■■■ 日刊IWJガイド・番組表「8月15日は終戦記念日!?玉音放送記念日!?降伏文書に署名、敗戦したのは9月2日!!/自衛隊の『自己犠牲』を強調する佐藤正久外務副大臣の発言は特攻隊賛美に酷似!?社民党・福島みずほ議員や民進党・阿部知子議員たちは平和主義や立憲主義を訴え!/金正恩朝鮮労働党委員長が『ヤンキーの行動をもう少し見守る』とグアムへのミサイル発射を保留!?」2017.8.16日号~No.1797号~ ■■■
(2017.8.16 8時00分)
★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!
┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■<はじめに>8月15日は終戦記念日!?玉音放送記念日!?降伏文書に署名、敗戦したのは9月2日!!(城石裕幸・岩上安身)
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ!>
┠――【1】金正恩朝鮮労働党委員長が「ヤンキーの行動をもう少し見守る」とグアムへのミサイル発射を保留!?(城石裕幸・段田亜由美・岩上安身)
┠――【2】北朝鮮ICBMのロケットエンジンは旧ソ連製!? 闇ルートで数十機入手か!?(城石裕幸)
┠――【3】日本の自治体の3割が核廃棄物の最終処分場の「適地」!? 日本全国ほぼ一周が最終処分場の候補に!?(城石エマ)
┠■<★取材報告★>敗戦から72年――今年もIWJは靖国神社・千鳥ヶ淵戦没者墓苑を取材!自衛隊の「自己犠牲」を強調する佐藤正久外務副大臣の発言は特攻隊賛美に酷似!? 社民党・福島みずほ議員や民進党・阿部知子議員たちは平和主義や立憲主義を訴え!(城石エマ)
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<はじめに>8月15日は終戦記念日!? 玉音放送記念日!? 降伏文書に署名、敗戦したのは9月2日!!
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おはようございます。昨日8月15日、72年目の「終戦記念日」は、東京では雨の一日となりました。
そもそも日本が降伏文書に署名したのは9月2日。ポツダム宣言を受諾したのは8月14日。大本営が陸海軍へ停戦命令を出したのは8月16日。本来なら9月2日が正式な「敗戦の日」あるいは「降伏の日」のはずですが、正式な降伏「ポツダム宣言受諾」の調印がミズーリ号上で行われたことを強調したくないおそらくは当時の日本政府が、昭和天皇による玉音放送があった8月15日を「終戦記念日」だと「決めて」しまい、それが今日まで続いてしまっていると言われています。重ねて言いますが、正式な日本の敗戦、降伏の日は9月2日なのです。
メディアが「玉音放送」ではなく、「ミズーリ号上の降伏調印式」を繰り返しハイライトしていれば、総理のポストにある者(安倍晋三氏)が、「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいない」などという発言ができるはずもありません。
・日本の戦争を「間違った戦争」とさえ言えぬ首相 戦争法案を提出する資格なし 党首討論 志位委員長の発言(しんぶん赤旗、2015年5月21日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-21/2015052103_02_1.html
日本が敗戦・降伏にあたって何を受け入れることを決断したのか、8月15日を「終戦記念日」(終戦とはまるで自然現象のような表現です。戦争に「終戦」はありません。「勝敗」か「和睦」があるだけです)とぼかし続けてきたことで、ポツダム宣言の内容をつまびらかに知らないトボけた総理が出現し、そんな総理の出現を国民は許してしまったのだと思います。このことは我々自身も含めて、肝に銘じておかなくてはなりません。
詳しくは孫崎享氏の「戦後史の正体」およびそれをベースに行われた岩上安身によるインタビューをぜひご覧になってください。
※「日本の国益を真剣に考えた人たちがいたことを伝えたかった」アメリカとの隷属関係を断ち切ろうと奔走した政治家とは?
