日刊IWJガイド・非会員版「EU、G7によるロシア産原油価格上限措置は1バレル=60ドルで合意! 中国、インドの参加見通せず穴だらけ! サハリン2は適用除外!」2022.12.4号~No.3734号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~EU、G7、オーストラリアによるロシア産原油価格上限措置1バレル=60ドルは12月5日から発効! 最後まで30ドルにしろと粘ったポーランドはこっそり地上パイプラインでロシア産石油を供給するようロシア企業に申請、ロシア副首相は「馬鹿げた演劇」と揶揄! 米財務省は「プーチンの主要な収入源を制限し、世界のエネルギー供給の安定性を維持する」と鼻高々、しかし、専門家は「ロシアの石油収入を削減する効果は薄い」と低評価。中国、インド、インドネシアなどのアジア諸国の価格上限への参加が見通せず、抜け穴だらけ! そんな中、日本がロシアから輸入する唯一の「サハリン2」は原油価格上限措置から除外!

■IWJがピンチです! 11月は30日間で、139件140万7400円のご寄付・カンパをいただきました!! ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかし累積月額目標額1072万4870円の13%、単独月間目標額390万円の36%にとどまりました! 累積の不足額と今月の月間目標額390万円とを合計すると、12月末までに1321万7470円が必要です! 1年の3分の1で1000万円近くが不足していますから、このペースだと、第13期が終わる頃には、3000万円近い不足額となりそうです。このままですとIWJは確実に倒産です。抜本的な改革が必要で、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を構築したいと思っています。今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

■【中継番組表】

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その10)>第一部 ロシア零年「第三章 マルクスの国の遺産相続-一九九一年十二月~九二年二月―」(part2)

■<今週の新記事振り返り>

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

■旧統一教会の目的は「天一国」の実現、その意図を政治家はよく理解すべき~11月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、9月9日収録「岩上安身によるインタビュー第1095回 ゲスト 全国霊感商法対策弁護士連絡会 代表世話人 山口広弁護士」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! さらに、円安とインフレをテーマにしたエコノミスト・田代秀敏氏連続緊急インタビュー3回分を抜粋し、(その1)を発行! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員に登録を!!
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■はじめに~EU、G7、オーストラリアによるロシア産原油価格上限措置1バレル=60ドルは12月5日から発効! 最後まで30ドルにしろと粘ったポーランドはこっそり地上パイプラインでロシア産石油を供給するようロシア企業に申請、ロシア副首相は「馬鹿げた劇場」と揶揄! 米財務省は「プーチンの主要な収入源を制限し、世界のエネルギー供給の安定性を維持する」と鼻高々、しかし、専門家は「ロシアの石油収入を削減する効果は薄い」と低評価。中国、インド、インドネシアなどのアジア諸国の価格上限への参加が見通せず、抜け穴だらけ! そんな中、日本がロシアから輸入する唯一の「サハリン2」は原油価格上限措置から除外!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 ロシア産原油価格上限案に対して、より厳しい提案をぶつけて、最後まで賛成していなかった対露最強硬派のポーランドが妥協し、賛成した、と『ロイター』が3日、報じました。

 ポーランドの賛成によって、EUの全加盟国27カ国が、ロシア産原油の輸入価格に1バレル=60ドル(約8000円)の上限を設けることで合意に達しました。

 ポーランドは、上限を市場価格以下に保つ調整メカニズムを求めて承認を保留していましたが、最終的に1バレル=60ドルであれば、市場価格よりも少なくとも5%低く維持できるとして賛成しました。

 ただし、今回の制裁は海上輸送が対象で、パイプライン輸送は含まれないとのことです。

 ロシアメディア『TASS』は2日、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク副首相が、ポーランド最大の石油精製会社であるオルレンが、2023年に「ドルジバパイプライン」を通じて300万トンのロシア産石油を供給するよう、ロシアの石油企業トランスネフチに申請した、という情報を暴き、「彼ら(ポーランド)がやっていることは、ばかげた劇場だ」と述べたことを紹介しています。

※ロシアの副首相は、石油とガス市場に対するポーランドの行動を「ばかげた劇場」と呼んだ(TASS、2022年12月2日)
https://tass.com/economy/1544907

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、EU執行機関の欧州委員会は当初、1バレル=65~70バレルを提案していました。

