【スピーチ全文掲載】「憲法で33年飯を食って来たが、今日、初めて何が憲法かが分かった。これなんですよ!」水島朝穂教授がSEALDs集会で熱弁 〜ベルリンの壁崩壊直前のドイツと国会前が今、重なる 2015.7.31

記事公開日:2015.7.31地域: テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(原佑介)

 ベルリンの壁を崩壊に導いた100万人の市民も、最初は、弾圧を恐れたわずか1000人の市民の集まりに過ぎなかった――。

 1989年、ベルリンの壁崩壊を東ベルリンでむかえた早稲田大学・水島朝穂教授(憲法学)。2015年7月31日、初めてSEALDs主催のデモに駆けつけた水島氏は、SEALDsの「民主主義って何だ」「これだ」のコールを聞き、東ドイツの民主化を求めた26年前の東ドイツの市民の姿を思い出したという。

 水島氏はベルリンの壁が崩壊するに至った市民運動の変革を語り、「今、新しい民主主義が国会前で始まっている」とスピーチ。その上で「憲法やって33年、飯を食って来たが、今日、初めて憲法って何だって分かった。これなんですよ」と感動をあらわした。

 「8割の国民が納得していない政権は、退陣願いましょう」

 以下、スピーチの動画と、全文書き起こしを掲載する。

■岩上安身による水島教授インタビュー動画記事

■水島朝穂教授スピーチ動画(4分36秒)

水島朝穂教授スピーチ書き起こし

水島朝穂教授「早稲田大学の水島です。今、全国憲法研究会の代表をしています。

 さっきから『憲法を守れ、守れ』と言われていると…我々はそれで飯を食っております。飯を食っている人間がここに来ないのは、やっぱりヤバイ、ということで学者の会呼びかけ人ですけど、今日、初めて来まして、感動しました。

 何に感動したかというと、ずーっと砂防会館からデモをやってきた時、今コールしていた彼が(SEALDs奥田愛基さん)が、『民主主義って何だ』って言ったんです。そしたら、その後(みんなが)『これだ』って言ったんですよ。

 それを見た瞬間(思い出したのは)、私は24年前、東ベルリンに住んでいて、壁が崩れるときの一年半前に行きました。あの時、壁を崩した市民勢力が最初、89年の9月4日に、ライプツィヒで権利を求めてデモをやったんです。

 でも、みんな怖くて来なかった。でも1000人が集まった。

 『就職に響くぞ』『大学退学だぞ』…いろいろと秘密警察が脅したんですよ。『じゃあ、月曜日にもう一回集まろう』『ダメだよ、会社クビになるわ』…でもみんな行った。そしたら5000人になってた。

 そして10月2日、2万人になった。10月9日、7万人になった――。

 それを見たベルリンの人たちが『俺たちもやろうじゃないか』と言ったんです。89年の11月4日の土曜日に、アレクサンダー広場という、私が住んでいた目の前にある広場に集まろうと。呼びかけたのは俳優とアーティストと作家です。『おもしろそうだ』ってみんな思った。

 もう一つあるんです。警察にちゃんと許可をもらった。東ドイツはデモをしてはいけないんですよ。でも芸術家の集会だから警察が簡単にハンコを押しちゃった。

 さぁ集まった。100万人が集まった!

 そして弾圧された政治指導者が立ち上がって、『We are the People』って言ったんですよ。俺たちが人民だ、と。この東ドイツの体制は人民民主主義。『ドイツ民主共和国』なんて嘘っぱちじゃないか、俺たちは壁の向こうに行けないじゃないか、行かせてくれ! と叫んだんですよ。

 そしてその11月4日の大デモンストレーションの後、5日後にベルリンの壁が崩れたんです。これはどういうことを意味していますか?

 最初はベルリンの壁は崩れてなかったんです。一番最初は、小さな小さなデモから始まった。でも『定期的に月曜日に集まろうね』と、どんどん膨らんで、ついに100万人になったんですよ。

 私はそこに住んでいて、上から見て、そこには100万人も入れません。『“100万人”は嘘ですよ』と新聞は書いた。当たり前だよ。せいぜい10万人くらいですよ。でも違うんですよ。そこに向かって電車に乗り、車で、徒歩で一杯集まってきた人、ひっくるめて100万人なんです。

 だから、ここにいるのが2万だとか3万だとか、砂防会館に4000だとか、明日の夕刊フジや産経新聞が書くんですよ。でも、その向こうに1000万、2000万の国民が見ているんです。だから8割の国民が納得していないじゃない。

 8割の国民が納得していない政権は、退陣願いましょうよ。

 今日の夜10時から、NHK第一放送、NHKジャーナルに出演してこのデモのことを話します。

 今、新しい民主主義が国会前で始まっている。それはなにか。今まで私が、45年前、高校生でここでデモをやった時、どっちかというと後ろからついていったデモだったんですけど、全然違うの。今日、先頭で、学生といわゆる学者が一緒に歩いたんですよ。

