「捏造に当たる研究不正と判断した」――。3月31日、「STAP細胞論文」をめぐる問題で理化学研究所はこのように結論付け、小保方晴子氏がデータの捏造と改竄を行ったと断じた。また昨日4月7日には、論文の共著者である丹羽仁史氏が、記者クラブ限定で記者会見を開き、「共著者の1人としてこのような事態に至ったことを、心よりお詫び申し上げます」と述べた。
小保方氏がその全責任を負うかたちで、幕が引かれようとしているようにみえる。
しかし小保方氏側は弁護士を通じて4月1日に、「承服できない」とする反論を発表。明日9日にはとうとう小保方氏本人が、大阪市内で記者会見を行うことを発表した。そんななか我々は、小保方氏の代理人である三木秀夫弁護士にコンタクトし、話を聞いた。驚くべきことに、三木弁護士の口から語られた内容は、理研側の主張とはまったく違うものだった。
以下、私の質問と三木弁護士の回答を掲載したい。
「画像の取り違え」は小保方氏の自己申告だった
—【岩上からの質問】——————–
「小保方さんの反論コメント(※)として発表された文書の中に、大事なくだりがあります。『「捏造」と認定された画像の取り違えについて』というくだりです。ここで、『論文1に掲載した画像』について、『単純なミス』であり、『不正の目的も悪意』もなかったと主張され、『この画像取り違えについては、外部から一切指摘のない時点で、私が自ら点検する中でミスを発見し、ネイチャーと調査委員会に報告したもの』とされています。また、『3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています』とも述べられています。
『外部から一切指摘のない時点』で、小保方さんご自身が、ミスを発見したのは、いつのことでしょうか? その日付を証明できるエビデンスはおありでしょうか。誰にも指摘されない時点で、自ら答えを発見し、 『ネイチャーと調査委員会に報告した』という事実も、裏付けをもって示すことは可能でしょうか? この点を確認させて下さい。
もし事実であるとエビデンスをもって示せれば、小保方氏の『不正』は 『悪意のない間違い』であると証明できると思います。この点をぜひ、お答えいただけると幸いです」
—【三木弁護士の回答】——————–
「この点については、調査中間報告書で、『2月20日に笹井氏と小保方から、修正の申し出と、これに関する資料の提供を受けた』『正しい画像に訂正する』と調査委員会に連絡をしていることが、調査結果として報告されています。
これについては、論文について、様々な意見が出てきたことを受けて、小保方自らが論文を精査して、間違いを発見したものです。委員会としては、それまでは、この点は調査対象ではなかったが、申告を受けて、調査対象に加えた旨も記載されています」
この三木弁護士の主張は、調査委員会の最終報告書にもしっかりと記述がある。
「2月20日に笹井氏と小保方氏より、修正すべき点についての申し出とこれに関する資料の提出を受けた。申し出の内容は、論文1の脾臓の造血系細胞から作製した STAP 細胞からの分化細胞並びにテラトーマの免疫染色データ画像の一部(Figure 2d下段中央の1枚とFigure 2e下段の3枚)が、実際には骨髄の造血系細胞から作製した STAP 細胞を用いた画像であること、正しい画像に訂正することを考えているという2点であり、提出された資料はこれらの画像のファイルであった。小保方氏から、それぞれの実験の過程で、脾臓及び骨髄に由来する血液細胞のサンプルに対し、いずれも hemato(hematopoietic:血液系の意味)というラベルを用いていたため混乱が生じ、同氏において画像の取り違えをしてしまったとの説明を受けた。
その後、論文1の画像は、小保方氏の早稲田大学における学位論文に掲載された画像と酷似することが判明した。上記の申し出の際、これらの図が小保方氏の学位論文に掲載されたデータから得られたものであるとの言及はなかった」
執筆者全員のサイン入りの訂正論文の有無
—【岩上から追加の質問】——————–
「追加で、確認させてください。調査報告では、『論文1の画像は、小保方氏の早稲田大学における学位論文に掲載された画像と酷似することが判明した。上記の申し出の際、これらの図が小保方氏の学位論文に掲載されたデータから得られたものであるとの言及はなかった』とあります。
なぜ、2月20日に申し出をした時点で、学位論文のデータであると小保方さんはおっしゃらなかったのでしょうか? おっしゃらなかったからと言って、『自己申告』した事実に変わりはないと思いますが、この点についてなぜなのかをお教えください。
あともう一点、追加でご質問させていただければと存じます。
小保方さんは『3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています』とコメントしておりますが、ネイチャー側は、訂正論文の授受について明言を避けています(※)。
(※)NHKニュースウェブ STAP細胞「存在の真偽 早急に検証を」4月2日 4時20分(該当記事は現在、削除)
事実をはぐらかすこうしたネイチャー誌の姿勢も、話をややこしくしていると思うのですが、共著者全員のサインの入った論文をネイチャーに送った事実は、本当でしょうか? この点についても、確認させてください」
後者について。上記NHKの記事では、NHK側の問い合わせに対し、ネイチャーは「論文の訂正などについてはコメントを控えたい。ネイチャーは今回の論文の問題について真剣に受け止めている」とコメントし、訂正論文を受け取ったかどうかについて、明言を避けている。
我々も同様の問い合わせをしたところ、ネイチャー側は「我々は、ネイチャーに掲載された論文に対して寄せられた問題を真剣に受け止めており、現在調査を進めている。ネイチャーは、懸案の論文であろうとなかろうと、修正や撤回に関してはコメントしない」と回答。NHK記事とは少し異なったニュアンスながら、同じく訂正論文の存在の有無については明言しなかった。
ただ、サイエンス・ジャーナリストの緑慎也氏の取材記事によると、若山照彦教授(山梨大学)が、訂正論文の存在と自身がサインしたことを認めている。
※「STAP細胞」問題、小保方氏以外の「共犯者」とは – 緑 慎也(ブロゴロス:該当記事は削除)
そもそも学位論文に用いた画像から切り貼りしたものではない!?