 『ニューヨーク・タイムズ』(2日)によれば、エストニア、リトアニア、ポーランドの強硬な親ウクライナ国のグループは、1バレルあたり30ドル前後という超低額の上限を要求し、ギリシャ、キプロス、マルタなどは1バレル70ドル以上と高く設定することを求めていました。

 フォン・デア・ライエン欧州委員長は、市場の動きに対応できるように60ドルの上限の調整は可能であると述べています。

 EUは4日にロシア産原油価格上限の公式発表を行い、5日から実施する予定です。

※EU、ロシア産原油価格上限60ドルで合意へ ポーランドが承認(ロイター、2022年12月3日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-eu-oil-idJPKBN2SM1NB

※ロシア産原油の価格上限、EUが60ドルで合意(ウォール・ストリート・ジャーナル、2022年12月3日)
https://jp.wsj.com/articles/eu-backs-russian-oil-price-cap-of-60-a-barrel-11670004440

※Ukraine’s Allies Agree on Russian Oil Price Cap(ウクライナの同盟国はロシア産原油価格上限に同意した)(The New York Times、2022年12月2日)
https://www.nytimes.com/2022/12/02/business/russia-oil-price-cap.html

 ロシア産原油に対して価格上限を設ける措置は、世界第2位の産油国であるロシアが原油の輸出によって利益を得て、その利益がウクライナにおける「特別軍事作戦」を続ける原資となることがないように、ロシア産原油の価格を低く抑えることが目的です。

 建前的には、上述の、フォン・デア・ライエン欧州委員長の言葉を借りれば、「世界のエネルギー市場を安定させる」ための措置、ということになります。

 ロシアメディア『RT』は2日、45日間の「移行期間」が、12月5日以前に積み込まれ、2023年1月19日までに最終目的地で荷降ろしされるロシア原産の原油を運ぶ船舶に適用される、と報じました。

 ロシア産原油価格上限案は、米国とG7によって提案された対露制裁の1つです。この上限を超える価格でロシア産原油を購入すれば、ロシア産原油の輸送、仲介、保険などに関わる企業への融資が禁止されます。

 これに対して、ロシアも「応戦」します。ロシア政府は、繰り返し、ロシア産原油価格上限に参加する国には、石油を一切販売しないと表明しています。

 果たして、ロシア産原油価格上限措置は、前出のフォン・デア・ライエン欧州委員長が語った狙い通りに、「世界のエネルギー市場を安定させ」、ロシアの原油輸出と莫大な利益を阻むことができるのでしょうか。

※EU has agreed price cap for Russian oil – Poland(EUはロシアの石油の上限価格に合意した -ポーランド)(RT、2022年12月2日)
https://www.rt.com/business/567570-oil-price-cap-agreement/

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■IWJがピンチです! 11月は30日間で、139件140万7400円のご寄付・カンパをいただきました!! ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます! しかし累積月額目標額1072万4870円の13%、単独月間目標額390万円の36%にとどまりました! 累積の不足額と今月の月間目標額390万円とを合計すると、12月末までに1321万7470円が必要です! 1年の3分の1で1000万円近くが不足していますから、このペースだと、第13期が終わる頃には、3000万円近いの不足額となりそうです。このままですとIWJは確実に倒産です。抜本的な改革が必要で、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を構築したいと思っています。今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、緊急のご支援のほど、よろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 11月のご寄付・カンパの実績が確定しました。

 11月は30日間で、139件、140万7400円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます!

 この額は、累積月額目標額1072万4870円の13%、単独月間目標額390万円の36%でした。

 かなり厳しい数字となっております。

 11月も単月のご寄付・カンパの目標額390万円に、249万2600円届かず、4ヶ月分の累積の不足額は931万7470円となりました。

 12月に入り、8月から始まったIWJの第13期も、5ヶ月目を迎えました。1年の3分の1で1000万円近くが不足していますから、このペースだと、第13期が終わる頃には、3000万円近い不足額となりそうです。このままですとIWJは確実に倒産です。

 12月は、上記の累積の不足額932万770円に、12月分のご寄付・カンパの目標額390万円を加えた1321万7470円が、12月末までに必要となります。大変困難な、厳しい見通しです。

 抜本的な改革が必要で、規模を縮小し、コンパクトで最優先の情報をお届けする体制を構築したいと思っています。今よりコンパクトなスペースのオフィスに移転することを真剣に検討したいと思います。

 人員、活動ともに引き締めて行いますが、情報の質の部分は落とさず、発行する情報の量をコンパクトにせざるを得なくなるかもしれません。

 12月2日までの2日間のご寄付・カンパ額は、8件で10万4000円でした。

 ご寄付・カンパをお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございます。

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 どうかIWJ会員の皆さま全員のお力で、IWJをお支えください!

