日刊IWJガイド・非会員版「ブラジルとアルゼンチンでも通貨多極化の動きが始まる! 米国覇権の経済的源泉である基軸通貨ドルから離れる動きが世界的に活発化!」2023.1.24号~No.3785号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ブラジルとアルゼンチンで共通通貨導入! 南米でも、脱ドル、通貨多極化の動きが始まる! 米国覇権の経済的源泉である基軸通貨ドルから離れる動きが世界的に活発化!

■2010年12月の創業以来、IWJは最大の経済的危機です! 第13期が始まった8月から12月までの5ヶ月間の累積の不足額は970万9900円です。1月に入って20日間のご寄付・カンパは単独の月間目標額の32%にとどまっています! 先月12月に岩上安身は500万円を、今月1月になってもキャッシュフローが不足するため、500万円を経理から依頼を受けて、IWJに貸すことになりました。岩上安身からのIWJの借り入れ総額は、現時点で1600万円になります! 岩上安身の私財には限界があります! このままでは、皆さまのご支持・応援、会費、そしてご寄付・カンパによるご支援がなければ、活動が立ち行かなくなります。米国が自らの覇権維持のために世界の緊張を高める「新しい戦争前夜」にあって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張ってまいりますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

■【中継番組表】

■統一教会の養子縁組あっせん問題で厚労省が教団に2回目の行政指導文書を送付! 文科省も宗教法人法にもとづく3回目の報告聴収・質問権を行使! ジャーナリスト鈴木エイト氏はIWJ記者の取材に「解散命令請求まで行くことは確実」としつつも、自民党・萩生田政調会長、菅前総理の「動き」に注目! 地裁の決定までは「政治状況次第」で半年から1年以上との見通しを示す!

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その31)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part3)
┗━━━━━

■はじめに~ブラジルとアルゼンチンで共通通貨導入! 南米でも、脱ドル、通貨多極化の動きが始まる! 米国覇権の経済的源泉である基軸通貨ドルから離れる動きが世界的に活発化!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 1月23日付『フィナンシャル・タイムズ』は、「ブラジルとアルゼンチンが今週、共通通貨の準備作業を開始すると発表し、この動きは、最終的には世界第2位の通貨圏を形成する可能性がある」と報じました。

※Brazil and Argentina to start preparations for a common currency(FINACIAL TIMES、2023年1月23日)
https://archive.is/mlXhj#selection-1357.0-1357.64

 ブラジルは南米では最大の経済規模を持ち、アルゼンチンは(メキシコに次いで)南米で3番目に大きい経済規模を有しています。

 23日付『フィナンシャル・タイムズ』によると、「南米の2大経済大国は今週24日、ブエノスアイレスで開かれる首脳会議(中南米カリブ海諸国共同体(CELAC))でこの計画について議論し、他の中南米諸国にも参加を呼びかける予定である」といいます。

 ブラジルとアルゼンチンの共通通貨準備作業開始の正式発表は、23日付『フィナンシャル・タイムズ』によると、「ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領が、1月1日の政権発足以来初の外国訪問である、日曜日(29日)の夜からのアルゼンチン訪問の際に、公式発表が行われる予定」ということです。

 ブラジルとアルゼンチンは過去数年間、共通通貨について議論してきましたが、ブラジル中央銀行がこのアイデアに反対したため、話し合いは決裂したと、この議論に近い関係者は語ったと23日付『フィナンシャル・タイムズ』は、伝えています。

 しかし、現在、両国とも左派の指導者が統治するようになり、通貨統合の政治的な後ろ盾となっています。

 ブラジルのルラ大統領は、昨年10月30日の大統領選で、「ブラジルのトランプ」と呼ばれたボルソナーロ前大統領に大接戦で勝利し、左派政権を樹立しました。

 他方、アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、正義党から2019年12月10日に就任した中道左派志向の大統領です。

 この通貨統合の最初の焦点として、23日付『フィナンシャル・タイムズ』は、関係者の話を引用し、「ブラジルが『シュル』(南)と呼ぶことを提案している新しい通貨が、地域貿易を促進し、米ドルへの依存を減らすことができるかにある」と述べています。通貨統合の狙いが、脱ドル依存にあることを明言しているのです。米国の一国覇権主義者らは、表面はともかく、心中、穏やかではないでしょう。

