「採決欠席の可能性は大いに秘めている」――松野代表らが“維新案”を海外プレスに説明 小林節氏「政府案と議論をしたら負けない自信がある」 2015.7.9

記事公開日:2015.7.10取材地: テキスト動画
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(取材:石川優・原佑介、写真・記事:原佑介)

 違憲の疑いが強い政府の安保法案に対抗し、維新の党は2015年7月8日、独自案を国会に提出した。対案を含めて十分な審議時間を確保するため、与党が打ち切ろうとしている審議の延長を求めている。また、並行審議で政府案と維新案を対比させることで、政府案の違憲性を浮かび上がらせる狙いもある。

 7月9日、日本外国特派員協会で維新の党の代表・松野頼久氏、安全保障調査会長の小野次郎氏が会見を開き、維新独自案の内容を説明した。維新案を審査し、「合憲」だと判断した小林節・慶応大名誉教授も会見に同席した。

■ハイライト

  • 出席 松野頼久議員(維新の党代表)、小野次郎議員(維新の党 安全保障調査会会長)、小林節氏(慶應義塾大学名誉教授)

これまでの制約を維持しつつ周辺で日本を守る外国軍への攻撃には「反撃」

 松野代表は「維新の党は『何でも反対』の政党ではない。日本の野党はそういう体質があるが、今回は我々の考えを独自案として国会に提出することで国民に議論をしてもらおうと思った」と法案提出の意義を語った。

 冒頭、小野氏は、「維新の独自案は3本の法律からなっている」と維新案の内容を解説した。

 「1本目は『領域警備法』で、平時において海上保安庁と自衛隊が連携をとって日本の海の安全を守っていく手立てを定めたもの。典型例は、海保がメインで法を執行するとき、海自がアシストに回るという規定を盛り込んでいる。

 そして2本目が、政府が10本にまとめた法案への対案だ。政府は『存立危機事態』で集団的自衛権を行使するとしているが、要件が曖昧で歯止めがない。『違憲である』という評価を受けている。

 維新案は、条約に基づき、我が国周辺の地域において、日本の防衛にあたっている外国軍に対する第一撃があった場合、それを我が国に対する攻撃と同視できる、という認識で、そういう時に限って日本も反撃する、としている。

 3本目の法律は、日本の国際的な平和貢献に関する法律で、政府案と違い、国連の授権決議があった場合のみに派遣を限定している。『非戦闘地域』というこれまでの制約、『武力行使との一体化』などの制約は自粛を維持するべきだと考えている」

維新は与党になろうとしているのか、野党として共闘するのか

 続く質疑応答では、ロイターの記者が「与党が対案に合意する可能性は薄い。『60日ルール』を踏まえた衆院通過の期限は7月24日と言われているが、法案の採決に維新は参加するのか」と質問した。

 松野代表は「民主党の岡田(克也)代表と法案を共同提出すると同時に『60日ルールは使わない』『国民の理解が進むまで議論する』と合意した。厳密に60日ルールが切れるのは7月30日で、来週にも採決だと新聞では言われているが、維新案をしっかりと取り扱わず、国民の理解を得られていない状態では、採決を欠席する可能性は大いに秘めている」と答えた。

(…会員ページにつづく)

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