 そして、『民主主義って何だ』って彼らが問うたら、『これだ』と言ったんですよ。私、初めて、憲法やって33年、飯食って来ましたが、今日、初めて、憲法って何だって分かりました。

 これなんですよ。

 俺たちが人民なんです。だから、それに反対するあそこにいる政権には退陣を願いましょう。廃案しかない。廃案しかあり得ない。がんばりましょう」

水島教授が国会前で言いそびれた「メッセージ」

※下記、8月1日追記

 水島教授は一夜明けた8月1日、時間の都合上、国会前で学生たちに言いそびれてしまったというメッセージをIWJに語った。

 「デモに参加したことを理由に、その学生を採用しない企業なんてとんでもない。そんな企業は東ドイツの国営企業と同じ。いずれ滅びる運命です。

 こういうデモに、自発的に参加した学生こそ採用したい、という企業が増えなくてはいけない。このことが、私があそこに集まった学生たちに言いたかったメッセージなんです」

IWJのこうした取材活動は、皆様のご支援により直接支えられています。ぜひIWJ会員にご登録いただき、今後の安定的な取材をお支え下さい。

新規会員登録 カンパでのご支援

一般会員の方で、サポート会員への変更をご希望される場合は、会員ログイン後、画面上部の会員種別変更申請からお進み下さい。ご不明の際は、shop@iwj.co.jp まで。

関連記事


8件のコメント “【スピーチ全文掲載】「憲法で33年飯を食って来たが、今日、初めて何が憲法かが分かった。これなんですよ!」水島朝穂教授がSEALDs集会で熱弁 〜ベルリンの壁崩壊直前のドイツと国会前が今、重なる

  1. 暑い夜、熱い声の記録に感謝します。小さな小さなデモの芽生えが、壁を突き崩すまでに至った東ベルリンの民衆の意思表示。具体的で、力強く、情熱に溢れる憲法学者のメッセージ。IWJが、この日本の民主主義の流れを伝えてくださることに敬意を表します。

  2. IWJさん、ありがとうありがとう!よみながら、観ながら、泣いちゃっています。
    民主主義って何だ、これだ!憲法学何十年やってきて、今日はじめてわかった、っていう水島朝穂先生!みせてくださって、ありがとうございます。
    かきおこしも、映像も、ありがとう!!

  3. 私も、今回、憲法ってなんだと教えられました。50数年前、大学で憲法をまなんだはずなのに。

  4. 日本国憲法9条の2
    日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

    日本国が締結した条約・・・日米安保・・・集団自衛権OK

    確立された国際法規・・・集団自衛権OK

  5. 国民の8割は、ウソでしょう‼️
    少なくとも、私のまわりは、安保法案賛成が9割です。
    と言っても500人くらいですけどね❗️
    思い切って憲法を改憲し、日本独自の憲法を作るべきだと私は思っております。
    GHQが作った憲法では、国を護れません。
    よく左派と言われる方々が仰いますが、外交で戦略を考えれば、侵略なども防ぐことが出来ると❗️
    防ぐことは、出来ませんよ❗️
    侵略や不法占拠も外交手段なんですから。
    皆さんは、GHQの思惑にハメられていらしゃるんですよ。
    アメリカやイギリスなど西洋諸国の歴史を見て見て下さい。
    彼らこそ侵略の歴史ばかりじゃないですか‼️
    奴隷制度を作ったのも白人さんですよ。
    原爆を落としたのも白人さんですよ。
    日本を悪者にする事によって、白人さんのしてきた事を正義としてすり替えてるのですよ‼️
    その為には、貴方の様な左派と言われる方々が必要だったのです。
    GHQの狙いは、日本の国力の低下と愛国心を奪う事です。その為にマスコミの情報規制(プレスコード)が引かれ、教育全般にもGHQの手が加えられ、日本が悪者となっているのです。
    日本は、かの戦争で白人さん達からアジア諸国を解放した英雄なんです。
    その事は、インドネシアの方々や台湾の方々、マレーシアの方々も仰っております。
    貴方がやってることは、日本の国力を低下させることにしかなりません。
    武力無しでは、国は護れません。
    綺麗事では、国は護れません。
    現実をしっかりと見て下さい。
    チベットやウィグル自治区に眼を向けて下さい‼️
    そうすれば、現実が分かるはずです‼️
    長文失礼致しました。

  6. 東武鉄道博物館に創始者の肉筆の訓示が掲示されています。日本の今後のありかたについて憲法遵守の考え方について、実に感慨深いものです。
    皆さん、是非ご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です