 米国は、ドル一極集中のシステムを継続するためならば、戦争だって引き起こしかねない国です。

 中東の産油国の輸出入決済はすべてドル決済とされ、サウジなどは代金として受け取った大量のドルを、大量の米国債の買い入れに使い、米国に還元して、米国債=借金を前提とする米国経済を支えてきました。中東の石油の代金をドルで支払い、米国債の購入によって、米国の永続借金体制を存続させるのが、石油=ペトロリアム(Petroleum)とドル(Dollar)を結びつける「ペトロダラー体制」と呼ばれる体制です。

 日刊IWJガイド、1月10日号と12日号にて、この「ペトロダラー」体制について、紹介しています。

※「ペトロダラー」から「ペトロユアン」へ、国際基軸通貨の覇権交代か!? 中国の習近平国家主席が12月、サウジアラビアで湾岸諸国との首脳会合で「石油・ガス貿易の人民幣建て決済推進」を演説! しかし共同声明では触れられず! IWJ記者の取材にJOGMEC原田大輔氏は「決済通貨多様化の一選択肢となりつつある」とコメント!(前編)
(日刊IWJガイド、2023年1月10日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/date/2023/01/10#idx-4

※「ペトロダラー」から「ペトロユアン」へ、国際基軸通貨の覇権交代か!? 中国の習近平国家主席が12月、サウジアラビアで湾岸諸国との首脳会合で「石油・ガス貿易の人民幣建て決済推進」を演説! しかし共同声明では触れられず! IWJ記者の取材に放送大学名誉教授高橋和夫氏は「湾岸諸国は反論はしなかったけど、OKも出さなかった」と分析! エコノミスト田代秀敏氏は「実質『ペトロダラー』は機能していない。日本も石油代金を人民幣で支払ってほしいと言われる可能性は否定できない」と指摘!!(後編)
(日刊IWJガイド、2023年1月12日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51751#idx-5

 これに対し、2000年11月に、有力産油国のひとつであるイラクのサダム・フセイン大統領は、イラクからの石油輸出の支払い代金をドルではなく、ユーロにすることを宣言しました。その2年4ヶ月後に起きたのが、イラク戦争です。米国はイラクが「大量破壊兵器を保有している」との事実無根の言いがかりをつけて、イラクを破壊し、サダム・フセインを死刑に追い込みました。

 実際に、イラク占領後、米国は、イラクの支払い決済をユーロからドルに戻させました。このエピソードは、米国が、他の通貨がドルに代わって台頭し、流通することを決して許さない、という意志を秘めていることを表しています。

※『ペトロダラー戦争 イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』
ウィリアム・R・クラーク(作品社、2013年)
https://sakuhinsha.com/politics/24654.html

※フセイン・イラク大統領がブッシュ米国に討伐された本当の理由
(『幻冬舎 GOLD ONLINE』、2022年12月9日)
https://gentosha-go.com/articles/-/47753

 話を、南米の共通通貨導入の動きに戻します。

 共通通貨は、当初は、ブラジル・レアルやアルゼンチン・ペソと並行して運用される予定ということです。

 この共通通貨準備作業の具体的な中身について、アルゼンチンのセルジオ・マッサ経済相は『フィナンシャル・タイムズ』に次のように語っています。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■2010年12月の創業以来、IWJは最大の経済的危機です! 第13期が始まった8月から12月までの5ヶ月間の累積の不足額は970万9900円です。1月に入って20日間のご寄付・カンパは単独の月間目標額の32%にとどまっています! 先月12月に岩上安身は500万円を、今月1月になってもキャッシュフローが不足するため、500万円を経理から依頼を受けて、IWJに貸すことになりました。岩上安身からのIWJの借り入れ総額は、現時点で1600万円になります! 岩上安身の私財には限界があります! このままでは、皆さまのご支持・応援、会費、そしてご寄付・カンパによるご支援がなければ、活動が立ち行かなくなります。米国が自らの覇権維持のために世界の緊張を高める「新しい戦争前夜」にあって、正確な情報をお届けすべく、IWJは精いっぱい頑張ってまいりますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 第13期が始まった8月から12月末まで、月間目標を下回る月が続き、この5ヶ月間の累積の不足額は970万9900円にまで膨れ上がってしまいました。

