日刊IWJガイド・非会員版「台湾選挙詳報! 中国政府は『平和を求める世論』が反映されたと評価! 台湾の政治学者は『国際社会は危険を冒しすぎた』と暗に米を非難」2022.11.28号~No.3728号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~台湾統一地方選挙詳報! 与党・民進党の大敗を受けて、中国政府は「平和を求める主流の世論」が反映されたとさりげなく評価、台湾の政治学者は「国際社会は危険を冒しすぎた」ことが原因と『NBC』にコメント! 内政は中国に宥和的な国民党、外政は親米的な民進党と、台湾の有権者はしたたかな政治バランスで動いている!?

■8月から始まったIWJ第13期は、10月までの第1四半期の3ヶ月間で累積の不足金額が682万4870円に達してしまいました! 目標額の約半分です! 累積の不足額と今月の月間目標額390万円とを合計すると、今月末までに1072万4870円が必要ですが、11月24日現在、ご寄付・カンパは88万3100円と目標額の8%にとどまっています! 今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞご支援のほど、よろしくお願いします!

■【中継番組表】

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その7)>第一部 ロシア零年「第二章 母なる、されど病める大地―一九九一年九月~十一月―」(part4)

■【スタッフ募集・テキスト(赤反映担当)班】記者として日刊IWJガイドや記事の執筆、エディターとして編集業務を行っていただける方を募集します。特に深夜業務での校正作業を厭わない方は、優遇し、最優先で募集します! 深夜に及んだ場合は、社用車での帰宅が可能です。時給はスタート時は1300円から、能力・実績次第で昇給します。深夜業務は法にのっとった割り増し残業代を支払います。『サビ残』は一切ありません! IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

■【スタッフ募集・テキスト(パワポ作成担当)班】書物や資料を読み砕いていく読解力やリサーチ能力が必要とされる「岩上安身によるインタビュー」のパワポ作成に責任をもってかかわっていただける方を募集します。時給は1500円から、能力・実績に応じて昇給します。

■【スタッフ募集・動画班】岩上安身によるインタビューを撮影・編集したり、大臣会見やビデオカメラによる現場取材と中継、撮影した動画の編集を行うスタッフを募集します。PCによる動画の編集作業の基本ができる方、特にYouTubeの撮影・編集などの経験のある方を特に優遇し、最優先で募集します! 経験が少なくとも、意欲ある若い方、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です! 時給は1300円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

■【スタッフ募集・事務班】中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの行動予定を組み立てる重要なセクションである事務班のスタッフを募集します。PC操作のスキルがあり、スケジュール調整のためにアポ取りのコミュニケーションスキルのある方、歓迎です! これまでの社会経験も生かせます! 時給は1200円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

■<IWJサーバーメンテナンスのお知らせ>IWJでは、11月28日(月)午前8時から午後3時まで、サーバーメンテナンスを行います。メンテナンス中は、IWJの一部サービスが一時利用不可になります。
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■はじめに~台湾統一地方選挙詳報! 与党・民進党の大敗を受けて、中国政府は「平和を求める主流の世論」が反映されたとさりげなく評価、台湾の政治学者は「国際社会は危険を冒しすぎた」ことが原因と『NBC』にコメント! 内政は中国に宥和的な国民党、外政は親米的な民進党と、台湾の有権者はしたたかな政治バランスで動いている!?

 おはようございます。IWJ編集部です。

 11月26日に投開票が行われ、与党民進党の敗退が確定した台湾の統一地方選挙(2022地方九合一大選)について、北京の中国政府は「平和を求める主流の世論」が反映されたとコメント、台湾の政治学者は「(ペロシ氏訪台で中国の脅威を煽るなど)国際社会は危険を冒しすぎた」ことが原因と、暗に米国を非難するようなコメントを米メディアにしました。当の、台湾の有権者は、統一地方選挙は内政問題、総統選は外政問題と、したたかなバランス感覚で投票をしているようです。

 台湾メディア『自由時報』『中央通訊社』『フォーカス台湾(中央通訊社・日本語版)』などによると、各県の市長の当選者は以下です。民進党は選挙前に保有していた7つの市長・県長のポストのうち、「直轄市」である桃園市(人口226万人)、新竹市(402万人)、基隆市(37万人)を失いました。台湾の人口は2340万人ですが、そのうち約3分の2の1557万人が6つの直轄市に住んでいます。

