経緯を語りました。
榛葉幹事長は、「多くの皆さんから疑問に払拭をする会見ではなかったいう声があり、本日(12日)の両院議員懇談会においても、党が一丸となって、来たる参議院選挙を戦う環境を整えるためには、山尾さんの公認は今回見送って欲しいという議員の声がございました」と述べ、「正式に公認内定を公認に切り替える作業を、山尾さんについてはとらないということが了承され、このことが決定をした次第でございます」と報告しました。
国民民主党のYouTubeアカウントには榛葉幹事長のフル動画がまだでていませんが、榛葉幹事長の説明には、玉木代表や幹事長自身が山尾氏に出馬を強く要請したという要素はなかったようです。
※山尾志桜里氏の公認見送り 出馬会見の翌日に国民民主党が発表 全国幹事長会議で「すべての都道府県から公認を見送ってほしい」(FNNプライムオンライン、2025年6月12日)
https://youtu.be/8Kctiayq64Y
玉木代表は、12日午前7時に、山尾氏の公認取り消しについて、「国民民主党として、山尾しおりさんの公認内定を公認に切り替えない判断をしました」と、『X』に投稿しました。
※玉木雄一郎(国民民主党)@tamakiyuichiro(午前7:22・2025年6月12日)
https://x.com/tamakiyuichiro/status/1932926396843819041
玉木代表の投稿と山尾氏の公認取り消しに対し、『X』上には、数千もの批判が溢れかえりました。なかには国民民主党の支持者からの批判と思われる投稿もあります。一部を以下にご紹介します。
・「ご自身の問題(※玉木代表の不倫スキャンダルを指すと思われる)は党内外から理解と信頼を得られていますか?」
https://x.com/Motomitsu_N/status/1933147114726621563
・「今回の事案に限らず、国民民主党の判断がブレにブレてしまうのはなぜですか?」
https://x.com/hyougakizetubou/status/1932934798890455468
・「今回の山尾志桜里氏の公認取り消しは、単なる一過性のミスではなく、党(国民民主党)の根深い構造的問題を反映している可能性が高い」
https://x.com/grok/status/1932935006885982580
・「公認権者として、どう責任を取るおつもりですか?/軽く考えてらっしゃるようですが?」
https://x.com/SEIKOUUDOKU_JP/status/1933116468323140047
・「一度判断して取り消す/衆議院では(国民民主党に)投票しましたが、今は入れる気がしません」
https://x.com/awp0a/status/1933119358752137578
・「自分が引っ張ってきた奴やのに、ひとり会見で矢面立たせて晒し者。/男らしさがかけらもない。せめて同席するくらいしたれよ。/公認取り消しの口実づくりのためひとりやらせたとしかみえん」
https://x.com/hokabenhokaben/status/1932937243330793796
・「『公認内定』を『公認』に切り替えない?/以下のビラ(※国民民主党の号外チラシ)には『公認「決定」』と書いてありますが。。AIか何かで作られた偽物のビラですかね?」
https://x.com/whatatinyworld/status/1932971392779366765
・「公認内定した以上は守らないと。誰も貴方(玉木代表)について行かないよ!」
https://x.com/Aho1031109/status/1933070281729585624
・「仲間を守れない人は、国も守れない。仲間を裏切る人は、国民も裏切る。/信用ができません」
https://x.com/LN_eruenu/status/1932942690511151317
・「とかげの尻尾きりすれば支持者が増えると思ったんだろ? そんな責任者は即刻やめろ。去年公認取消した女性が自殺したとき玉木はもちろん政党として何も反省していないことがこのポストで判明」
https://x.com/cheb_nyan5/status/1933246283768283538
・「山尾氏擁立はいただけないが、こんな切り方はもっといただけない。期待していただけに本当に残念です」
https://x.com/4iXjM3JnhEqoIQa/status/1933140404486259147
・「例の会見の後、なんとも言えない気分になり党員退会しました/1人の候補者で党が揺らぐことは無いとおっしゃっていましたので代表も一緒に会見に出るべきだったと個人的には思います」
https://x.com/gengoro1973/status/1933163465331581312
山尾氏の公認取り消し自体に反対する声は多くはありませんが、そのやり方があまりにも酷い、裏切りだ、ブレにブレてしまう、という声は少なくありません。また、多くの投稿に、須藤元気氏らの公認はどうするのか、こちらも取り消すべきではないかといったコメントも数多く見られました。
『X』への投稿にもありましたが、党の代表が自ら不倫して、自分の処分には甘く、不適切な処分しかしてこなかった政党です。その政党が、不倫疑惑のある人物を、不適切な公認候補として安易に立てておいて、世論の様子をみて、すぐにハシゴを外すかのごとき不適切な公認取り消しを行う。
このままでは、国民民主党の参議院選挙はかなり厳しい戦いになりそうです。
山尾氏が最もやりたい政策は、改憲による緊急事態条項の一択という、不適切な政策でした。玉木代表も、同じ目論見だからこそ、一度は山尾氏引っ張ったのです。
国民民主党は、憲法審査会をみれば明白であるように、改憲5派の一翼を担っています。
昨日12日には、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、衆院会派「有志の会」の改憲5派が、衆院憲法審査会に先立つ幹事会で、緊急時の国会議員任期延長に関する憲法改正骨子案を提示しました。
12日付の『日本経済新聞』によると、枝野幸男会長(立憲民主党)は、議事録が残る憲法審査会での骨子案提示には反対があり、「議事録に残らない幹事会に示すことで折り合った」と説明しています。
自民党が提案していた改憲原案を起草する委員会の設置については、当面見送る方針が懇談会で報告されています。
12日付『時事通信』によれば、骨子案には、国会議員の任期延長を認める「選挙困難事態」の要件がまとめられました。
「自然災害、感染症まん延、武力攻撃などで、国政選挙が広範囲かつ長期間にわたって実施できない場合、内閣が国会の事前承認を受けて適用する」ということです。
※衆院憲法審、議員任期の延長で改憲骨子提示へ 5党派が幹事会に(日本経済新聞、20205年6月12日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29BC20Z20C25A5000000/
※自民など5党派が改憲骨子案 議員任期延長で―衆院憲法審(時事通信、20205年6月12日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025061200889
