【大義なき解散総選挙】うちわ辞任の自民党・松島みどり前法務大臣が下町で訴え「中小企業なら霞ヶ関の官僚より知っている」 ~谷垣幹事長は徹底した野党批判に終始 2014.12.3

記事公開日:2014.12.4取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ・前園由美子、記事:IWJ・ぎぎまき)

 東京14区から立候補した、前法務大臣の松島みどり候補は12月3日、19時から、墨田区押上駅前で街頭演説を行った。冒頭、有権者に向かって「ご迷惑をおかけした」と「うちわ問題」を詫びる場面もあったが、元経産副大臣として手がけてきた中小企業対策などを力強くアピールし、女性なりの視点も交えながら、下町の有権者に支持を訴えた。

 中小企業にはアベノミクスの恩恵が回っていないと批判する声は少なくない。中小、零細製造業が集中する地域性を考慮してか、応援に駆けつけた谷垣禎一幹事長は、経済政策よりも野党批判を展開。民主党を始めとする野党の体制を「ばらばらだ」と批判し、野党支持者や無党派層を牽制するような演説が目立った。

■ハイライト

  • 日時 2014年12月3日(水) 18:45〜
  • 場所 東京メトロ押上駅(東京都墨田区)

※以下、発言要旨を掲載します

うちわでお詫び「ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした」

松島みどり候補(以下、松島・敬称略)「9月3日に法務大事に就任したが、残念ながら2ヶ月足らずで辞任することになった。期待いただいていた墨田区のみなさん、ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした。

 初心に戻り、原点に立ち返って、墨田、荒川下町のために、日本のために全力で働いていきたい。法務大臣直前、私は経済産業副大臣を務めていた。賃上げが2%を超えたのは、何十年ぶりの大きな快挙。総理を先頭に、茂木元経産大臣、副大臣の私も含めて、儲かった分を従業員の給料引き上げにあてて欲しいと経団連会長に要請した。

 組合活動によるものではなく、自公連立政権が、それぞれの立場でお願いをした結果、今までにない賃上げがされた。でも、まだ足りない。企業は、儲かった分を内部留保で溜め込んで、十分吐き出していない。それを積極的に促していく」

老人ホーム待機者、待機児童解消を目指す

松島「『所得拡大促進税制』というものがある。大企業も中小企業も従業員の所得を拡大するための措置をしたら、法人税をおまけするという制度をつくった。それがまだ十分に使われていない。政策として給料が上がるよう、雇用が増えるようやっている。2年間で全国の雇用が100万人増えた。そのうちの80万人は女性です。

 墨田区の待機児童を減らすための努力も進めている。待機児童はだんだん減ってきたが、老人ホームの待機者は墨田区でも700人近い。今、介護のために、仕事を離れざるを得ない会社員や、老老介護で大変な思いをされている夫婦がいる。老人ホームの待機者をなくすためにも、全力で尽くしていきたい」

経産副大臣時代の功績をアピール「中小企業のことなら霞ヶ関の官僚より知っている」?

松島「景気を良くするため、私は、経産副大臣時代、2つのことを実践した。1つは、それまでは、中小企業の社長が自分の土地や家など、個人財産を担保にいれないとお金を借りられなかった。私の周りでもコツコツと経営されていた方が、会社が駄目になって、住むところを手放したケースをたくさん見てきた。

 これを何とかしたいと、金融庁と中小企業の間でルールを決めて、金融機関が個人保証なしでも貸す、万一、会社が破綻しても、一定のお金は残せるというルールをつくった。これも種をまいたが、ちゃんと金融機関が守ってくれるかどうか、当選し、見定めたい。

 もう一つ、『小規模企業振興基本法』に手を加えた。中小企業のことは霞ヶ関の官僚よりも、私の方が知っていると言って、役人が書いてきた法案に手を加えた。

 今まで、中小企業というのは従業員300人以下を対象にしていた。墨田区や荒川区では、従業員50人もいれば大きな会社になる。5人以下の会社に目配りをする。20人以下の会社を小規模事業と考える。そういった、地域の、防災や防犯、お祭りなどの伝統文化を支えている方々に目配りをした政策をやっていくということを、基本法で作りました。

 円安で大変なことが起きている。輸入食品に関係する食品が値上がりしている。円安は輸出しやすくなるが輸入はしにくくなる。中小企業のみなさんが作っているメッキやボルトなどが原料が高くなったと困っている。これに対する緊急融資制度、信用保証制度を副大臣として作った。

 しかし、もっと抜本的な対策が必要。中小・小規模事業の方々、大規模、中堅企業のサラリーマンに、アベノミクスの効果がきちんと行き渡るようにするのが、私の使命だと考えている」

スカイツリー誘致で規制緩和「埼玉県に持っていかれるところだった」

松島「スカイツリーがあるこのあたりは本当に立派になった。航空法の規制で、200m以上のものは作れなかった。埼玉県に持っていかれる土壇場のところで、過剰規制じゃないかと国交省にかけあい、審議し、科学者が冷静に判断して、規制は必要ないということになった。

 私は法務大臣を谷垣大臣から引き継いで、辞任をしたが、一つだけ種をまいたことがある。強盗罪より、女性に対する強姦罪の方が罪が軽い。これはおかしいと、犯罪被害者の方に会ったり、警視庁と一緒にやっていこうと誓って、役所の中に検討会が立ち上がった。検討会の結論は来年の春に出る。法律改正まで時間がかかるが、この思いを法律にするためにがんばりたいと思っている」

谷垣幹事長「民主党には日本を成長させようという発想が乏しい」

谷垣禎一幹事長(以下、谷垣・敬称略)「野党の時、民主党と対峙していた。民主党の政策や政治、どこに問題あるかと考えた。民主党には、日本を成長させようという発想が乏しい。

 日本は昔のように、バリバリと成長することは無理だと言っている専門家もいる。家の中には物が溢れていて、捨てようという時代。そう簡単にいかないことはよく分かる。しかし、そこで工夫しなきゃいけない。ノーベル賞をもらう学者が日本から出ている。国民生活を良くする技術に、それを実際に応用したら何が起こるか。需要がないと思っていたが、潜在的に需要があるものは、いくらでもある。工夫しないで成長ができないのは、民主党の間違い」

「建設的な批判なら受け付ける」余裕を見せる場面も

(…会員ページにつづく)

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