 12月1日から12月31日までのご寄付・カンパは、241件、350万7570円でした。この金額は、12月の月間目標額390万円の90%です。ご支援のお願いにこたえてくださった皆さま、本当にありがとうございます。12月は月間目標額の9割のご寄付・カンパが集まったことは、我々にとってとても大きな励ましとなり、勇気づけられました。心より感謝申し上げます。

 しかしながら、12月もご寄付・カンパが月間目標額に達しなかったことで、実際には累積の不足額は先月より増えてしまい、上記の通り970万9900円となってしまいました。1月はこの金額に月間の目標額である390万円をあわせ、1月末までに1360万9900円が必要となります。

 IWJの内部留保も底を尽き、12月は、キャッシュフローが不足したため、経理から報告を受け、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円をIWJにつなぎ融資することでしのぐことになりました。そして、12月に続き、1月も同じように、キャッシュフローが不足し、私が、さらに500万円をIWJにつなぎ融資することを決めました。

 私がこれまでにIWJに貸しつけてまでまだ返済が残っている貸付金は約600万円。この2ヶ月間、連続しての500万円ずつのつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の現在の貸し付け残高は約1600万円にものぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 1月も3分の2が過ぎましたが、1日から20日までの20日間で、ご寄付は96件、126万700円です。これは、単独月間目標額390万円の32%に相当します。月間目標額の68%に相当する265万円が月末まで必要であり、集まらなければ累計の赤字がまた膨れ上がってしまいます。

 長引くコロナ禍、そして円安と物価高で厳しい状況の中、ご寄付をお寄せいただいた方々、誠にありがとうございました。

 しかし、このままではどうにも立ち行きません。IWJの活動、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を再構築したいと思っています。

 人員、活動ともに引き締めています。コンパクトなオフィスも探していますが、インフレと不況による変化が急激すぎてなかなか対応が追いつけないのが現実です。なかなかリーズナブルな物件も見つけられずにいます。加えて今年に入って年頭からスタッフの中にコロナ感染者が出て、現在まで6人の感染者を出しており、予定されていたインタビューを2件延期せざるをえなくなりました。ご期待いただいていた会員や応援・支援くださっているIWJファンの皆さまには、大変申し訳なく思っています。

※<岩上安身によるインタビュー延期のお知らせ>PCR検査の結果、IWJのスタッフが複数名、陽性に! 岩上自身は陰性で、無事に勤務していますが、慎重を期して、本日予定していた、岩上安身によるJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)原田大輔氏へのインタビュー第3回を延期します! 申し訳ありません!(日刊IWJガイド、2023年1月20日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51784#idx-1

※<インタビュー延期のお知らせ>本日予定していた岩上安身によるエコノミスト 田代秀敏氏インタビューを諸事情により、延期いたします。(日刊IWJガイド、2023年1月13日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51754#idx-6

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、私が私財を投じて一時的に支えても、私の蓄えなどたかがしれたものですので、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 今、日本は、戦後最大級の危機に見舞われています。

 岸田文雄総理は、昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 バイデン大統領は、「これほど日米関係が緊密になった時はなかった」などと全面的に支持を表明、岸田総理は「トマホーク」の購入まで約束してしまいました。たしかに、これほど緊密に自衛隊が米軍の支配下に組み込まれたことはなく、日本が米国の対中「代理戦争」のコマとして米国の戦略に組み込まれたことはかつてなかったことでしょう。

 中国メディア『環球時報』は15日、「日本が米国の戦略方針に従えば『アジアのウクライナ』になる危険性がある」とする論説を出しました。

 これは脅しとして、聞き流すべきではありません。ロシアとウクライナの紛争は、実のところ米露戦争の「代理戦争」であるように、東アジアで起こる米中の戦いは、台湾や日本を戦場とする「代理戦争」となり、日本の国土は、焦土となって、陸続きのウクライナと違って国民は難民にもなれず、石油も手に入らず、燃料もなく兵器も動かせず、餓死せざるをえなくなります。

