「株が上がったら、儲かるのは株を持っている人だけではないんです。年金、保険料をかけているみなさんが、その恩恵にあずかることができるのです」
岡山4区に自民党から出馬した橋本岳候補が12月4日(水)13時5分から、岡山県倉敷市のニシナ百貨店本店前で街頭演説を行い、同党の谷垣禎一幹事長も応援弁士として登壇した。
アベノミクスの効果を強調し、その継続を訴える橋本候補。安倍政権の唯一の切り札とも言える株価の上昇が、年金の安定につながると主張するも、その口調はたどたどしい。
応援に駆けつけた谷垣幹事長は、経済成長を訴え、あくまで野党とは異なるという強い上昇志向を打ち出す。地方にはその恩恵が波及していないとの批判を認めつつも、民主党政権の落日を振り返り、政権を担えるのは自公のみであると主張した。
地方分権を推進するという方針を特に打ち出すこともなく、地域によって異なる事情をふまえ、キメの細かい政策を打ち出していくという難題を「政策担当者の腕の見せどころ」と表現した。
- 日時 2014年12月4日(木)13:05~
- 場所 ニシナ百貨店本店前(岡山県倉敷市)
「株が上がれば年金が安定する」? 「だからアベノミクスを止めるわけにはいかない」?
橋本岳候補(以下、橋本・敬称略)「アベノミクスはいろんな効果が上がっております。株価が上がった。円高が是正された。賃金にもいい影響が出てきています。もちろん、まだまだ2年間しか経っておりませんから、『私のところにはあまり関係がない』という声も聞いています。しかし、せっかく動き出したこの流れ止めるわけにはいかないんです。
三菱重工は、ここから近くにあります。民主党政権の時、ミラージュ(三菱自動車)が発売されました。あれは全部タイで作っていたんです。(岡山県倉敷市)水島は関係ないんですよ。円高だったからです。国外で作ったほうが安く輸入できてよかったからです。
だから雇用が衰退していったのが前の政権でありました。それを是正するために、安倍内閣が100万人の雇用を生み出すことができました。前向きな影響が出ている。そしてそれをさらに力強く進めなければなりません。
『株価が上がったって、株なんて持っていないから、私には関係ない』とおっしゃる方もいます。直接的にはそうかもしれませんが、間接的には違います。株が上がると、皆さんの年金と保険料、そのプールが増えるんです。儲かるんです。そして、皆さんの年金は、より安定して給付をすることができるんです。株が上がったら、儲かるのは株を持っている人だけではないんです。年金、保険料をかけているみなさんが、その恩恵にあずかることができるのです。
そうして、広い意味での経済が回り始めて、皆さんの社会保障も充実できる。だからアベノミクスを止めるわけにはいかないんです」
格差問題は「政策担当者の腕の見せどころ」?
谷垣禎一幹事長(以下、谷垣・敬称略)「自公政権が良かったかどうか、それを問うのが今回の選挙です。民主党政権に欠けていたのは、日本を成長させようということです。偉い学者の中にも、『昔の日本とは違う。日本を成長させることは無理なんだ』と考える方もいます。しかし私はそうは思いません。
このごろノーベル賞を受賞する日本人がいますよね。ああいう人が一生懸命研究し、成果を実用化に結びつけて、国民生活を良いものにしようとするならば、何が生まれるのか。そういう努力をしないで『日本はもう成長できない』と言うのは、違うと思います。
新しい需要というのは、掘り起こせばあるはずです。健康な老後を送るためには、どういう需要があるのか。多くの国民が生涯スポーツを親しめるような環境を作れば、医療費だって安くなるかもしれないのです。そうやって、需要を掘り起こす工夫をして、日本を成長させる、これが自民党なのです。
『貧富の差が開いているじゃないか』という人もいます。日本社会を底上げしていくのが、政策担当者の腕の見せどころです。初めから『貧富の差が開くから、成長はいけない』というのであれば、日本は沈没してしまいます。野党からであっても、批判のための批判には耳を傾けるつもりはありません。『貧富の差が開いたから、こういう手を打ちなさい』という批判であれば、我々は与党として、それを取り入れ、やってしまおうと思っています。
『円高が収まったのは良かった、しかし円安になった。だから海外からの輸出品が高くなって、自分たちの生活も苦しくなった』という人もいます。それも事実だと思います。場所によって、影響の表れが違いますので、一律に同じ政策をやったら同じ効果が表れるということではないのです。
例えば、漁業の町であれば、ガソリンが高くなると、船を動かす燃料費が高くなる。地域地域によって全部違う。そこで、地域にとってきめ細やかな政策を打っていくのが、これも政策担当者の腕の見せどころです。
消費税増税も、先延ばしにすれば済むわけではないんです。あらゆる政策を打って、必ず一年半延期した暁には、『良くなったでしょう、賃金上がったでしょう』と自信を持って言えるようにするのが、我々の責任です。必ずやり遂げます。
振り子のような選挙をやってきました。しょっちゅう政権交代が起これば、政策もくるくる変わり、効果が出てくる前に変わってしまい、成長できません。外国から見た存在感も低くなって、日本はたそがれてしまいます。
民主党は自民党を倒すという点だけでは一致団結していたが、それ以外の点では共通の認識がなかった。だから最後にばらばらとなってしまいました。今政権を担えるのは、自公連立政権しかないんです」