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、IWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 IWJは、市民の皆さま、お一人お一人が会員となっていただくことと、ご寄付・カンパをいただくことで、政治権力におもねり、広告スポンサーに牛耳られている記者クラブメディアとは一線を画した、独立市民メディアとしての活動を貫いてきました!

 権力に不都合であっても、真実を追及し、権力の監視を行う「ウォッチドッグ」の役割を果たし続けることが可能になります。これも、市民の皆さまのお支えがあってのことです。

 また、大新聞、大手テレビが、足並みをそろえてウクライナ紛争において情報操作を行っている現状を御覧になればわかるように、権力と大資本から距離を置く独立メディアが存在しないと、真実はまったくわからなくなってしまいます。それは結局のところ、めぐりめぐって、私たち自身の生存や生活を、脅かすことになります。

 10月17日の日刊IWJガイドを読んでいただければわかる通り、ウクライナ紛争と対露制裁によって、米国の同盟国は、欧州も日本も「巻き添え被害」にあっています。欧州の市民はその真実に気づき、ドイツやチェコのプラハだけではなく、パリにおいても市民が立ち上がって反NATOの抗議の声をあげていますが、欧州のマスメディアも日本のマスメディアも、そうした動きを意図的に報じようとしません。

 我々のような独立メディアが存在しなければ、この事態を人々が知るすべもないのです。独自の視点で真実の報道を続けるIWJの存在価値を、ご理解いただき、お支払いいただければと思います。

※日本のマスメディアが伝えない欧州の現実! インドメディア『WION』が、フランスの「反NATO」デモをレポート!「NATOから離脱しよう!」、「Let’s get out of NATO!」「NATOのためにフランスはウクライナの『巻き添え被害』を受けている」! フランスの高級紙『ル・モンド』は、石油会社従業員による賃上げデモを報じるも、「反NATO」デモはスルー!? 米英NATOウクライナのために、『巻き添え被害』を恐れているのは日本も同じ!! メディアの情報操作によって、その事実にすら気づかない日本国民!(日刊IWJガイド、2022年10月17日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51419#idx-6

 日刊IWJガイド11月23日号でお伝えしたように、17日付のロシアメディア『RIAノーボスチ』は、11月11日までにロシア軍が撤退したヘルソン州で、親ロシアの活動家39人が、ウクライナの治安部隊に射殺されたと報じました。しかし、ヘルソンの粛清を西側メディアはまったく伝えていません。

※ヘルソンでウクライナ軍が親ロシアの活動家住民39人を射殺! 74人が連行され行方不明! 日本のマスコミを含む西側主要メディアはこの事実をまったく伝えず! ウクライナ側に一方的に偏った視点の西側の政府発表や偏向報道を改め、今こそ普遍的な人権の視点を!(日刊IWJガイド11月23日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51564#idx-4

 また、改憲による緊急事態条項の創設は、統一教会が自民党の背中を押して、実現に向けて推進してきた政策です。統一教会という「反日・反社会的カルト」を、日本社会から追放し、政治への介入をやめさせるとともに、この危険な緊急事態条項の憲法への導入を阻止するために、私と、IWJのスタッフは、全力で立ち向かいたいと思います!

 また、インタビュー用のカメラが故障した件ですが、修理の見積もりが修理業者から出まして、修理費は合計で約7万円強ですむことになりました! 一時は、買い替えの可能性もありうるとお伝えし、ご心配をおかけしました。

 なお、IWJのスタジオでの岩上安身によるインタビューは、今週もまだできませんが、出張してのインタビュー、Zoomを使ってのインタビューは可能だと思われますので、3台のカメラが修理工場に行っている間も工夫を重ねてインタビューを行いたいと存じます。

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードを、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料会員の皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身

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◆中継番組表◆

**2022.12.4 Sun.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2022.12.5 Mon.**

調整中

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■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その10)>第一部 ロシア零年「第三章 マルクスの国の遺産相続-一九九一年十二月~九二年二月―」(part2)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その9)>第一部 ロシア零年「第三章 マルクスの国の遺産相続-一九九一年十二月~九二年二月―」(part1)(日刊IWJガイド、2022年12月1日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51589#idx-5

