【宜野湾市長選】「ディズニー構想という偽のニンジン」自民党が宜野湾市民に仕掛ける狡猾な選挙戦略とは!?「ママの会」新垣依恵さんインタビュー  2016.1.19

記事公開日:2016.1.23地域: テキスト 動画 独自
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(聞き手:IWJ記者・佐々木隼也)

※1月23日テキストを追加しました!

 「宜野湾市長選はただの、小さい街の市長選ではない。原発、秘密保護法、集団的自衛権、武器輸出、安保法の強行可決、今の自民党が作っている政治の中で、子供たちを安全に守っていけるのかが問われています」。

 子育てをしながら、宜野湾市長選で現職候補や安倍政権の様々な問題点に警鐘を鳴らしている「ママの会」の一人、新垣依恵さんは2016年1月19日、IWJのインタビューに応え、宜野湾市長選の重要性を訴えた。

 自民・公明推薦の現職・佐喜真淳(さきまあつし)候補と、翁長知事率いる「オール沖縄」のサポートを受け、辺野古新基地建設反対の立場を明確にしながら現職に挑む新人・志村恵一郎(しむらけいいちろう)候補の一騎打ちとなった宜野湾市長選は、安倍政権と「オール沖縄」の代理戦争の様相を呈している。

 安倍総理は、この宜野湾市長選で勝利することで、夏の参院選(もしくは衆参ダブル選)、その後の憲法改正に弾みをつけることを狙っている。

 「辺野古移設反対」という宜野湾市民との約束を破り、安倍政権の意思をダイレクトに反映してきた佐喜真市長の市政に、新垣さんは危機感を募らせる。

 「佐喜真市長は前回の市長選では普天間基地の移設先は県外、国外と言っていたが、当選直後、『オスプレイの配備は県内にさせない』『普天間の即時閉鎖』『辺野古には基地を作らせない』という建白書について、『あれは騙されてサインしたのでやめる』と、一抜けした。(建白書は)ウチナンチューの心を一つにまとめるものだったのに。自民党は、内部から切り崩していくというやり方をしてきた」

■イントロ動画

  • 収録日時 2016年1月19日(火)
  • 配信日時 2016年1月20日(水) 18:25~
  • 場所 沖縄県宜野湾市

「偽のニンジン」ディズニー誘致という狡猾な選挙戦略

 2013年1月の名護市長選では、石破茂幹事長が「500億円の振興基金」を持ち出すなど、露骨な実弾(カネ)が飛び交った。しかし、今回の宜野湾市長選では、そうした直接的なバラマキの話は自民党から発せられていない。

 この選挙戦略の変容について、新垣さんは、「名護市長選、2014年の沖縄市長選を経て、自民党は学んでいる」と語った。

 沖縄では、たとえ多額の交付金が落とされても、天下りした官僚が持っていってしまうことが何度もあったため、「どうせ『飴』だよ、ということをみなが知っていた」のだと言う。結果、名護市長選では「オール沖縄」候補の稲嶺進氏が当選した。

 稲嶺氏の当選後、名護市は交付金を貰っていないのにも関わらず、市民の暮らしに目を向けたお金の使い方をしたおかげで、税収が100億円増えたのだという。

 「札束では県民の心は動かないことを自民党政権は学んで、沖縄市長選では、お金をばらまかなかった。その代わり自民党は、沖縄市には道路でバイクを走らせる若い青年が多いことを利用し、沖縄市にサーキット場を作ることを公約に掲げたのです。10代から30代の若者はすごいまとまって、与党候補を応援した。浮動票を取りにかかった。その結果、『偽のニンジン』で与党候補が勝った。

 しかしその後、市長は『やはりサーキット場は作れない』と約束を反故にした。当時は与党候補を応援した私の友人の甥も、が、『利用された』と怒っていた。しかし、選挙とはそういうもの。勝ってしまえば何でもアリなのです」

 そして、今回の宜野湾市長選で佐喜真陣営が繰り出した「偽のニンジン」が、「普天間基地跡地にディズニーリゾート誘致」なのだという。

 「静かだった市長がいきなりテレビに出て、菅さんと握手しながら、宜野湾にディズニーリゾートを誘致すると言った。ディズニーランドと思っている人たちが多いがランドではなく、ディズニーリゾートという『ホテル』。みな、騙されているのです。どうして、名護に見習った、地に足をつけた政策、地元の人が利用できて、交流、学びの場ができないのか」