 「地域を見渡せば、米国の戦略を忠実に踏襲し、地域情勢を危機の淵に追いやっているのは日本である。東京の動きには、大いに警戒に値する。もし、日本がアジア太平洋地域で米国の手先となり、ここで問題を巻き起こし続けるのであれば、日本自身が米国の犠牲になるか、あるいは東アジアのウクライナになることを覚悟しなければならない」(環球時報、15日)

 『環球時報』は、「改定版安保3文書」の内容が中国に対していかに敵対的であるかを述べ、7月に中国外交部の趙立堅報道官(当時)が述べた言葉を引用しています。

 「日本が本当に平和で安定した東アジアを望むのであれば、軍国主義の侵略の歴史を真剣に反省し、そこから教訓を引き出すべきであり、問題をあおったり炎をあおったりしてはならない」

※Japan risks turning itself into ‘Ukraine of Asia’ if it follows US’ strategic line(Global Times、2023年1月15日)
https://www.globaltimes.cn/page/202301/1283843.shtml

 残念ながら、今の日本は趙報道官の言葉とはまったく逆の方向へ、つまり、「東アジアのウクライナ」への道をまっしぐらに突き進んでいます。

 日本がこのまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるのか。独立した主権国として中立を確立し、地域の勢力均衡をめざす多極的な外交姿勢をめざすのか。日本がどの道を進むかで、米中覇権争いの行方すら変わってしまう可能性があります。

 米国のシンクタンクが描く米中覇権争いのシナリオは、日本が米国に従属し続け、米国の軍需産業を太らせ、米国の覇権を維持するために、日本の国富と国土と国民を対中戦争の最前線に差し出させることです。

 ランド研究所は昨年(2022年)、『大国戦争の再発――米国と中国の間の体系的衝突のシナリオ(仮訳、The Return of Great Power War ――Scenarios of Systemic Conflict Between the United States and China)』と題するレポートを公開しました。

 レポートは、日本列島全体が中国軍の攻撃対象となり、破壊的なミサイル攻撃が行なわれる可能性があると、以下のように指摘しています。

 「中国の戦争目的は、戦域全体における米国の戦闘力の破壊を最優先とするものであろう。戦争に至るまで中国と日本との確執がエスカレートし続けた場合、中国は日本軍に対する大規模な攻撃を検討し、戦域における米国の最も有能な同盟国の1つ(日本のこと)を機能不全に陥れることもあり得るだろう。その結果、地域全体の米軍と同盟軍および施設に対する壊滅的な先制攻撃から始まる広範囲な戦争になる可能性がある」(p.135)

 このレポートは米国の同盟国である日本が、米国のいうがままに中国を挑発し、確執をエスカレートし、「機能不全」に陥れられるまで、米国の忠実な同盟国であり続けることをまったく疑っていません。日本は、「国家意志」のない従属国扱いされているのです。その事実は、本日お伝えした、横浜のノースドックに米海兵隊の部隊を新編する、という決定が、日本政府や地方自治体に対して、事前の説明や同意なく、決められてしまっていることから、明らかです。

※「米中の衝突は広範な分野と地域にわたって数年から数十年継続し、一方が戦いを放棄し、他方への従属を認めたときにのみ終了できる」! 高強度戦争になれば「中国は日本軍に対する大規模な攻撃を検討し、戦域における米国の最も有能な同盟国の1つを機能不全に陥れることもあり得る」! ランド研究所(2022)『大国戦争の再発――米国と中国の間の体系的衝突のシナリオ』をご紹介します。(日刊IWJガイド、2022年12月17日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51662#idx-4

 第2次安倍政権から数えて11年目に入る今年、2023年は、日本が第2次大戦後、最も次の戦争に近づいている「新しい戦争前夜」となります。

 ウクライナ紛争で展開された驚くべきメディアキャンペーンと、周到に用意された対露制裁をみれば、米国の覇権を維持する戦いの本丸である対中戦略は、さらに大規模に用意されており、あらゆる次元でのメディアキャンペーンが張られることになると思われます。ウクライナ紛争におけるメディアキャンペーンは、その前哨戦だと言えます。