不適切な候補とともに、このタイミングで危険な緊急事態条項政策が注目されるきっかけとなったことは、不幸中の幸いとも言えます。
しかし、この機会を活かすかどうかは、国民次第です。メディアには、何も期待できません。山尾氏の会見に、多数のマスメディア、ウェブメディア、フリーランスも集まって、彼女が冒頭でも掲げた緊急事態条項の問題について、質問したのは、わずかにIWJ一社だけでした。信じがたいほどの鈍感さです。
先述した5会派は、国民へのさしたる説明も、おそらくは国会議員当事者も深く考えることなく、緊急事態条項を、通そうとしているのです。山尾氏ひとりだけが、国民民主党から離党しても、その動きはかわりません。
できるだけ多くの人に、この機会に、緊急事態条項の問題に、ついて、そして、現実に迫り来る戦争の危機について、我がこととして、真剣に考えてもらいたいと思います。
山尾氏が、触発された、ウクライナ戦争では、戒厳令下のウクライナ側では、強制的な徴兵で、少なくとも13歳から、70歳代までの男性が、戦場に行かされ、捕虜になったことが明らかになっています。
男性だけでなく、女性も、動員されています。要するに、緊急事態条項とは、そういう動員体制を作ろう、ということです。また、徴兵忌避のために、自由に国外に脱出することもできなくなります。
今こそ、すべての日本人が、この危険な緊急事態条項の問題を、我が事として、考える時です。
※今回の総選挙でついに全国民に差し迫った危機が!! 「国家を守り、人権を制限するのが国家緊急権。多くの国で権力に濫用されてきた過去がある」~岩上安身によるインタビュー 第599回 ゲスト 永井幸寿弁護士 2015.12.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/279662
※いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21 岩上安身によるインタビュー 第872回 ゲスト 永井幸寿弁護士 2018.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982
※コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要! 政府による人災に苦しめられたコロナ禍を検証!~岩上安身によるインタビュー 第1062回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏 2021.12.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500397
※コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!(続編)日本海溝巨大地震で原発リスクは想定せず!? ~岩上安身によるインタビュー第1063回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏 2021.12.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500470
※コロナ禍を口実に改憲による緊急事態条項の導入は不要!(続々編)日本列島は「中国軍のミサイル吸収ホイホイ」!? ~岩上安身によるインタビュー第1064回 ゲスト 弁護士 永井幸寿氏 2021.12.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500588
※「緊急事態条項」への認識を問う! 憲法を「眠らせ」ようとしているのは誰か 民主党は「ナチスの手口」に屈するのか?~岩上安身による単独直撃インタビュー 第601回 ゲスト 岡田克也代表 2015.12.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/280184
※世界の「緊急事態条項」を検証!自民党改憲草案の「異常性」に迫る~岩上安身によるインタビュー 第612回 ゲスト 早稲田大学法学学術院教授 水島朝穂氏 2016.2.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287146
※憲法学の「神様」がIWJに降臨!前代未聞!自民党改憲草案の狙いを丸裸に!~岩上安身によるインタビュー 第613回 ゲスト 樋口陽一・東京大学名誉教授 2016.2.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287549
※参院3分の2議席で日本でも現実に!麻生太郎自民党副総裁が「学ぶ」べきという「ナチスの手口」とは何か!? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身によるインタビュー 第663回 ゲスト 石田勇治・東京大学教授 前編 2016.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/313466
※参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身によるインタビュー 第663回 ゲスト 石田勇治・東京大学教授 後編 2016.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/323391
■<号外報告>「<速報>イスラエルがイランの軍事施設と核施設に大規模攻撃を開始!」を発行しました!
イスラエル軍は13日、イラン全土の各施設や軍事施設を狙った複数回の空爆を実施するとともに、イラン軍高官、核科学者らを一斉に殺害する大規模攻撃を開始しました。中東地域で、全面戦争が勃発する懸念が急激に高まっています。
この緊急事態を受けて、昨夜遅くに『IWJ号外』をお送りしました。詳しくはぜひ号外をお読みください。
こうしたIWJの活動は、IWJ会員の皆様の温かいご支援と、ご寄付・カンパによって支えられております。いつもご支援、誠にありがとうございます。
連日お伝えしておりますように、6月のIWJの財政は危機的な状況にあります。どうぞ、会員登録、緊急のご寄付、カンパでIWJの活動をお支えください。よろしくお願いいたします!
※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―
それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
YouTubeへの高評価とチャンネル登録も、よろしくお願いします。10万人登録まであと少しです!
ご支援のほども、よろしくお願いします。
※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250613
IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也)
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト【 https://iwj.co.jp/ 】
公式X(旧ツイッター)アカウント【 https://twitter.com/iwakami_staff 】