「普天間の危険性除去」と訴えながら、「普天間の騒音・爆音被害はない」としてきた佐喜真市政

 基地の騒音・爆音について、新垣さんは、今回の選挙でのある変化を指摘した。一昨年の知事選、衆院選では普天間基地は低空飛行をせず、周辺は静かになったという。しかし、今回は逆に、2015年の秋口から「異様なほど」低空飛行をし、夜10時を過ぎてもオスプレイが飛んでいるのだという。

 「わざとらしいくらい、怖いと思うくらい低空飛行をしていて、友人の中には『もう本当に嫌だ』と訴えている人もいる、こんなに毎日毎日、子育てをしながら、この3ヶ月、異常なほど住宅上空を3機、4機編成でばんばん飛ばして、恐怖を煽っている。もうクレイジーになほどに。耐えかねて、『もう辺野古でもどこでもいい』『今すぐどけている人がいるならそこにお願いしたい』と言う人もいる(※)」

(※2016年2月1日追記:新垣さんによると、宜野湾市長選が終わったと同時に、鳴り響いていた低空飛行や夜間の整備音による爆音がとたんになくなり、静かになったという)

 佐喜真候補は選挙戦で必死に、「基地の危険性の除去」を訴えている。しかし新垣さんは、その主張に疑問を‏呈する。

 宜野湾市は2009年、伊波洋一市長(当時)のもとで、市と市民が一体となって基地返還に取り組む「基地対策協議会」を組織したが、佐喜真市政では、一度も協議会が開かれていないのだという。

 「佐喜真市政ではこの4年間、基地の被害はなかった、というくらいになっている。市民の声を受け止める枠も消し去った。夜、オスプレイの騒音がひどくて、配備の時の条件と違うのになぜ黙認するのかと電話しても、警備員のおじさんしか電話をとらない。記録にも残さない(※)。

 さらに、『オスプレイ反対』というステッカーを車に貼っている人は、市民駐車場を使えないようにしている。『米軍が解放してくれている駐車場だから』と。もともとは私たちが住んでいた土地を取られて、盗まれて土地なのに」

(※追記)宜野湾市によると、市民からの通報はすべて音声記録に残し、文字起こしをしたうえで市長に目を通してもらい、沖縄防衛局や在日米軍に配慮を要請しているという。IWJの取材に対し宜野湾市役所の基地渉外担当者は、「佐喜真市政になってからも市民の声はすべて漏らさず記録し、漏らさず防衛局と在日米軍、普天間飛行場へ要請をしている」と語った。騒音被害を訴える市民の通報は年々増加傾向にあり、2010年は145件だったものが2015年は319件と倍増しているという、

 また新垣さんは、佐喜真候補が「普天間の危険性除去」を連呼しながらも、一度も「辺野古」に言及しないことを指摘した。

 「私たちは敗戦国として権利がない状態。航空権だってそう。辺野古に移しても安全ではない。佐喜真さんも、宜野湾の上空を絶対に飛ばないとは言えないから、無言。巧妙で卑怯。それは許してはおけない」

自衛隊に若者の個人情報を提供していた宜野湾市――いまだに公の場で謝罪しない佐喜真氏

 佐喜真市長が、安倍政権の動きに緊密に呼応していることをあらわす、ある事実が発覚した。安保法制成立後、宜野湾市と沖縄市は、自衛隊適齢期の若者の個人情報を、本人や家族の同意を得ることなく、勝手に自衛隊に提供していたのだ。

 子を持つ母親として、本当に恐ろしいと話す新垣さんは、しかしこの事実が多くの親に届いていないことに危機感を募らせた。新垣さんが30代のお母さんにこの話をした際、「でも自衛隊は公務員ですよね」と平然と返されたという。

 「でも、名簿を提出して勧誘する自衛隊は、安保も可決された中で、後方支援といって銃を持ってアメリカを守る、スーダンだって行ける、制限がなくなっていて恐ろしいよと。尖閣が危なくなった時の説明もしたが、沖縄では、自衛隊はテレビでお見合いをしたり、屈強な自衛隊員が国を妻子を守ります、というイメージがあるのです。