 その場合、ウクライナが「善なる英雄の国」にもちあげられたように、日本は「正義と善を体現するサムライ・カミカゼの国」と祭り上げられ、自分たちが米国に「利用」されていることも理解できないまま、日本にとって何の利益もない戦争で自らを滅ぼしてしまうでしょう。

 そんなことがあってはなりません。私たちは「日米同盟」の真実、米国に利用されるだけの「代理戦争」の現実に気づくよう、一刻も早く目を覚ます必要があります。

 2023年「新しい戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、全力で頑張ってゆきたいと思います。

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードを、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料会員の皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2023.1.24 Tue.**

調整中

========

◆中継番組表◆

**2023.1.25 Wed.**

調整中

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆昨日アップした記事はこちらです◆

「カジノを誘致することは、家庭から金銭を巻き上げて一家離散させる旧統一教会の行為と何ら変わらない」~1.21 まだ止められる大阪カジノ・路上からの反撃・大阪府民の集い ―登壇:西谷文和氏(フリージャーナリスト)、矢野宏氏(『新聞うずみ火』代表)ほか
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513671

「政治に無関心でも無関係でいられる人はいない。地方議会は自分たちの暮らしに直結した政治だ!」にしむらしずえ立候補予定者~1.19「無所属だから出来ることがある 関西無所属ネットワーク」合同記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513645

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■統一教会の養子縁組あっせん問題で厚労省が教団に2回目の行政指導文書を送付! 文科省も宗教法人法にもとづく3回目の報告聴収・質問権を行使! ジャーナリスト鈴木エイト氏はIWJ記者の取材に「解散命令請求まで行くことは確実」としつつも、自民党・萩生田政調会長、菅前総理の「動き」に注目! 地裁の決定までは「政治状況次第」で半年から1年以上との見通しを示す!

 養子縁組あっせん法を所管する厚生労働省は昨日23日、統一教会(世界平和統一家庭連合)に対し、信者間の養子縁組に際して、養子縁組あっせん法が禁じるあっせん事業にあたる行為が行われないよう、法令順守の徹底を求める行政指導文書を送付しました。

 厚労省が統一教会に養子縁組に関する行政指導を行うのは、昨年12月に続き、今回で2回目です。

 23日付け『読売新聞』は、加藤勝信厚生労働大臣が23日の記者会見で「養子あっせん事業にあたるような行為が行われないよう徹底を求める」と述べたとした上で、「行政指導文書では、『養子縁組が円滑に行われるよう第三者が世話をすることはあっせんにあたる』と指摘したうえで、子どもの権利条約などを引用し、『子どもはできる限り実父母により養育される権利を有する』などと明示。あっせんに当たる行為が行われないよう徹底し、出版物にも法令の趣旨に基づいた適切な記載をするよう求めた」と報じています。

※旧統一教会の信者間養子縁組に行政指導文書…「あっせん行為ないよう」徹底求める(読売新聞オンライン、2023年1月23日)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230123-OYT1T50081/

 統一教会の信者間の養子縁組をめぐっては、昨年11月15日放送のNHK『クローズアップ現代』が、教団が子どものいない信者に別の信者から養子を、1981年から2022年5月までの41年間で合計745人も紹介していたことを報じました。

 この『クローズアップ現代』では、教団の信者向けハンドブックで、子どもに恵まれない家庭に養子に出すことや、そのための子づくりが推奨されていることが明らかにされ、教団の元職員が養子縁組のマッチングを行なっていたことも報じられました。

 番組では専門家が、児童福祉法や、「養子縁組あっせん事業を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない」と定める養子縁組あっせん法に触れる疑いを指摘しました。

※はじめに~統一教会が信者間で745人もの養子縁組を組織的に行っていたことが明らかに! 加藤勝信厚労大臣は国会で「養子縁組あっせん法違反で東京都と連名で質問状を送る準備」を明言! 弁護士、専門家は児童福祉法に抵触の可能性も指摘!! 2世の元信者小川さゆりさん(仮名)は妹2人が養子に出されたことを明らかにし「子どもの人権が無視されている重大な問題」と怒りを表明!(日刊IWJガイド、2022年11月18日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51551#idx-1

