2021年10月11日(月)、午前10より、東京都千代田区の衆議院本館にて、「日本大学背任疑惑」野党合同ヒアリングが開催された。
ヒアリングでは、日本大学医学部付属病院の建設工事をめぐり、日大理事・井ノ口忠男(いのぐちただお)氏、および、医療法人「錦秀会」前理事長・藪本雅巳(やぶもとまさみ)氏が、2021年10月7日、背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された事件について、文部科学省、法務省、厚生労働省より担当官が出席し、野党議員からの質疑に応じた。
ヒアリング冒頭、立憲民主党国会対策委員長代行の原口一博衆議院議員は、「本来であれば、特定の私立大学の背任の問題を、私たちが国会で取り上げるということには慎重であるべきだ」と述べ、次のように語った。
「ただ、今回の場合、あまりにも広範囲に、そして、重度の精神障害のある方々についての暴行事件の容疑もあり、あるいは、様々な私学助成金の話もあり、聞くところによると、ある方は、自分が逮捕されるようであれば、すべてをぶちまけるとまで、おっしゃっていて、政治との関係性についても追及している中で、この問題が出てきましたわけですから、今日のヒアリングというかたちになりました」。
さらに原口議員は「奢る平家は久しからず」と述べ、「権力を謙抑的に使わず、ひどい状況で使うと、その末路は哀れなものなのだ」と批判した。
立憲民主党の黒岩宇洋(たかひろ)衆議院議員は「本来、一法人の刑事事件に関しては、一義的には警察・検察に委ねるもの」と前置きしつつ、この医療法人が政界にパイプを持ち、安倍元総理と親睦があるとの報道をあげて「この医療法人から、実際、多額の政治献金が、特に、与党議員に流れていることが収支報告書で明らかになっている」と指摘した。
さらに黒岩議員は、逮捕された容疑者と安倍元総理が一緒に写る写真を示し、「我々からすれば、これはいつか見た風景。このように、一大学機関と有力政治家が密着して、第二の加計学園のようなことにはならないか」と懸念を示し、「我々政治の側でチェックしなければならない」と訴えた。
ヒアリングは、野党議員らが事前に通告した質問に対し、文科省、法務省、厚労省の担当官が回答する形で進められた。