 与党の民進党は、牙城とする台湾島南部の高雄市(227万人)、台南市(118万人)、屏東県(84万人)、嘉義県(52万人)の4ポストを死守、外島地区(離島)の澎湖県(10万人)を国民党から奪い、合計5ポストを獲得しました。

 野党の国民党は、台北市(265万人)、新北市、桃園市、台中市(282万人)と、人口が集中する「直轄市」のうち4つ(1212万人)を獲得し、新竹県、彰化県、南投県、雲林県、基隆市、宜蘭県、花蓮県、台東県、連江県を含む、合計13の県と市で勝利しました。しかし、選挙前の14県市からは1ポストを失っています。

※ここから先は【会員版】となります。御覧になりたい場合は、ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して御覧ください! 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。

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■8月から始まったIWJ第13期は、10月までの第1四半期の3ヶ月間で累積の不足金額が682万4870円に達してしまいました! 目標額の約半分です! 累積の不足額と今月の月間目標額390万円とを合計すると、今月末までに1072万4870円が必要ですが、11月24日現在、ご寄付・カンパは88万3100円と目標額の8%にとどまっています! 今後とも精いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞご支援のほど、よろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 11月も下旬になり、師走の足音が聞こえ始めました。8月から始まったIWJの第13期も、5ヶ月目を迎えようとしており、第2四半期も1ヶ月が過ぎようとしています。

 8月から10月までの第1四半期の3ヶ月間は、ご寄付・カンパが月間目標額に達成する月がないまま、累積の不足分は682万4870円と、マイナスが大きく積み上がってしまいました。

 今月11月のご寄付・カンパの目標額390万円に、累積の不足額682万4870円を加えると、11月のご寄付・カンパの目標額は、1072万4870円となります。

 11月は24日までの24日間で93件、88万3100円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます。しかし、この金額は、今月末までの累積月額目標額1072万4870円の8%でしかありません。11月が残り6日となった時点で、月間の目標額の8%ということは、あと92%分、984万1770円が必要となる、ということです。大変困難な、厳しい見通しです。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、IWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 IWJは、市民の皆さま、お一人お一人が会員となっていただくことと、ご寄付・カンパをいただくことで、政治権力におもねり、広告スポンサーに牛耳られている記者クラブメディアとは一線を画した、独立市民メディアとしての活動を貫いてきました!

 権力に不都合であっても、真実を追及し、権力の監視を行う「ウォッチドッグ」の役割を果たし続けることが可能になります。これも、市民の皆さまのお支えがあってのことです。

 また、大新聞、大手テレビが、足並みをそろえてウクライナ紛争において情報操作を行っている現状を御覧になればわかるように、権力と大資本から距離を置く独立メディアが存在しないと、真実はまったくわからなくなってしまいます。それは結局のところ、めぐりめぐって、私たち自身の生存や生活を、脅かすことになります。

 10月17日の日刊IWJガイドを読んでいただければわかる通り、ウクライナ紛争と対露制裁によって、米国の同盟国は、欧州も日本も「巻き添え被害」にあっています。欧州の市民はその真実に気づき、ドイツやチェコのプラハだけではなく、パリにおいても市民が立ち上がって反NATOの抗議の声をあげていますが、欧州のマスメディアも日本のマスメディアも、そうした動きを意図的に報じようとしません。

 我々のような独立メディアが存在しなければ、この事態を人々が知るすべもないのです。独自の視点で真実の報道を続けるIWJの存在価値を、ご理解いただき、お支払いいただければと思います。

※日本のマスメディアが伝えない欧州の現実! インドメディア『WION』が、フランスの「反NATO」デモをレポート!「NATOから離脱しよう!」、「Let’s get out of NATO!」「NATOのためにフランスはウクライナの『巻き添え被害』を受けている」! フランスの高級紙『ル・モンド』は、石油会社従業員による賃上げデモを報じるも、「反NATO」デモはスルー!? 米英NATOウクライナのために、『巻き添え被害』を恐れているのは日本も同じ!! メディアの情報操作によって、その事実にすら気づかない日本国民!(日刊IWJガイド、2022年10月17日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51419#idx-6

 日刊IWJガイド11月23日号でお伝えしたように、17日付のロシアメディア『RIAノーボスチ』は、11月11日までにロシア軍が撤退したヘルソン州で、親ロシアの活動家39人が、ウクライナの治安部隊に射殺されたと報じました。しかし、ヘルソンの粛清を西側メディアはまったく伝えていません。

