2022年7月30日(土)午後2時より、大阪府大阪市の第2ターネンビルにおいて、小山美砂さん講演会~『「黒い雨」訴訟』出版記念~が行われた。
「黒い雨」訴訟とは、2015年・被曝70年の年から、被爆者手帳の交付申請を却下された広島市や広島県安芸太田町の男女が、市と県に却下処分の取り消しを求めて提訴した裁判である。
小山氏が冒頭で語った内容は、「『黒い雨』訴訟における国側の主張と、福島第一原発事故での国側の主張は酷似している」というもの。
具体的には、
【「黒い雨」訴訟】内部被ばくにおける健康への影響は、外部被ばくと比較して、線量が同じであれば同等あるいはそれより低い。
【復興庁が「放射線に関する基礎的情報」(2021年)で記載している内容】100ミリシーベルトを下回るような放射線に被爆した場合、人体に何ら健康影響を与えない場合も十分ありうる。
このように「黒い雨」を否定する論理が現在まで堅持され、福島第一原発事故でも使われてきた。また、福島第一原発事故を否定する論理が、「黒い雨」を否定する際にも使われている。
その大元には、国の「被ばくを切り捨てる論理」が今日まではびこってきた、「黒い雨」訴訟はその論理を切り崩した裁判であるとその意義を指摘し、その意義とはどんなものなのか・「黒い雨」被ばく者はどのようにして国の「被ばくを切り捨てる論理」に立ち向かっていったか・私たちはそこから何を活かしていったら良いのかをこの講演で共有したいと述べた。