 これを受けて11月22日には、厚生労働省と東京都が連名で、教団側に事実確認の質問書を送りました。

※統一教会の組織的養子縁組問題で厚労省と東京都が教団に質問書を送付! さらに文科省は教団に初の質問権行使! IWJは『となりのカルト』著者で統一教会元信者の、榊あまね氏へ養子縁組問題について直接取材!(日刊IWJガイド、2022年11月23日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51564#idx-5

 さらに厚労省は12月9日にも、統一教会に2回目の質問書を送付しています。

 12月9日付け『時事通信』は、11月に送付した1回目の質問書の回答が12月5日に到着したが、「同省は回答内容を明らかにしていない」とした上で、9日、加藤厚労大臣が会見で「『(教団からの回答について)さらに確認する必要がある』と強調。『回答内容を踏まえ、適切な対応を考えたい』と述べた」と報じています。

※旧統一教会に追加質問書=加藤厚労相「さらに確認必要」―信者間の養子縁組(時事通信ニュース、2022年12月9日)
https://sp.m.jiji.com/article/show/2863992

 加藤厚労大臣は、昨年12月9日の定例会見で、養子縁組あっせんに関する2回目の質問書送付に際し「加えて、厚生労働省として法の適正な運用を図っていく必要があるという観点から、旧統一教会に対しあっせん法の遵守を求める文書、また都道府県に対しあっせん法の適切な運用の徹底を改めて求める通知の二点について、あわせて今日発出することとしております」と述べ、事実上の行政指導だと認めています。

※加藤大臣会見概要(厚生労働省、2022年12月9日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00508.html

 一方、今年1月18日に行われた国対ヒアリング(野党ヒアリング)では、昨年被害者救済法が施行されたあとも、統一教会が信者に悪質な高額献金を求めていることや、養子縁組の実態などが、信者2世や弁護士らからのヒアリングによって明らかにされました。

 1月18日付け『弁護士ドットコムニュース』は、元2世の鈴木みらいさん(仮名)が「海外への養子縁組を目撃している」と証言したことや、小川さゆりさん(仮名)が、「あっせん事業者が献金などを養親等から受け取ることは、児童福祉法に違反するのではないか」と指摘して厚労省に調査を求めたことを報じています。

※旧統一教会は2023年もせっせと献金募集 コロナ死盛り込む最新動画で使命感誘う(弁護士ドットコムニュース、2023年1月18日)
https://www.bengo4.com/c_8/n_15533/

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その31)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part3)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

 下記URLから、初回の復刻連載(その1)をお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その1)>序文「ゴーリキーパークの世界精神」(日刊IWJガイド、2022年11月20日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51557#idx-4

 直近の復刻連載は、下記URLからお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その29)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part1)(日刊IWJガイド、2023年1月18日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51774#idx-6

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その30)>第二部 蒼ざめた異族「第六章 ロシアの〈他者〉なるチェチェン ―一九九一年十一月―」(part2)(日刊IWJガイド、2023年1月22日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51789#idx-5

———————

 再び、アウマーゾフの話に耳を傾けよう。

 「チェチェノ・イングーシュ自治共和国には、もちろん共産党も最高会議も存在していたが、国民の間では権威も信望もすでに失われていました。暴力的な衝突こそ、ほとんどなかったものの、市民はデモや集会を繰り返し、特に九一年八月クーデター事件以後は、共産党政権の退陣を公然と求めるようになりました。当時の共産党指導部のトップはザブガイエフ第一書記で、八月のクーデター事件後、彼は最高会議議長にも就任しましたが、長くは続かず、九月十五日に最高会議の活動は正式にストップし、ザブガイエフとその指導部は全員辞任しました。