*序文と第一章・第二章を収録した(その1)から(その8)は、上記(その9)のリンクからお探しください。

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◆ロシアの〈現在〉を表象する三つの集会

 犯罪を除けば、ドルを手に入れる最も手っ取り早い方法は、合弁企業で働くことだ。誰もが合弁企業で働くことを望むが、とりわけ若い女性にとっては合弁企業の秘書は、憧れの職業のトップである。

 イリーナ・コノノワ(三十三歳)が二年前に始めたモスクワ・セクレタリー・スクールには、入学者募集のたびに若い女性が殺到する。

 「入学受験資格として三十歳以下の容姿端麗な女性、大学卒、英語ができることの三点を条件としているのですが、約三十名の定員に七百名から八百名が毎回受けにきますね。合格者には五カ月にわたってパソコンやOA機器の使い方、秘書業務のABC、英会話、エアロビクス、お化粧の仕方などを学んでもらいます。授業料は無料。卒業後は合弁企業に斡旋し、我々は企業から紹介料をいただくのですが、ビジネスとしては大成功ですね。卒業生にはNHKモスクワ支局に就職した女性もいますよ」

 私がスクールを訪れたときも、試験の真っ最中だった。容姿端麗を条件にしているだけあって、華のある女性が多い。それはいいのだが休み時間に、写真を撮らせてくれるように頼み、カメラを向けたところ、誰も彼もが、何を勘違いしているのか、極端にセクシーな表情やポーズをとろうとする。フォトモデルと間違えているのだろうか。苦笑いする他はない。

 その日、試験を受けていた一人、ユーリャ・マナコワは、まだ大学に在籍中の二十歳の学生。しかしハンガリーのブダペストで一年間英語通訳として働いた経験があり、現在も学生の身でありながら合弁企業で秘書として働いている。しかし月給は千ルーブル弱。ボーナスはドル払いとはいうものの、不十分だと不満を漏らした。

 「贅沢したいんじゃないの。月に一度くらいはレストランで食事のできるような普通の暮らしがしたい。そのためには最低でも月に二万ルーブル、外貨なら三百ドルは欲しいわ。それに今の会社の社長は、しつこく私を口説くのよ。もう、うんざり」

 いずれそう遠くないうちに、この国でもセクハラが社会問題化するのだろうか。

 二十六歳のナターシャ・ブッディコワは歯科医の夫の転勤のために、シベリアのケメロヴォ市から八カ月前にモスクワへ引っ越してきたばかり。現在はもう一組の若いカップルと2DKのフラットで共同生活をしている。彼女の夢はまず「自分の住宅を手に入れること」。

 「住宅が手に入ったら、次は西側へ旅行したい。プロパガンダが嘘ばかりだったことはもう明らかだけど、実際に西側の人がどんな暮らしをしているのか、この目で見て確かめたいんです」

※ここから先は【会員版】とさせていただきます(3186字)。御覧になりたい場合は、ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して御覧ください! 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。

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■<今週の新記事振り返り>

「関西電力と九州電力は電気代の値上げを決めていない。それは電源の原発依存が高いためといい原発依存へ誘導している」参加者より~11.25原発反対八王子行動 2022.11.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512458

「京都府はフードテック構想の推進を表明。しかしゲノム編集の危険性について解明しようとは考えていない」印鑰智哉氏~11.26 緊急企画!印鑰智哉さんお話会 「ゲノム編集食品とフードテック産業の最前線を知る」 ―登壇:印鑰智哉氏(OKシードプロジェクト事務局長) 2022.11.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512493

生越照幸弁護士「国家公務員の個人責任を認めない最高裁判決から一歩も出ない(前進しない)判決だった」~11.25 赤木雅子氏による財務省元理財局長・佐川宣寿氏に対する損害賠償請求訴訟 判決後の記者会見 2022.11.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512625

米国がザポリージャ原発を攻撃しているのはウクライナとついに認めた! 『NYタイムズ』が米高官証言をもとにウクライナ軍のマスター・プランを報道! そこには原発奪還の計画が! しかも米英の諜報機関が関与!? ロシア軍が攻撃と報じた日本の新聞・テレビ等は謝罪・訂正すべき! 2022.11.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512513

