【宜野湾市長選】志村候補、条件なしで「普天間閉鎖」主張  子どもの貧困対策も~「勝ったら必ず日本が変わる」翁長知事と二人三脚で「新基地建設」阻む 2016.1.17

記事公開日:2016.1.22取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田充)

※1月22日テキストを追加しました!

 任期満了に伴い2016年1月17日に告示された、米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の市長選は、再選を目指す現職の佐喜真淳候補と新人の志村恵一郎候補の、両無所属の一騎打ちとなり、それぞれの推薦者である、名護市辺野古への新基地建設を進める政府・与党と、新基地建設に反対する、沖縄県の翁長雄志知事の「代理戦争」の様相を呈する運びとなった。投開票日は1月24日。

 告示日の午前8時半に市内で始まった出発式で志村候補は、「普天間飛行場をいかに閉鎖し返還し、危険性を除去するか」が今回の選挙の争点と言明。条件なしの普天間返還を訴えつつ、辺野古への新基地建設についても、「宜野湾と名護の市民の命の重さは同じだ」と反対の立場を鮮明にした。

■ハイライト

  • タイトル 宜野湾市長選 志村恵一郎候補 出発式
  • 日時 2016年1月17日(日)8:30〜
  • 場所 普天間りうぼう前(沖縄県宜野湾市)

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政府が放置する「普天間運用停止」を3年以内に実現すると宣言

 志村候補は市長選の争点について、「市の中央部にある普天間飛行場を、いかに閉鎖し返還し、危険性を除去するかにある」と言明。安倍総理が「日本の安全保障は一地域の選挙では決まらない」とコメントしたことを踏まえ、「あの発言は、地方自治の権利を奪うことであり、民主主義の基本に反する」と批判した。

 「(2013年12月に)政府は『5年以内に普天間飛行場の運用を停止する』と約束したが、あれからすでに2年が経っている」と続けた志村氏は、県とロードマップをつくり、残りの3年で運用停止に向けて取り組むと訴えた。「翁長知事を支え、辺野古の新基地に反対する。宜野湾と名護の市民の命の重さは同じだ」。

 志村候補は、子どもの貧困問題を深刻にとらえているとも表明。「(2012年の総務省調査を用いた研究によれば)県の18歳未満の子どもがいる世帯の37%が貧困にあえいでいる。全国平均の2.7倍という水準だ」と指摘し、これまで社会インフラ整備に寄りすぎていた市政の重心を、子育て支援へと移すことが急務であると訴えた。

 「給食費と子どもの医療費の完全無料化、待機児童ゼロを実現させる。子育てナンバーワンの市を目指すために、子ども対象の『貧困基本条例』を策定する」。

翁長氏「志村候補が勝ったら必ず日本が変わる」

 応援でマイクを握った玉城デニー衆院議員(生活の党)は、「鳩山由紀夫政権時代、藤田幸久氏(当時・民主党国際局長)を中心とするプロジェクトチームが、(キャンプ・ハンセンを活用した)普天間飛行場の返還で米国と協議を進め、合意を得ている。したがって、普天間閉鎖は実現可能だ」と力説。「普天間閉鎖をめぐって、翁長知事と一緒に政府と対峙できるのは、志村氏だけだ」と強調した。

 街宣カーの屋上で志村候補の隣についた翁長知事は、「政府は『この市長選はローカル選挙であるため、国の(辺野古基地建設の)方針に何ら影響はない』と言っているが、本当にそうか、目にもの見せてやろうと」と口調を鋭くし、「この市長選で(志村候補が勝ったら)必ず日本が変わる」と力を込めた。2014年の名護市長選などでは、反基地派が勝利したにもかかわらず、それを一顧だにしない政府に対し、再度「沖縄の民意」をぶつける構えである。

 基地問題では、「政府は老朽化した普天間基地を脅しに使い、大浦湾を埋め立てて、辺野古の新しい米軍基地をつくろうとしている。こんなことは絶対に許されない」と怒りをにじませた。

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