 今まで自衛隊員がやってきた功績は確かに大きい。そのままであれば美しいが、安保法が可決された中で、今までの自衛隊と違う。名簿提出を勝手にやったことで、副市長に話しにいきました。軽はずみな行為はどうかと思うと、ここで暮らしていく中で安全に暮らしていきたい、市民を守るのが優先ではないか」

 新垣さんらが、「自衛隊はどこに派遣されて、何をするのかわからない。内容も知らされていない、斡旋していいんですか」と伝えると、市長は「軽はずみであった」と認めたが、いまだに公の場で謝罪の言葉はないという。ちなみに、沖縄市長はこの問題で謝罪している。

園児に教育勅語を唱和させる――危機感のない若者と「また戦争が始まる」と危機感を募らせる戦争世代

 佐喜真氏の問題は他にもある。2年前、佐喜真氏が閉会のあいさつを務めた、日本会議主導の「沖縄県祖国復帰42周年記念大会」で、地元保育園の園児が、胸元に日の丸ワッペンをつけ、「教育勅語」を一斉昭和させられていた。

 「教育勅語」とは戦前、自由民権思想が起こるのを防ぐために、政府が学校教育の統制を目的に発布され、国民に強制されたもの。忠君愛国、天皇崇拝を規範とし、権力側が、天皇の名のもとに独裁を敷く洗脳手段として利用されたものだ。

 「うちの子供と同じ歳の園児たちが提唱させられて、その大会が宜野湾市で行われて、それが日本会議だった。安心してここで子育てできるのかと感じた。しかし20代のお母さんは違う。こんな難しい文章を暗記できてスゴイね、という感覚なのです」

 新垣さんが以前、80歳のお爺さんに、この園児の教育勅語昭和の動画を見せたところ、「何だこれは、こんな事態になっていたのか宜野湾が」と、仰天していたという。

 「お爺さんが小学4年生くらいの時、教育勅語を唱和させられていた。私の母も教育勅語を言える。すらすら言える。今、お爺さんは『これは本当にどうにかしないと日本の未来はない、また戦争が始まるかもしれない』と言って、最後に伝えられることをやらないと、と色々な活動をしています」

宜野湾市長選は、日本の今後の行く先を決める重要な選挙

 最後に新垣さんは、宜野湾市長選の重要性を訴えた。

 「この湾市長選は、宜野湾のことだけではなく、沖縄、日本の今後の行く先を決める大きな選挙です。そう見えないように現政権はしているが。沖縄がこれまで勝ち取ってきた民主主義を守り、国民のお金で造る新基地も止めなければいけない。

 原発事故の後、国が国民を見捨てるのを見てきて、国民に目を向けない国づくりの中で何が愛国心なのか。宜野湾市長選はとても大事です。安保、秘密保護法、武器輸出に関してもすべてが絡み合っている。外からの応援が必要。注目してほしい」

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3件のコメント “【宜野湾市長選】「ディズニー構想という偽のニンジン」自民党が宜野湾市民に仕掛ける狡猾な選挙戦略とは!?「ママの会」新垣依恵さんインタビュー

  1. 新垣依恵さんの言ってることには一里あると思いますが、小学生1年生のお子さんがいるとおっしゃってましたが現市長の公約が完全には達成してはいないけれども宜野湾市の活性化のために全力を尽くして頑張っていますよ。
    現に小学校通学までの医療費を無料化実施を行いました。この四年間宜野湾市の変化を見て何も感じないのかと気になりました。十数年間変わらなかった宜野湾市をたった4年でここまで成長させた現市長の実績を少しも語らずひたすら反対意見や自衛隊への名簿提出で戦争に行かされるなど語るのはおかしいのではないでしょうか?
    新垣依恵さんも情報の偏りについて話していましたが、一方的な批判だけを述べているこの動画こそ情報の偏りが出てくるのではないでしょうか?

  2. 宜野湾市をたった4年でここまで成長させた現市長の実績とは、実際に何をなさったのか、小学校通学までの医療費を無料化実施以外には具体的に何々でしょうか?
    どんな市長でも市民に何らかの成果を見せなければ続けてはいかれないでしょう。ただ、その裏に本当に肝心要の政策を打ち出し実施してきたのかが問われるべきです。

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