統一教会問題で「海外資産を差し押さえるべきでは? 資金の流れの全容を解明するべきでは?」IWJ記者の質問に「新規法案の中で、国内で必要な措置を講じるのが重要」と斎藤大臣!!~11.29 斎藤健 法務大臣 定例記者会見 2022.11.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512662

【第575-577号】岩上安身のIWJ特報!統一教会問題「安倍元総理銃撃事件は、『来るものが来たのか』と思った」!岩上安身による全国霊感商法対策弁護士連絡会 代表世話人 山口広弁護士インタビュー 第1弾 2022.12.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512380

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

日刊IWJガイド・非会員版「台湾統一地方選で独立派の与党・民進党が大敗! 親中派の国民党が伸長すれば、米中関係にも大きく影響、台湾有事が遠のく!?」2022.11.27号~No.3727号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51579

日刊IWJガイド「台湾選挙詳報! 中国政府は『平和を求める世論』が反映されたと評価! 台湾の政治学者は『国際社会は危険を冒しすぎた』と暗に米を非難」2022.11.28号~No.3728号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51581

日刊IWJガイド「『アベ友』誌として知られる極右雑誌『月刊Hanada』が統一教会を擁護! 9月号、10月号、11月号と続け安倍晋三元総理礼賛特集!」2022.11.29号~No.3729号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51583

日刊IWJガイド「中国の『ゼロコロナ』政策への不満が、言論統制への抗議『#白紙運動』に、上海では『習近平退陣』を求めるまで発展!」2022.11.30号~No.3730号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51585

日刊IWJガイド「社会学者の宮台真司都立大教授が暴漢に襲われる! 教授は7月17日の『朝日新聞』でこうした暴力を生み出す社会的背景を指摘していた!」2022.12.1号~No.3731号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51589

大変厳しい状況が続くIWJに温かいご支援をいただき、まことにありがとうございます。お力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げるとともに、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告(2022年11月)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/51595

日刊IWJガイド「閣僚ドミノ辞任で崖っぷちの岸田総理、自らも『空白の領収書94枚』問題だけにとどまらず、自民党内の『岸田おろし』が始まっている!?」2022.12.2号~No.3732号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51599

IWJ第11期の決算状況のご報告(令和2年8月1日~令和3年7月31日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/51603

日刊IWJガイド・非会員版「テレビのニュース番組が堂々と嘘を流す! 杉田水脈議員は『差別発言を撤回』などしていない!!」2022.12.3号~No.3733号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51606

■旧統一教会の目的は「天一国」の実現、その意図を政治家はよく理解すべき~11月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、9月9日収録「岩上安身によるインタビュー第1095回 ゲスト 全国霊感商法対策弁護士連絡会 代表世話人 山口広弁護士」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! さらに、円安とインフレをテーマにしたエコノミスト・田代秀敏氏連続緊急インタビュー3回分を抜粋し、(その1)を発行! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員に登録を!!

 IWJではメルマガサイト「まぐまぐ」で、「岩上安身によるインタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!」として、毎月発行しています。

 11月は、9月9日に収録した「岩上安身によるインタビュー第1095回 ゲスト 全国霊感商法対策弁護士連絡会 代表世話人 山口広弁護士」を、第578号から第581号として発行しました!

※「旧統一教会の目的は『天一国』の実現、その意図を政治家はよく理解すべき」~岩上安身によるインタビュー第1095回 ゲスト 全国霊感商法対策弁護士連絡会 代表世話人 山口広弁護士 2022.9.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/510451

 インタビュー前日の9月8日、自民党は、旧統一教会と党の国会議員との関係についての内部調査結果を、議員の実名入りで発表しました。

 この自民党の内部調査について、山口弁護士は、「信用性がどこまであるか不明だが」と前置きをした上で、岸田文雄総理が全国の自民党の議員たちに「統一協会と縁を切れ」と指示したことは評価したいと述べました。

 信者たちは、このような政治家の発言に影響を受けやすく、たとえば、安倍氏が統一教会の教祖に「敬意を表します」などと言えば、信者たちは「やっぱりそうか! 地上天国実現のために、もっと献金しなきゃいけない」と考えて、被害が拡大してしまう。今回の岸田総理の「縁を切れ」発言は、多少なりとも信者たちを覚醒させ、新たな勧誘や新たな献金の抑止になる、と山口弁護士は言います。

