2020年東京五輪 新国立競技場の建設計画見直しを求め、建築家が公開座談会 コンペの不透明性を指摘する声も 2013.11.25

記事公開日:2013.11.25取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ・松井信篤、記事:IWJ・平山茂樹)

 2020年の東京オリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画の見直しを求める公開の座談会が、25日、渋谷区の日本建築家協会ホールで行われた。主催したのは、「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」(共同代表・森まゆみ氏)。

 新国立競技場のデザインは、昨年11月に行われた国際コンペで、イラク出身の建築家ザハ・ハディド氏による流線型の斬新な提案が選ばれた。しかし、このデザインが、東京ドームの約2.6倍となる延べ面積29万平方メートル、高さ70メートル、8万人収容というオリンピック史上最大の規模となることから、建築家の槇文彦氏をはじめ、多くの識者から「神宮外苑の景観を壊す」といった批判が出ている。

■ハイライト

  • 発言者
    • 司会 森まゆみ氏(作家、谷根千工房、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会共同代表)
    • 松隈洋氏(建築史家、京都工芸繊維大学教授、DOCOMOMO Japan代表)、藤本昌也氏(建築家、日本建築士会連合会名誉会長)、日置雅晴氏(弁護士、早稲田大学大学院教授)、平良敬一氏(建築評論家、『住宅建築』相談役)、渡辺邦夫氏(構造設計家、新国立競技場デザイン・コンクール応募者)、森山高至氏(建築エコノミスト)

「このコンペはまずい」

 この日、実際に昨年の新国立競技場のコンペに応募した建築家の渡辺邦夫氏がマイクを握り、審査過程の不透明性を指摘した。

 コンペを主催したのは、新国立競技場建設の事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)。渡辺氏は、JSCが事前に発表したコンペ要項の審査委員会の項に、世界的な建築家として知られるリチャード・ロジャース氏とノーマン・フォスター氏の名前があったことからコンペに応募。

 しかし、審査会が行われた当日、ロジャース氏とフォスター氏は来日せず、審査には参加しなかった。来日していないことをコンペの事務局に電話で確認した渡辺氏は「このコンペはまずい」と直感したという。

 コンペで採用されたハディド氏のデザインについては、JSCの公募条件を大きく逸脱したものであることが分かっている。JSCは公募条件の作成やデザイン選考の過程を公表していない。

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