~岩上安身による孫崎享氏インタビュー 2012.8.23
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/27537
IWJでは今年も靖国神社、千鳥ヶ淵周辺に3チームが展開。中継や録画で終戦記念日の様子を取材してきました。後段で取材速報をお届けするとともに、明日詳しい記事をアップいたします。
日本がポツダム宣言を受諾した翌日の8月15日、植民地であった朝鮮半島では朝鮮総督府政務総監の遠藤柳作と独立運動の活動家であった呂運亨(りょ・うんきょう)が会談。日本人の安全と引き換えに行政権が総督府から朝鮮建国準備委員会へ移譲されました。8月15日は韓国・北朝鮮にとっては植民地から解放された日「光復節」です。
しかし、喜びもつかの間、9月2日の降伏文書調印後、朝鮮半島はヤルタ会談での取り決め通り連合国の信託統治となり、暫定的に北緯38度線を境に米ソによって分断占領され、1948年には南北で別々に国家が建設され、やがて朝鮮戦争に突入、分断国家が固定化されてしまいました。
今問題になっている北朝鮮と米国の威嚇の応酬、グアムへのミサイル発射予告の問題も、そもそもの出発点はここにあります。大日本帝国による朝鮮・韓国への侵略・併合がなければ、そしてその大日本帝国が連合国を相手に無謀きわまりない破滅的な戦争に突き進まなければ、米ソに分断される事態も起き得なかったのです。
広島・長崎では徴用工として日本に連れてこられた多くの朝鮮人も被爆しています。加害者としての日本の過去と向き合うことも忘れないようにしたいものです。
IWJではこの夏、過去のアーカイブから選び抜いた『核と戦争を考えるシリーズ再配信』をお送りしています。
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1.自らの体験をもとに欧米三十数カ国で被爆の実相を語り、核兵器廃絶を訴える被爆医師・肥田舜太郎氏に岩上安身が訊く(その1)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/43
[配信日時] 2017年8月6日(日)21:00~
2.自らの体験をもとに欧米三十数カ国で被爆の実相を語り、核兵器廃絶を訴える被爆医師・肥田舜太郎氏に岩上安身が訊く(その2)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/43
[配信日時] 2017年8月7日(月)21:00~
3.「母が、弟が死んでも涙がでなかった」 長崎原爆で家族全員を失った被爆者の告白、自らも覚悟した被爆死(原佑介記者)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/161708
[配信日時] 2017年8月8日(火)19:00~
4.「核と人類は共存できない。核には、きれいな核も、汚い核もない」 ~岩上安身による谷口稜曄(すみてる)長崎原爆被災者協議会会長インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95640
[配信日時] 2017年8月9日(水)20:00~
5.「リメンバー・パール・ハーバー」から「アメリカ・ファースト」へ――「戦後秩序」に挑戦するトランプ大統領と安倍総理〜岩上安身による神子島健氏(成城大学ほか非常勤講師)インタビュー(その1)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/360564
[配信日時] 2017年8月11日(金) 20:00~
6.「リメンバー・パール・ハーバー」から「アメリカ・ファースト」へ――「戦後秩序」に挑戦するトランプ大統領と安倍総理〜岩上安身による神子島健氏(成城大学ほか非常勤講師)インタビュー(その2)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/360564
[配信日時] 2017年8月12日(土) 20:00~
7.「沖縄の米軍基地が拡大される可能性」 核兵器に代わる米国の新戦略とは ~岩上安身によるアメリカン大学・ピーター・カズニック教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95813
[配信日時] 2017年8月13日(日) 20:00~
8.核燃料サイクルと「核技術抑止」政策のこれから 日米原子力協定の交渉担当者・遠藤哲也氏に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/124876
[配信日時] 2017年8月13日(日) 21:00~
9.「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」――先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!?