 岩上安身が、「それなら、安倍元総理の国葬など、やってはいけないですね」と聞くと、山口弁護士は、「国葬は、統一教会にとってかなりプラスになる。霊界にいる安倍晋三先生を国をあげて賛美した、ということになれば、ひいては統一教会を賛美したという風に、内部的には宣伝に使われる。それが心配だ」と話しました。

(第578号目次)
◆安倍元首相の国葬は統一教会にメリット!「日本は霊界にいる安倍先生を国を挙げて賛美した=統一教会を賛美」と宣伝に利用される!
◆選挙支援や献金など全国に広がる議員たちの「統一教会汚染」!「正体を隠して立候補者にアプローチしますから、気をつけてほしい」
◆統一教会の「洗脳力」の恐ろしさ! 霊能師役の信者が霊界を見てきたように語り、新しい信者の「財を把握」する!

(第579号目次)
◆2009年に霊感商法で大量摘発! 教団側は「反省」として政治家とのつながりを強化!「2010年以降、警察は動きませんでしたね」
◆元幹部信者が「こんなに献金させて、いいんだろうか」と心配したほど、山上容疑者の母は奈良でも目立つ高額献金者だった!

(第580号目次)
◆一部の信者が行き過ぎただけ!?「上が命令、下が実行して責任を取るのが組織犯罪。法人格を剥奪するのは当然です」
◆勧誘活動の場は今やネット! 正体を隠して宗教に勧誘するスピリチュアル系や健康カルトが増加している!

(第581号目次)
◆地域のバザーや読書会を主催する統一教会ダミー団体も! 先祖がどうのこうのと言い出したら要注意!
◆洗脳は薬物依存に近い。脱会しても何かあるとフラフラと戻ってしまうことも。「元信者を直接、教団の人間と会わせないようにすること」
◆日本の統一教会から韓国側に毎年500億円の送金! それが北朝鮮に流れて核開発に使われた可能性も!?
◆文鮮明夫妻はニューヨークやラスベガスに豪邸を所有。「サタンがやることを調査する」としてギャンブル三昧、買い物狂い!

 さらに今月から、急激な円安とインフレを受けて、9月16日、9月26日、10月10日に3回連続で行われた、岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏への緊急インタビューから、特に重要な部分を抜粋し、詳細な注釈をつけて発行します。

※「頑張って働いた分が海外に流出し、働けど働けど暮らしは楽にならず」の日本はこれからどうなるのか!~岩上安身によるインタビュー第1097回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2022.9.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/510693

※「急速な円安は『アベノミクス』の経済的帰結!? 安倍元総理の国葬よりも『アベノミクス』の国葬を!」~岩上安身によるインタビュー第1099回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2022.9.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511025

※「円安で日本は『買い負け』、マグロの大トロなんて東京では食べたこともないが、上海で中国人に奢ってもらったという日がくる!?」~岩上安身によるインタビュー第1102回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2022.10.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511372

 11月はこのうち、第582号として、9月16日のインタビューの前半部分を発行しました。

 9月14日、日銀が、為替介入の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施しました。13日、14日の円相場は、142円から144円の間で推移していました。

 円相場は3月上旬の1ドル=114円台から半年で30円下げたことになります。年間ベースの下落率にすれば、変動相場制に移行した1973年以降で最大となりました。

 インタビュー冒頭、岩上安身は、急激な円安が起きているだけではなく、株式と国債も売られる「トリプル安」が現実になってきた、と危機感を表しました。

(第582号目次)
◆日本のGDP成長率は年3.5パーセントプラス。「生産」は増加しているのに「所得」はマイナス!?「びっくり仰天です」
◆岸田政権は「新しい資本主義」の下、液化天然ガスの削減宣言。結果、カタールから25年続いた契約を切られて慌てる羽目に!
◆日本の最大の貿易相手は中国なのに「中国にハイテク製品を売るな」という経済安全保障推進法。「岸田総理って、ものすごく経済的センスがない」
◆ウクライナ問題で米国に追随しつつ、ロシア産液化天然ガスの輸入は増加!「サハリン2のガスに一番依存しているのは岸田総理の地元の電力会社」
◆水と食料があってもエネルギーがないと人間は生きられない。エネルギー確保のため、米国が「対露制裁しろ」と言おうと「知ったこっちゃない」と一蹴するべき!

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

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