—【三木弁護士の回答】——————–
「①調査報告では、『論文1の画像は、小保方氏の早稲田大学における学位論文に掲載された画像と酷似することが判明した。上記の申し出の際、これらの図が小保方氏の学位論文に掲載されたデータから得られたものであるとの言及はなかった」とあります。なぜ、2月20日に申し出をした時点で、学位論文のデータであると小保方さんはおっしゃらなかったのでしょうか? という質問について。
⇒調査報告書では、論文に掲載された画像が、学位論文の画像A1とは配置等が異なることから、委員会が勝手に推論して、「学位論文から切り貼りしたはずだ」と解釈して、小保方の説明を、虚偽と認定しているようです。(分かりにくい表現ですが)
しかし、この勝手な推論は誤りであると主張します。
私どもが、本人から聴取したところでは、論文に掲載してしまった画像は、共同研究者間で行われるミーティングに用いたパワーポイント資料に掲載した画像で、
そもそも学位論文に用いた画像から切り貼りしたものではないことが確認できました。
そのパワーポイントの資料には、論文に掲載された画像と同じ画像が掲載されていることも確認しました。その際に、画像の説明文字などに手を加えています。そこから、間違って、今回の論文に載せてしまったようです。
調査委員会は、そういった事実を聞きもせず、勝手に、論文の画像を解析し、学位論文の画像と今回の論文の画像が、配置や文字の色が異なることを検討し、意図的に改変したと断じているようです。そもそも、改変後の写真を、間違ってそのまま載せたものです。今回の論文に載せる際に改変はしていません。
『これらの図が小保方氏の学位論文に掲載されたデータから得られたものであるとの言及はなかった』という点ですが、そもそも、そういった観点での質問は受けていないようです。小保方にしてみれば、これが悪意による捏造と指摘されるとは思ってもいませんでしたし、上記のような委員会の勝手な推論自体を知らないままにきたので、言及しなかっただけです。聞かれていれば、正しい答えをすぐにしていたものと思います。
本人の説明に疑問を持つならば、直接本人に事実確認を取るべきであったと考えます。
反論の機会を与えることもせず、安易に「学位論文から切り貼りしたはずだ」と決めつけたことは、調査委員会の調査が不十分であるとともに、手続保証の観点からも問題があると言わざるをえません。
②小保方さんは「3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています」とコメントしておりますが、ネイチャー側は、訂正論文の授受について明言を避けています。事実をはぐらかすこうしたネイチャー誌の姿勢も、話をややこしくしていると思うのですが、共著者のサインの入った論文をネイチャーに送った事実は、本当でしょうか? という質問について。
⇒ネイチャー側は、どうも、理研の調査の結果を待っているようです。共著者全員の名前で訂正論文をネイチャーに送ったという点は、小保方だけでなく、笹井先生からも、直接に聞きました」
「根本的に『捏造』の定義にあたらない」 ~不服申立てのロジック
さらに三木弁護士は、理研への不服申立てのロジックについても、私あてのメールで説明した。
「調査委が認定した事実『画像が入れ替わっている』ということは認めます。しかし、自ら真正なものを提出して訂正しています。
理研の研究不正の規程では、『捏造』とは、『データや研究結果を作り上げ、これを記録または報告すること』と規定しています。一般的意味でも、『捏造』とは、『事実でない事を事実のようにこしらえていうこと』。
本件は、もともと掲載すべきであった真正画像が存在している以上、『事実でない事を事実のようにこしらえ』る行為はなく、『データや研究結果を作り上げ』た行為も存在しない。そのため、画像の取り違えがあったことは、根本的に『捏造』の定義にあたるものではない。ミスは反省するが、それと、捏造=研究不正とするのは別。
そもそも、真正画像があるのに、あえて違う画像を入れる動機はなく、その取り違えが悪意によるとは、経験則上ありえない」
真っ向から異なる主張 裁判へ発展か
私の取材に対する三木弁護士の回答は、驚くべきものだった。以下、特筆すべきポイントを整理したい。
・「学位論文に用いた画像から切り貼りしたものではないこと」を確認。
・「パワーポイント資料」であり「論文に掲載された画像と同じ画像」であることも確認。
・そして調査委員会は「そういった事を聞きもせず」、「勝手な推論」を組み立てたが、それは「誤り」である。
・また、「学位論文に掲載されたデータから得られたものであるとの言及がなかった」というが、「そもそも、そういった観点での質問を受けていない」とのこと。
これらの話は、今のところどのメディア報道でも確認できていない。三木弁護士は、私の質問で初めてこの事実を答えたのか? それとも、記者会見や個別取材で話しても、他のメディアは小保方氏側の言い分を知っていながら、きちんと報じていないということなのか? また、理研はなぜ、小保方氏一人に責任を負わせる「トカゲの尻尾切り」のような報告を急いでまとめたのか?