※ヘルソンでウクライナ軍が親ロシアの活動家住民39人を射殺! 74人が連行され行方不明! 日本のマスコミを含む西側主要メディアはこの事実をまったく伝えず! ウクライナ側に一方的に偏った視点の西側の政府発表や偏向報道を改め、今こそ普遍的な人権の視点を!(日刊IWJガイド11月23日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51564#idx-4

 また、改憲による緊急事態条項の創設は、統一教会が自民党の背中を押して、実現に向けて推進してきた政策です。統一教会という「反日・反社会的カルト」を、日本社会から追放し、政治への介入をやめさせるとともに、この危険な緊急事態条項の憲法への導入を阻止するために、私と、IWJのスタッフは、全力で立ち向かいたいと思います!

 また、インタビュー用のカメラが故障した件ですが、修理の見積もりが修理業者から出まして、修理費は合計で約7万円強ですむことになりました! 一時は、買い替えの可能性もありうるとお伝えし、ご心配をおかけしました。

 なお、IWJのスタジオでの岩上安身によるインタビューは、今週もまだできませんが、出張してのインタビュー、Zoomを使ってのインタビューは可能だと思われますので、3台のカメラが修理工場に行っている間も工夫を重ねてインタビューを行いたいと存じます。

 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 どうかIWJ会員の皆さま全員のお力で、IWJをお支えください!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードを、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料会員の皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身

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◆中継番組表◆

**2022.11.28 Mon.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2022.11.29 Tue.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

生越照幸弁護士「国家公務員の個人責任を認めない最高裁判決から一歩も出ない(前進しない)判決だった」~11.25 赤木雅子氏による財務省元理財局長・佐川宣寿氏に対する損害賠償請求訴訟 判決後の記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512625

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■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その7)>第一部 ロシア零年「第二章 母なる、されど病める大地―一九九一年九月~十一月―」(part4)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その1)>序文「ゴーリキーパークの世界精神」(日刊IWJガイド、2022年11月20日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51557#idx-4

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その2)>第一部 ロシア零年「第一章 書記長のいない八月 ―一九九一年八月―」(前半)(日刊IWJガイド、2022年11月22日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51562#idx-6

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その3)>第一部 ロシア零年「第一章 書記長のいない八月 ―一九九一年八月―」(後半)(日刊IWJガイド、2022年11月23日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51564#idx-7

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その4)>第一部 ロシア零年「第二章 母なる、されど病める大地―一九九一年九月~十一月―」(part1)(日刊IWJガイド、2022年11月24日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51569#idx-4

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その5)>第一部 ロシア零年「第二章 母なる、されど病める大地―一九九一年九月~十一月―」(part2)(日刊IWJガイド、2022年11月25日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51572#idx-4

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その6)>第一部 ロシア零年「第二章 母なる、されど病める大地―一九九一年九月~十一月―」(part3)(日刊IWJガイド、2022年11月27日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51579#idx-5

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◆モスクワは汚職のパラダイス

 声を張り上げての演説が、拡声器に増幅されて、モス・ソビエト(モスクワ市議会)前の広場に鳴り響いている。

 九月十六日、集会に集まった市民の数はざっと二千人ほど。マイクロバスの屋根にしつらえられた演壇にのぼってかわるがわるマイクを握るのは、モス・ソビエト代議員たちである。

 「今やモスクワはまったくの無法状態です!」

 壇上の議員の一人が熱っぽく訴える。

 「ポポフ市長は、モス・ソビエトの決議を無視して、コミサーロフ将軍をモスクワ市内務局長に任命することを拒否しました。かわりに法的には任命権のない彼が任命したのは、警察行政にまったく素人の、物理学者のムラショフです。この人事を喜んでいるのは誰か! マフィアだけです!」

 聴衆から喝采がわきあがる。壇上に立つモス・ソビエト代議員たちは、モスクワ市内務局長の人事をめぐってポポフ市長と対立し、この十日あまりハンストを続けているのだという。

 「もしコミサーロフが内務局長になれば、ただちにマフィアとの戦いを始めるでしょう。マフィアは彼を怖れている。そういう人物を、法をねじ曲げてまでポポフ市長が排除しようとするのはなぜでしょうか!」

 壇上に、旧知のモス・ソビエト代議員、アレクサンドル・ツォーポフの姿を見つけた。プラカードや横断幕を掲げて立っている市民をかき分けて演壇がわりのバスに近づき、下から声をかけた。

