新潟県の泉田裕彦知事は28日、日本外国特派員協会で記者会見を開き、福島第一原子力発電所の事故をめぐる、原子力規制委員会と東京電力の事故対応を厳しく批判した。
泉田知事は、福島第一原発事故と2007年の中越沖地震の際に発生した柏崎刈羽原子力発電所の火災事故とを比較しながら、福島では未だに課題を積み残したままだと指摘。「事故の総括がされずに原子力行政が進んでいる」と政府と東電の事故対応に懸念を示した。
福島の原発事故後に新たに誕生した原子力規制委員会について、泉田知事は、規制委員会設置法に書かれている役割を担いきれていないと批判した。設置法には、規制委がつかさどる事務は“原子力利用における安全の確保に関すること(第4条)”であり、これを遂行するために“関係行政機関の長に対して勧告することができる(第4条の2)”と定められている。泉田知事は「原発の性能基準の審査のみを任務にして、役割を狭めているように見える」と現在の規制委の対応に疑問を呈した。
また、規制委に対して、炉規法(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)だけではなく、労働法の規制を超える被曝労働など新たな法整備をするように求めたが、「新規制基準に直接関係ない」と突っぱねられたことを紹介。こうした規制委の対応を重ねて批判した。
さらに、東電が汚染水の流出を公表したタイミングについて、泉田知事は「(東電は)選挙の影響をおもんばかって遅らせた。少なくとも、参議院選の前にはわかっていた」とし、漁業関係者への説明を理由に発表を遅らせたとする東電に対して、「意図的な部分はあったと思う」との見解を示した。
泉田知事 未だに未解決の原発の問題点(ソフト、ハード両面)、真実の現状、未解決の課題を具体的に分かりやすくプレゼンテーションしてくださり、ありがとうございます。安倍内閣は、再稼働、原発輸出には熱心ですが、それは大変な誤りです。政府がやるべき最重要最優先課題は、原発の安全性の解決であるはず。ところが、やっと汚染水問題に対してのみ最近コメントしたに過ぎません。総理は、東京電力福島第1原発の高濃度汚染水漏れ問題について「東電任せにせず、国として緊張感を持って対応していく必要がある。政府を挙げて全力で取り組んでいく」と。この会見が世界の注目を集め、日本の原発の安全問題解決に役立つことを信じています。
知事の言われたことは全くの正論だ。
生の発言を聞けて良かった。