謎は深まるばかりである。
そして、これほど主張が食い違うのであれば、理研に対して不服申立てだけではすまず、民事で争うしかないように思える。理研が小保方さんの主張を聞き入れ、最終報告書を修正しない場合、その可能性も考えられる。多くの謎について引き続き取材を進めつつ、この問題を今後も断続的にお伝えしていきたい。
研究不正の規程は,研究所内における日常の研究活動全般にわたって適用されます.
たとえ,共同研究者間のミーティングや勉強会の資料でも,博士論文画像と同じ由来の
画像をSTAP細胞実験由来の画像であると偽って報告すれば,データの捏造であり,不正
になります.(博士論文は,STAP細胞の論文ではない)
この場合,ネイチャー論文投稿以前から,不正を行っていたことになり,悪質です.
この様な言訳は,自ら,常習的な研究不正を自白したに等しく,かえって墓穴を掘って
いるのではないでしょうか.非常に奇妙な弁明です.
さらに,この博士論文画像が,所内の勉強会の資料として使われていたことを,さも新
事実のように語っていますが,これは,山梨大学の若山先生の会見で,かなり前から明
らかになっている事実です.
1.おおまかに1人でてきる文系研究と異なり,理系研究は複数の実験協力者が必要である.共同研究者は同様の研究をしていて,あるていど研究の方法や結果についても通暁していると思われる.共同執筆者の,論文の紙面上の差し替えに騙されたかのような言い分は論争の場所を変えたら通らないであろう.
2.もちろん,筆頭著者に責任があるのは事実である.
3.ただし,報道にあるような怨恨や有名願望や詐称などといった欲望ではなく,本来の目的は別にあったことが見えてくる.
4.理系の科学者は社会的な立ち居振る舞いにあわてることがあるのかなとふと思った.
晴子さんを一人悪者にしようとしてる理研の思惑が見え見え発表の前に理研のチェックはなかったのかとにかく誰かのせいにしたいだけ理研の利権。
IWJが理研の内部事情を聞きだしたのはスクープです。
モーニングバードでの岩上さんのコメントで事実が広く伝わる事を願っています。
4月11日付スイスの有力独語紙ターゲス・アンツァイガー紙は、小保方晴子氏の反論記者会見を報じ、
ハーヴァード大の教授もスタップ細胞の存在を明言している等、公平に書いています。
NHKの報道も見ていますが、結論ありきでバランスを欠いた報道姿勢は目に余ると感じています。
スタップ細胞論文の研究不正は誰が。
スタップ細胞は若山研究室から10年前に京大へ移った大田さんのES細胞ということになりましたが、研究室を出る時に全部持って出たと言うことで、若山研究室の誰も、小保方さんも知らないという結論でした。
然しそれは嘘でした。
日経サイエンス2014 年9月号にこうあります。
”STAP細胞の実験当時,若山研究室には,岡部マウス,129系統マウス,そしてこれらのマウスを掛け合わせて作ったES細胞が存在した。現在,アクロシンが入ったこのSTAP幹細胞について,詳細な遺伝子解析が進められている”
これが結局大田細胞でした。若山研究室にあったのです。
結論から申します。
STAP細胞事件で 、小保方さんは無罪です。
STAP細胞の存在は第三者追試の成功によるもので、現時点では仮説に戻りました。
小保方さんが論文の書き方の上で未熟であったことは、本人も認めておられます。
STAP細胞がネーチャーに載ったのは、胎児胎盤にコミットするという、あのキメラマウスがあったからです。しかしキメラマウス作製者の若山さんは、共著者に連絡もせず撤回理由を書き換えたりしました。それはキメラマウスに疑義が上がって来たからです。STAP細胞がES細胞なら、STAPキメラ、ESキメラ両方あるのはどう説明するのでしょう。
調査委員会はSTAP細胞を大田ES細胞と判定しました。しかし、この細胞は実験当時若山研究室には存在していないということでした。ところが調査報告書14ページに、「実験当時若山研究室に存在した」とあります。又若山さんが理研を出るときに締結したMTAによると、2005年3月B6129F1とあります。これがSTAPの盲点でした。大田ES細胞の事前の登録情報では、129B6F1でした。けれど解析結果はB6129F1だったんです。これは核移植ES細胞 、etESG1、2 でした。
大田ES細胞は若山研究室に存在し、これで若山さんは幹細胞 、キメラマウスを作ったのです。
岩上様是非この事実をお書き下さい。