小泉純一郎元首相が細川護熙候補の応援についたことで、一気に「脱原発」が争点となった東京都知事選挙。宇都宮健児候補の応援演説に駆けつけた翻訳家の池田香代子氏は、「脱原発以外は白紙委任という『シングル・イシュー』は怖い。具体的な政策を知っている人に任せたい」と述べ、宇都宮氏に対する支持を呼びかけた。
(IWJ・原佑介)
特集 2014東京都知事選
小泉純一郎元首相が細川護熙候補の応援についたことで、一気に「脱原発」が争点となった東京都知事選挙。宇都宮健児候補の応援演説に駆けつけた翻訳家の池田香代子氏は、「脱原発以外は白紙委任という『シングル・イシュー』は怖い。具体的な政策を知っている人に任せたい」と述べ、宇都宮氏に対する支持を呼びかけた。
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宇都宮健児候補は1月28日の夕方、吉祥寺駅ロータリーで街頭演説を行った。都知事になって「福祉」に力を入れるという宇都宮氏は、「石原都政から、高齢者が無料だったシルバーパス制度が有料化され、老人医療助成制度も廃止された。また、寝たきりの老人への月額5万5千円の援助制度も廃止になった」と指摘。「これまでの大型開発、大企業・大手ゼネコン優先の都政を変え、福祉を充実させる」と訴えた。
また、「住まいの貧困」にも取り組むと話し、都営住宅に入りたくても入れない人が約20万人いるという現実を紹介。「石原都政、猪瀬都政で14年間建設されなかった都営住宅も改めて作る。都内の75万件の空き家を借り上げ、都民の皆さんに提供する」と話した。
この日は、ドイツ文学者、翻訳家、エッセイストであり『世界がもし100人の村だったら』の著者である池田香代子氏が宇都宮候補の応援演説に駆けつけた。
「宇都宮健児ほど現場を知っている人はいない」と池田氏は語る。「1000人あまりの福島からの避難者と膝をつけ合わせて話した候補は宇都宮健児だけ。日弁連会長として、200本以上の会長声明を出した。その多くは被災者、原発について。何度福島に行ったことか」
さらに、「温和だが、ネゴシエーターでもあり、サラ金問題でも、法律を変えなければいけないとわかったら、法改正に邁進した。法を変えるには国会の与党の皆さんの賛同を得なければならないから、議員一人一人の部屋を回り、説得した。与党の皆さんも、『実は宇都宮健児は大した人物だ』と思っている人が多い」と宇都宮氏の人物像を紹介した。
池田氏は街宣後、IWJのインタビューに応じた。宇都宮氏を応援する理由を「シングルイシューは怖い」からであると回答。「『脱原発意外は白紙委任』というのは怖いこと。具体的な政策を知っている人に任せたい。今一番都内で傷んでいる人たちへの気配りをする人を考えたら宇都宮さんしかいない、と思っている」。
また、今回の都知事選の位置づけについて、「今、日本は大変なとき。グローバル経済をどんどん進めていくと、経済は回るが、お金持ちが大金持ちになるだけ。社会にはお金が回らず、今の子どもたちの世代が一番痛むと思う。今、何とか手を打たなければいけない」。
最後に、「宇都宮さんは具体的に政策を持っている。公約の『最低賃金1000円』というのも、『都が発注する仕事を受けるためには、事業者はそれを守っていなければいけない』と、具体的。当事者の声をこれだけ聞いている人もいない」と宇都宮氏の掲げる政策への期待を語った。