 「久しぶり、モスクワに来てたんですか」

 ツォーポフは、バスから降りてきて、快活な笑顔をみせた。ハンストのために頬がこけてはいるが、元気そうである。集会の人込みを避けて隣の公園へ行き、そこでハンストに至るまでの経過を聞いた。

 「この問題で我々がハンストをしたのは、これが最初ではないんですよ。今年一月にもコミサーロフの任命を決議しました。しかしそのときは当時のソ連内務大臣のプーゴが邪魔したんです」

 モス・ソビエトが決議を採択しても、モスクワ市内務局長にコミサーロフが就任するためには、手続き上、ロシア共和国内務大臣のバランニコフの承認が必要だった。しかしバランニコフの上司であるプーゴ元ソ連内務大臣がそれを許さなかったのだ。

 「それで我々は、エリツィン大統領に面会して事態の改善を求めました。エリツィンは我々の主張をいったんは聞き入れ、大統領顕問官のシャフラーエフにその問題の解決を一任すると答えましたが、しかし実際には何の措置もとられなかったのです(*)」

*コミサーロフはこのモスクワでの任命騒動の直後、エリツィンの命令でチェチェンに派遣され、少数民族の独立阻止という「汚れ役」を押しつけられる(詳しくは第六章参照)。

 一ヵ月後、十五人の代議員は再びホワイトハウスヘ出向いたが、エリツィンとの面会は許されず、その場で最初のハンストに突入した。ハンストは二十日間におよび、数人の代議員が病院に運ばれた。世論の指弾を怖れたバランニコフ・ロシア共和国内相は、ハンストの中止を呼びかけると同時に、モスクワ市警察署においてこの問題を話し合おうと提案。それに応じてハンストを中止した代議員達はコミサーロフ本人とともに警察署まで出かけたが、入り口はプーゴ元ソ連内相の命令で出動した内務省国内部隊の装甲車によって封鎖され、話し合いはおろか、彼らは建物の中に入ることすらできなかった。

 その後、モス・ソビエト代議員達は、この任命手続きの違法性をロシア検事局のステパンコフ検事総長(*)に提訴する。ステパンコフはクーデター事件の特別捜査委員会の委員長をつとめている人物だが、彼は「この問題は我々の仕事ではない」と、提訴をしりぞけた。

*九一年八月クーデター事件の真相を明らかにするべき立場にあったにもかかわらず、ステパンコフは九二年に入った頃から政治的野心をのぞかせはじめ、権力闘争のゲームに自らプレイヤーとして参加するようになった。そのあげく、九三年十月のモスクワ騒乱事件では最高会議サイドに立ち、彼自身が逮捕されてしまった。結局のところ、クーデター事件の裁判は、公判すらまともに開かれることなく、被告は全員釈放され、その真相はいまだに謎のままである(第十章参照)。

 八月に入ってモス・ソビエト代議員グループは再び提訴、ステパンコフからまたしても却下の返事が返ってきたのはちょうどクーデターの勃発直前だった。

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■【スタッフ募集・テキスト(赤反映担当)班】記者として日刊IWJガイドや記事の執筆、エディターとして編集業務を行っていただける方を募集します。特に深夜業務での校正作業を厭わない方は、優遇し、最優先で募集します! 深夜に及んだ場合は、社用車での帰宅が可能です。時給はスタート時は1300円から、能力・実績次第で昇給します。深夜業務は法にのっとった割り増し残業代を支払います。『サビ残』は一切ありません! IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

 日刊IWJガイドや記事の執筆、編集などの作業のうち、主に日刊IWJガイド校了前の赤反映業務に携わってもらいます。パソコンのスキルが必要です。時に深夜まで及ぶことがありますが、社用車での帰宅、あるいは自宅への送りが可能です。

 雇用形態はアルバイトまたは契約社員で時給1300円からのスタートになります。能力と実績次第で昇給します。正社員登用の途もあります。在宅勤務や業務委託契約も相談に応じます。残業代、深夜残業代もきっちりお支払いします。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

※スタッフ募集フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdiPIiSuiFyoVpF_HRNqdbKlIucA_Vdk6DEWqCq7mCQM6O1kw/viewform

■【スタッフ募集・テキスト(パワポ作成担当)班】書物や資料を読み砕いていく読解力やリサーチ能力が必要とされる「岩上安身によるインタビュー」のパワポ作成に責任をもってかかわっていただける方を募集します。時給は1500円から、能力・実績に応じて昇給します。

