2022年12月18日(日)14時より、大阪府大阪市のPLP会館にて、「とめよう改憲!おおさかネットワーク」主催による「とめよう!改憲 とめよう!大軍拡 『防衛3文書』を斬る! 憲法講演会」が開催され、青井未帆・学習院大学法科大学院教授の講演が行われた。
青井氏は今回の防衛3文書について、まず「憲法の「け」の字も書いていない。9条についても明記していないのに、議論がここまで進んでいることを知っていただきたい」と指摘し、12月16日付けで掲載された首相官邸サイトに掲載された「国家安全保障戦略について」を紹介しつつ解説していった。
※新しい防衛3文書とは、かつての「国家安全保障戦略(NSS)」、「防衛計画の大綱(防衛大綱)」「中期防衛力整備計画(中期防)」に代わるものである。
青井氏は特に、「既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつある。このため、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力、すなわち反撃能力を保有する必要がある」のくだりに着目し、
「『ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ』とあるが、その後またさらなるミサイルが続くということは考えなかったのか?」と、いかにも浅はかで生煮えな議論の内容に疑念を呈し、「国会閉会後に誰がどこで議論していたのかも不明で、当然国民的議論も国会での議論もないということは、民主的な正当性もないのではないか」と述べた。