岩上安身が元外務省国際情報局長・孫崎享氏に訊く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395470
[配信日時] 2017年8月14日(月)19:00~
今後の配信予定をご紹介いたします。
『核と戦争を考えるシリーズ再配信』8月の配信ラインナップはこちらです。配信日時は未定ですので、スケジュールの詳細は随時ご案内いたします。
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・日本の社会構造の根底にあるのは「国家によるウソ」~岩上安身による福島菊次郎氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/102501
・福島原発事故の「内部被曝者」に同じ道を歩ませるな 元第5福竜丸船員の訴え「国は、私らを裏切った」~岩上安身による大石又七氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/9937
・岩上安身による名古屋大学名誉教授沢田昭二氏インタビュー 内部被ばく・ICRP専門委員の実情など原子力村の実態を暴く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/80
・長崎型原爆1万発分以上の衝撃 日本は原発のプルトニウムですぐにでも核武装が可能 ~岩上安身による梅林宏道氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/96927
・米国からのプルトニウム返還要求「明らかな政治的メッセージ」~岩上安身による京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123411
・『核の戦後史』出版記念 原爆・原発・被曝の真実に迫る!岩上安身による木村朗氏・高橋博子氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/296122
・「核」のプロフェッショナルが「沖縄発の核戦争が勃発する直前だった!」というスクープの裏側を語る!~岩上安身による共同通信編集委員・太田昌克氏インタビュー 前編
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281578
・日米の核同盟の正体、そして沖縄 岩上安身による共同通信編集委員 太田昌克氏インタビュー 後編
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286835
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<視聴URL>
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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これらの貴重なアーカイブはサポート会員にご登録いただければいつでもご覧いただけます。この機会にぜひ、会員へのご登録、サポート会員への変更をよろしくお願いいたします。
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今後も安定した活動が続けていけますよう、どうかご寄付・カンパをお願いいたします。(城石裕幸・岩上安身)
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◆中継番組表◆
**2017.8.16 Wed.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【Ch4】15:00~「民進党 国会対策委員会『加計学園疑惑調査チーム会合』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
民進党 国会対策委員会「加計学園疑惑調査チーム会合」を中継します。
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【緊急!北朝鮮のミサイル危機問題シリーズ再配信 2・YouTube Live】19:00~「北朝鮮はやられればソウルに向かってロケット砲発射!!米軍が平壌に迫ってもうダメというところで核を使う!?――岩上安身が軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏にインタビュー!<ダイジェスト版>」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
4月19日収録の、岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏インタビューのダイジェスト版を再配信します。
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【タイムリー再配信 46・IWJ_YouTube Live】21:00~「『日本政府も企業も個人もすべて米国NSAに盗聴されている!』元NSA職員スノーデン氏が暴く!米国による巨大監視システムの実態とは――スノーデン単独取材に成功した小笠原みどり氏に岩上安身がインタビュー(その3)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
2016年12月収録の岩上安身による小笠原みどり氏インタビューを再配信します。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/354108
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◆中継番組表◆
**2017.8.17 Thu.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【IWJ_YouTube Live】13:00~「岩上安身による小笠原みどり氏(元朝日新聞記者、カナダ・クイーンズ大学大学院博士課程在籍)インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
岩上安身による小笠原みどり氏インタビューを中継します。
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【Ch6】16:00~「辺野古の“文子おばぁ”がやってくる!島袋文子さんを迎え沖縄に連帯する市民のつどい」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
「文子おばぁを迎えよう!実行委員会」主催による集会を中継します。
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【緊急!北朝鮮のミサイル危機問題シリーズ再配信 3・YouTube Live】20:00~「『ガラスから遠ざかること、それ以外に打つ手なし』~これがリアルの戦争で外交官の下した結論!Jアラートは北朝鮮製ミサイルに間に合わない!元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー <ダイジェスト版>」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
4月22日収録の、岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューのダイジェスト版を再配信します。
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」――先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!? 岩上安身が元外務省国際情報局長・孫崎享氏に訊く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395470
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<★取材報告★>敗戦から72年――今年もIWJは靖国神社・千鳥ヶ淵戦没者墓苑を取材! 自衛隊の「自己犠牲」を強調する佐藤正久外務副大臣の発言は特攻隊賛美に酷似!? 社民党・福島みずほ議員や民進党・阿部知子議員たちは平和主義や立憲主義を訴え!