 テキスト班で「岩上安身によるインタビュー」のためのパワーポイント作成に責任をもって携わっていただける方を募集します。時給は1500円です。雇用形態はアルバイト又は契約社員からのスタートになります。正社員登用の途もあります。業務委託契約も相談に応じます。残業代、深夜残業代もきっちりお支払いします。

 パワポ作成には、書物や資料を読み砕いていく読解力やリサーチ能力が必要なため、基礎的な学力や広範な教養・知識力が必要です。優れた人員を募集します。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

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■【スタッフ募集・動画班】岩上安身によるインタビューを撮影・編集したり、大臣会見やビデオカメラによる現場取材と中継、撮影した動画の編集を行うスタッフを募集します。PCによる動画の編集作業の基本ができる方、特にYouTubeの撮影・編集などの経験のある方を特に優遇し、最優先で募集します! 経験が少なくとも、意欲ある若い方、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です! 時給は1300円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

 動画班で、大臣会見やシンポジウムなどの中継・取材を行い、撮影した動画へのスーパー挿入やハイライトの作成等の動画編集を行うスタッフを募集します。

 PCによる動画の編集作業の経験がある方を特に優遇し、最優先で募集します。

 経験が少なくとも、意欲ある若い方、PC操作やカメラの撮影にも、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です。もちろん、必要な研修はIWJ内にて教えていきます!

 時給は経験・ノウハウのある方ならば1300円から、能力・実績次第で昇給します。超過勤務の残業手当や深夜業務による手当は法にのっとった割り増し残業代を支払います。

 雇用形態はアルバイトまたは契約社員で時給1300円からのスタートになります。能力と実績次第で昇給します。正社員登用の途もあります。定年退職(65歳)となれば勤務年数に応じ満額の退職金をお出しできるよう会社が積み立てています。

 他方、副業としての雇用や業務委託契約、外注も相談に応じます。残業代、深夜残業代もきっちりお支払いします。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

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■【スタッフ募集・事務班】中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの行動予定を組み立てる重要なセクションである事務班のスタッフを募集します。PC操作のスキルがあり、スケジュール調整のためにアポ取りのコミュニケーションスキルのある方、歓迎です! これまでの社会経験も生かせます! 時給は1200円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

 スケジューリングする事務班は、中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの行動予定を組み立てる重要なセクションです。PCの操作のスキルとスケジュールのためにアポ取りのためのコミュニケーションスキルは、最低限必要になります。時として動画班のように、カメラをもって取材現場に行く場合もあります。スタート時は時給1200円からで能力・実績に応じて昇給します。

 ご応募の資格は、第一に穏やかな性格で明るく協調性のある方。第二にトラブルなく対外的な交渉をできるコミュニケーション能力の高い方。第三にPCスキルがある方です。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

※スタッフ募集フォーム
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■<IWJサーバーメンテナンスのお知らせ>IWJでは、11月28日(月)午前8時から午後3時まで、サーバーメンテナンスを行います。メンテナンス中は、IWJの一部サービスが一時利用不可になります。

 IWJ会員の皆さま、読者の皆さまに大切なお知らせです。

 11月28日(月)午前8時から午後3時頃までの間、IWJではサーバーメンテナンスを行います。このため、IWJの一部サービスをご利用いただくことができません。皆さまにご迷惑をおかけして申し訳ございません。

 なお、IWJウェブサイト上の記事・動画閲覧、YouTubeの動画閲覧、noteでの記事閲覧に影響はありません。

 一時利用不可になる機能やサービスは以下のとおりです。

<会員サービスに関する操作をご利用いただけません>

 メンテナンス中は、会員サービスに関連する操作を行なっても、お手続きは完了いたしません。

※「Myページ内での作業」(会員登録内容変更、お届け先追加・変更、会員種別変更申請、退会手続き)、「新規会員登録」が該当します。

 メンテナンス期間中は、会員サービスに関するお手続きを行わないようお願いいたします。

<商品購入に関するご連絡と発行手続きを一時停止します>

 メンテナンス中は、IWJ書店、グッズのご購入お手続きは完了いたしません。

 メンテナンス期間中は、会員サービスに関するお手続きを行わないようお願いいたします。

 皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、何とぞご了承いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
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IWJ編集部(岩上安身、城石裕幸、中村尚貴、六反田千恵)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
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