 しかし、これで共産党が完全に敗北を喫したわけではなかったのです。

 共産党幹部は九月十五日同日、解散した最高会議に代わる指導部組織として、臨時最高委員会を編成し、十一月十八日には自治共和国の最高指導者を決める選挙を行なうと発表しました。問題はロシア連邦政府がこの臨時最高委員会を支持し、その決定にお墨つきを与えたことです。名前を変え、『上着を替えた』にすぎない反動的な共産党政権を、エリツィン政権は支持したわけです。エリツィンに期待をかけていたチェチェン民衆の多くは落胆し、裏切られたと思うようになりました」

 当然のことながら、ドゥダーエフを新たにリーダーに迎えたチェチェン民族会議は、この臨時最高委員会の正統性を認めず、十月五日に同委員会の解散を求める決議を採択した。逆に臨時最高委員会は、自分達こそがエリツィン政権によって承認された合法機関であることを主張し、民族会議こそは違法な政治集団であると反撃を加えた。

 この時点で、チェチェン人の社会は、ロシア連邦の内部にとどまることを主張する勢力と、あくまでロシアからの独立を求める勢力に、はっきりと二分されたのである。

 前者の、親ロシア勢力の頂点に立つ臨時最高委員会の指導者はイリヤス・アルサノフとアフメッド・アルサノフの兄弟であり、その支持者には共産党政権下で利権を得ていた特権層や高学歴層が多かった。他方、あくまで独立を求める民族会議のトップはドゥダーエフであり、その支持者は農民や、特権の恩恵にあずかることのなかった中流以下の庶民だった。

 この二つの勢力は、互いに妥協や譲歩の姿勢をみせず、首都グローズヌイの街頭や広場では連日のように二つの勢力の支持者達による小規模のデモや集会が開かれ、せめぎあいが展開された。

 「こうした状況が続くなか、チェチェン民族会議執行委員会は、十月二十七日に共和国大統領と議会の選挙を行なうと発表し、準備を開始しました。むろんロシアのエリツィン政権とチェチェンの臨時最高委員会はその選挙を非合法な選挙であると非難し、承認しようとはしなかった。

 十一月八日、エリツィン大統領は一方的に強権を発動し、チェチェノ・イングーシュ自治共和国に非常事態を宣言し、翌九日にはモスクワから約六百人のオモン部隊を派遣しました。非常事態宣言の二ュースが届くと、チェチェン人達の緊張が一挙に高まった。これに対してドゥダーエフは、ただちに緊急声明を発表し、この非常事態宣言はロシアのチェチェンとイングーシュに対する国家的テロであると主張し、同時にこれに対抗するため、九日に戒厳令を布告したのです。

 このドゥダーエフの呼びかけに対するチェチェン人の反応は素早かった。民兵軍の編成に多くの市民が参加しました。事実上すべてのチェチェン国民がドゥダーエフの下に結集したのです。一夜にして、チェチェン内部の『対立』は事実上消えてしまいました。

 エリツィンは非常事態を宣言すると同時に、チェチェン内相のワハ・イブラギモフ大佐に対してロシアの傀儡軍事独裁政権をつくるよう指令したが、イブラギモフはモスクワからのこの指令を拒否し、逆に彼はドゥダーエフ側について、モスクワの命令にしたがって動こうとした内務省指揮下のオモン部隊の動きを封じ込めました。結局、エリツィンの強権発動によって逆に、脆弱だったドゥダーエフの政権基盤は強化されました。

 十一月八日から十日までのわずか三日間で、モスクワの手先だったKGBを、電撃的に急襲して解体し、内務省を掌握し、民兵軍を編成するという難題を一挙に片づけてしまった。さらにはその間に大統領就任の宣誓まで行なってしまったのです」

 大統領就任の宣誓は、十一月九日、市内の劇場のバルコニーで、つめかけた何万人という群衆を前にして行なわれた。ロシアとの対立という緊張下で行なったこの宣誓がチェチェン国民にとってはどれほど劇的なものであったか、ドゥダーエフのカリスマ性を高めるのにどれほど効果があったか想像するに難くない。ある意味では、ドゥダーエフの政権基盤を作ったのはエリツィンであるとさえいえるかもしれない。

※ここから先は【会員版】となります(3166字)。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230124

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、前田啓、中村尚貴)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト【 https://iwj.co.jp/
公式ツイッターアカウント【 https://twitter.com/iwakami_staff