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日本が敗戦を迎えてから72年。昨日IWJスタッフは、東京都千代田区の靖国神社と千鳥ヶ淵戦没者墓苑を取材しました。
時折、前も見えないほどの激しい雨が降り注ぐ中、靖国神社の外苑には例年通り、日本会議の白いテントが張られ、参加者が続々と内苑の方へ向かっていました。雨のせいなのか、参拝者は例年より少なかったように思われます。
今年に入り、「加計学園」問題や「森友学園」問題で政権支持率を下げまくった安倍政権は、8月3日に内閣改造をしたものの、依然、7割の閣僚が日本会議に所属しています。今年は、「ヒゲの隊長」こと佐藤正久外務副大臣がスピーチに立ち、自身の息子が、3.11の際に爆発した原子炉の上からヘリで放水した自衛隊に感銘を受けて自衛官になったという話を披露。
「一番危ないのが放射能の出ている原発の上です。自己犠牲の気持ちが人の背中を押す。あとでそのときの隊長に聞きました。『どうやって搭乗員を選んだんだ?』。そうしたら『「希望者手を上げろ」と聞いたら、全員が手を上げた』と。これが自衛隊なんです!」(会場拍手)
まるで、第二次世界大戦中の特攻隊の賛美を聞いているようではないでしょうか? 自身も自衛官出身の佐藤外務副大臣ですが、自衛官の全員が必ずしもこうした考えを共有しているわけではないでしょう。
自衛官はあの一連の作業でどれだけ被爆したのでしょうか? 自衛官も生身の人間であり、一人ひとり人権があります。隊員の命と健康に留意する姿勢を、なぜ指導者が示さないのでしょうか。
佐藤議員の発言は、自己犠牲を美化しようとする安倍政権の考え方を反映しているように思えてなりません。安倍政権は、「自衛隊を憲法に明記する」と改憲に熱心ですが、改憲の前に、肝心要の自衛隊員の人権を保証する義務を守る必要があるはずです。そうした角度からの議論が、この国ではあまりに不足しています。
※佐藤正久議員が明かした自衛隊に残る「日本軍体質」!! 原発への散水ヘリ搭乗には全員が志願!「『希望者は手を挙げろ』というと全員が手を挙げた」――第31回 戦歿者追悼中央国民集会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395439
IWJでは自衛隊員の人権という角度から考える取材を、くり返し続けてきました。自殺者が続出する現実から目をそらすことがあってはなりません。
同じテントの中では、高須クリニックの高須克弥院長が、タレントのフィフィ氏らとともに笑顔のピース写真を撮っていました。
※高須克弥氏のツイート(2017年8月15日)
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/897314859414466561
自衛隊を、自己犠牲を強いられた「特攻隊」のように賛美する佐藤外務副大臣と、そのすぐ近くで、笑顔にピースではしゃぐ「極右タレント」たちの姿は、あまりにも軽々しく、軽薄なものと映ります。
一方、今年はじめて参拝に来たという女性はIWJの取材にこたえ、「戦争はいけない」と言いつつも、「英霊に感謝を伝えたくて来た」「今の日本は平和ボケしている」と述べました。
※改憲と教育の無償化を結びつける安倍総理に「安易すぎる『国民』のイメージが残念」――千鳥ヶ淵戦没者墓苑を初訪問の学生たちがリアルな心中を吐露! 今年もIWJは「敗戦の日」に靖国取材 2017.8.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395441
安倍総理や小野寺五典防衛相らが参拝を見送った一方で、稲田朋美元防衛相や高市早苗元総務相は参拝へ。稲田氏は防衛相に就任したばかりの昨年8月15日、ジブチの自衛隊部隊視察という名目で、靖国参拝とともに「全国戦没者追悼式」への参加を見送り、国会で民進党の辻元清美議員から「『戦争で亡くなった方々への心を捧げる』というのは、その程度だったのか」と追及され、涙をこらえて答弁に窮する場面もありました。
※【国会ハイライト】「『戦争で亡くなった方々へ心を捧げる』はその程度か」歴代防衛相として史上初・戦没者追悼式を欠席した稲田防衛相が民進・辻元氏の追及に涙目!「日本の核保有」発言は意地でも撤回せず!2016.10.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/335638
幕末から太平洋戦争に至るまでの戦没者約246万柱が「英霊」として祀られている靖国神社ですが、祀られているのは、あくまで大日本帝国の「国策」に殉じた人々で、中には東条英機などA級戦犯も含まれます。
岩上さんがインタビューをした島根大学名誉教授・井上寛司氏は、1894年の日清戦争と1904年の日露戦争をきっかけとして靖国神社が影響力を増し、植民地獲得のための帝国主義戦争を美化して、国民を侵略戦争に駆り立てる機関となっていったと述べています。
また、同じく岩上さんがインタビューをした上智大学教授の島薗進氏は、戦後、神社本庁が伊勢神宮の地位回復、靖国神社の地位回復を通じての『国体』の復活を目指してきたと説明しています。
※「神社」は7世紀後半につくられた!『古事記』『日本書紀』、そしてアマテラスの起源・・・「国家神道」のルーツを探る!岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー1日目(古代編)2016.11.22
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346982
※「神道」理解のカギは室町時代にあり!
吉田兼倶による神道理論の体系化、その意義とは?岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー2日目(中世・近世編)2016.11.23
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352464
※天皇制ファシズムと「国家神道」、そして柳田國男が温存した「神道」のドグマとは?
岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー3日目(近代・現代編) 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/355952
※「改憲」の先にあるもの――日本会議と神社本庁は何を目指しているのか!?
安倍政権下で進む右傾化の真実に迫る!岩上安身による上智大学教授・島薗進氏インタビュー 2016.10.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/335795
※日本会議の台頭と回帰する「国家神道」「大日本帝国」化を目指す安倍政権~岩上安身による上智大学教授島薗進氏インタビュー 中編 2016.11.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/343400
※日本会議の台頭と回帰する「国家神道」「大日本帝国」化を目指す安倍政権~岩上安身による上智大学教授島薗進氏インタビュー 後編 2016.12.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352050
ところでこの靖国神社が長州にその起源を持つということは、あまり知られていないのではないでしょうか?
※祖父から教えられた「ヤスクニ」と長州藩中心に形成された「靖国」とのはざまで(<IWJの視点>平山茂樹の「ニュース下から目線」:IWJウィークリー13号より) 2013.8.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/96143
ここには空襲で亡くなった民間人の犠牲者などは含まれていません。さらにまた西南戦争で「鎮圧」された、薩摩藩の士族たちも祀られていないのです。あくまでも「勝てば官軍」、明治政府で中心をなした長州閥、そして日本が対外諸国を侵略していく過程で「戦死」した人々だけが祀られていることを、どれほどの人が知っているのでしょうか?
6・7月に岩上さんがインタビューを行った、拓殖大学・関良基准教授は、明治維新から今にまで至る日本の政治構造を「長州レジーム」と呼び、そこから真に民主的な社会を取り戻すことをご著書の中で呼びかけています。
※「長州レジーム」から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の「近代立憲主義構想」を葬った明治維新の闇~岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー・その1 2017.6.6
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/382111
※日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2) 2017.7.11
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/388960
【関 良基さんサイン入り】赤松小三郎ともう一つの明治維新
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=313
同じく昨日、千鳥ケ淵国立戦没者墓苑で行われた「戦争犠牲者追悼、平和を誓う8・15集会」では、社民党の福島みずほ議員や民進党の近藤昭一議員、阿部知子議員らが、「フォーラム平和・人権・環境」代表の福山真劫氏、「戦争をさせない1000人委員会」事務局長・内田雅敏氏とともに平和の誓いをしました。
福島議員は、「安倍政権は特定秘密保護法(2013年)、戦争法案(2015年)、盗聴法拡大(2016年)、共謀罪(2017年)などを制定し、戦争準備の法制を作り続けている」として、「安倍首相の主張する9条3項の自衛隊は専守防衛・災害救助のためのものではなく、世界中で米国と軍事行使できるようにするためのもの」と、安倍総理の「加憲」提案に警鐘を鳴らしました。
※「安倍政権の戦争ができる国づくりを阻止するため、国民の力で、全力で9条改悪と闘わなくてはならない!」――「戦没者追悼、平和を誓う8・15集会」で福島みずほ議員らが平和を語る 2017.8.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395443
報道によると、自民党は憲法改正に向けた条文案の作成を来年以降に先送りし、秋の臨時国会への提出は見送りにすることを検討し始めたといいます。
※点検・自民改憲/1 9条改正 主導権、首相から党へ(毎日新聞、2017年8月15日)
https://mainichi.jp/articles/20170815/ddm/005/010/098000c
しかし、油断はできません。「災害」を口実にした「緊急事態条項」など、改憲勢力がより国民にとって「受け入れやすい」アプローチをとってくることは、十分に考えられます。「緊急事態条項」の導入は、憲法9条改正よりもはるかに危険です。
「緊急事態条項」が導入されれば、国民主権が奪われ、議会制民主主義は完全に空洞化し、国民の基本的人権は無制限に制約され、9条の保証する平和主義ももちろん吹っ飛びます。しかも緊急事態条項は、起源も定められず、解除の手続きもありません。この条項ひとつで永久独裁政権を一挙に誕生させられる、危険な条項です。
「緊急事態条項」の危険性については、ぜひ、岩上さんと梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士の鼎談をまとめた『前夜相補改訂版』をご一読ください!
※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171
それでは、今日も1日、IWJをよろしくお願いいたします!
※日刊IWJガイドのフルバージョンは下記URLより御覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20170816
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岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/ 】