「福島ではどこが問題だったのか、社会的な意思決定、制度の問題も明らかにした上で改善しないと、我々人類の子孫は生存の危機に直面する」 ~岩上安身による泉田裕彦新潟県知事インタビュー 2013.9.7

記事公開日:2013.9.7地域: テキスト 動画 独自
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(IWJ・安斎さや香)

※全文文字起こしを掲載しました(2013年11月21日)
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 「中越沖地震を経験して、歴史に恥じない決断をしたいという経緯がある」

 新潟県柏崎刈羽原発の再稼働問題で、東京電力の安全審査申請について了解しない方針を貫き、その発言が関心を集めている泉田裕彦新潟県知事は7日、岩上安身のインタビューに応え、福島第一原発事故を始め、2007年の新潟県中越沖地震の際の対応や、原子力行政のあり方について、幅広く持論を展開した。

■イントロ

 2007年の中越沖地震では、最大1.5メートルが地盤沈下し、これにより変圧器がショートして火災事故が起きた。事故の教訓から、泉田知事は「建屋とフィルターベントの施設を一体化させてほしい」と要請しているが、これに関して規制委員会からの説明はないままだという。また、地震の影響でホットラインがつながらなくなったことを受け、周囲に止められながらも「ここで黙ったら人類に対する犯罪だと思った」として免震重要棟を作り、3.11の半年前には福島にもできたことで、最悪の事態を免れたことを吐露。「もしその時に作っていなかったら、東京には人が住めなくなっていたかもしれない」と語った。

 福島第一原発事故の本質について、泉田知事は、「津波、電源喪失はきっかけでしかない。(本質は)冷却機能の喪失」だとし、「止める、冷やす、閉じ込める、これが本質論」だと解説。これに関連して、アメリカでは原発事故が起きた際、軍が2時間で駆けつけて冷却を行う体制が整っていると指摘した。しかし、これに対して日本の規制基準は、「原発の性能基準だけになっている。いざ、事故が起きた時に対応する仕組みがない」と、規制基準が安全性を高めるための基準になっていないことを批判。「事故が起きたらどうするのかを全く決めないで『安全だ』と言う状況で、(東電が)責任を果たせるのか極めて疑問」だと不信感をあらわにした。

 原子力規制委員会設置法4条2項には、「関係行政機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し」とあることから、泉田知事は「規制委員会は政府に勧告できる。なぜ事故が起きたのかを追求するのは規制委員会のはず。田中委員長にはちゃんと答えてもらいたい。答えないのは原子力ムラとつながっているからでは」と疑念を示した。加えて、「原因が何だったか分からない。みんな悪かったねでは済まない。メルトダウンについて、誰が嘘をつけと言ったのか、東電は説明する必要がある」と語気を強め、「誰も責任を取らない、真実も言わない、原因もうやむや。日本の制度自体を見直し、刑事罰を問うて積極的にやっていくことも必要ではないか。福島では何があったのか、どこが問題だったのか、社会的な意思決定、制度の問題も明らかにした上で改善しないと、我々人類の子孫は生存の危機に直面する」と警鐘を鳴らした。

 泉田知事はさらに、安全対策をする重要な根拠として、「日本のプラントを(海外に)輸出して事故が起きたときに、日本が補償する仕組みになっている。使用済み核燃料もどうするのか、これからは引き取ることが前提の契約になるはず」と指摘し、「後世にツケが残ることになる。目の前の電気料金のことが心配なら破綻処理すればいい」と主張した。

 「原子力行政のあり方は日本軍とよく似ている」との岩上の指摘には、「その通り」であるとして、「日本の意思決定の問題。一億総懺悔ではない。責任者はいる」と、日本の体質を厳しく断じた。岩上の「秘密保全法など、情報が開示されない社会になっていくのでは」という問いには、「秘密だから原因を説明しなくていいということにはならない」とし、アメリカのスペースシャトル事故では原因究明がされたことを挙げて、「軍事機密だから言えませんということにはならない」ことを紹介した。

 終盤、岩上が日本に原発が作られた背景を質問すると、泉田知事は「原発はアメリカの世界戦略。結果、原子力の平和利用として始まったが、核兵器展開のための副産物だった」と述べ、「日本が主権国家として意思決定をできているか、疑わしい」と、日本の意思決定能力の欠落にも言及。今後の議論として、「日本は事故の責任を現場に押し付けている。放射能の被害は全て住民にきてしまうことを考えた上で議論すべき」との見解を示した。

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■実況ツイートまとめ


3件のコメント “「福島ではどこが問題だったのか、社会的な意思決定、制度の問題も明らかにした上で改善しないと、我々人類の子孫は生存の危機に直面する」 ~岩上安身による泉田裕彦新潟県知事インタビュー

  1. すばらしいインタヴューです。第2次大戦と原発事故は、国民が見捨てられたという点で酷似しています。日本の政府は、基本的に自分たちが親分、国民は子分、いや奴隷くらいにしか見なしていないのではないでしょうか。それで盛んに「日本を取り戻す」と連呼なさる意味も解明します。平等、自由、基本的人権を国民に保証する今の憲法を嫌悪なさるのも当然。泉田知事のお考えをもっと伺いたいです。今の日本で極めて稀有な、高潔な人格の持ち主であられることはこの短いインタヴューでもよくわかりますが、これだけでは勿体ないです。

  2. 事故原因の究明、責任の明確化は避けて通れません。ウヤムヤにすることは絶対に許されません。泉田知事の頑張りには敬意を表します。他の原発立地県の知事、また柏崎、刈羽の議会も原発マネーに抱き込まれています。悔しいです。恥を知れ!です。規制委員会も何とか再稼働に道筋をつけようとしてますね。
    今月15日には再び、日本の原発稼働ゼロになります。原因も究明されてないのに再稼働は許されません。何のために巨大なリスクを冒さねばならないのでしょうか?泉田さんのいうように我々の子孫のためにも今頑張らねばと思います。

  3. 泉田知事が働きかけで、今回の福島原発事故の半年前に、福島にも免震重要棟が出来ていたという件は、何処からも知らされていませんでした。
    泉田知事は、東日本全滅の事態を防いで下さった大恩人です、大感謝です。
    (只、此処での文言からでは、東電が、泉田知事に柏崎刈羽原発に免震重要棟を作らされたついでに、自主的に福島にも重要棟を建設したとも解釈できるので、福島に作ったのもやはり泉田知事の働きかけの結果であるか否かをはっきりと、書いて下さることをお願い致します)
    いずれにしましてもて、
    東電は”泉田知事の働きかけのお蔭で、福島にも免震重要棟を作っておいたため、何とか今回の事故対応が出来ました。
    なにしろ、オフサイトセンターは全く使い物にならなかったのですから・・・”と
    東電は泉田知事にお礼の挨拶に伺ったのでしょうか?!
    泉田知事は私達の大恩人であります。
    この事実をもっともっと多くの方々に発信したいものです。

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