前原外相会見 2010.10.5

記事公開日:2010.10.5取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2010年10月5日(火)15時、東京都千代田区の外務省本庁舎において、前原誠司外相による記者会見が開かれた。

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 会見では、中国が尖閣諸島の領有権を主張している問題に関連し、記者から「菅総理がベトナムとの首脳会談を行ったが、南シナ海で中国と領有権を持つ国々との連携を図る考えはあるか」と質問がなされたのに対し、前原外相は「ASEANの国々や他のアジアの国々とは、様々な形で連携を取っていくし、様々なテーマについて、より連携を強めていきたいと考えている」と述べた。また、別の記者から、「尖閣諸島領有の歴史的経緯をもっと啓蒙していく考えはあるか」との趣旨の質問が出たことに対し、前原氏は「しっかりと日本の立場を詳しく説明することは大事」と答えた。

 ロシアの政府高官が北方領土を訪問している問題について、前原大臣は「北方領土は日本固有の領土である。我々はこの問題を日露間の外交問題の大きなひとつとして、しっかりと話をしていかねばならない」と述べた。一方で、「日露間で協力できる分野はしっかり協力をしていき、その実績と信頼関係の中で平和条約を結んでいく」という考えも述べた。

 パキスタンに派遣された国際緊急援助隊が、法律の制約により武器を持たない「丸腰派遣」といわれる状態であったことについて、記者が「今後、国際協力の拡大に当たって、武器の携帯や武器使用基準について見直す考えはあるか」と質問したのに対し、前原外相は「内閣府の東祥三副大臣から、今後前向きに検討したいという申し入れがあったので快諾した。今後、副大臣レベルで議論をしていくことになる」と回答した。

 沖縄駐留米軍基地に関する質問も出た。閣僚が普天間移転問題で「おわび」を述べていることに対し、記者が、「沖縄の人々はおわびではなく、問題の解決を求めている。鳩山前政権で沖縄担当大臣としても関わった前原大臣の立場から、なぜ辺野古に戻ったのかということの説明が一切なされてないことに対する不満が、沖縄の中で存在する」と述べ、さらに、「辺野古に戻ったから『申し訳ないがこれを進めていくよ』ということではなく、『なぜ辺野古に戻らなければならなかったのか』ということを率直に説明してほしい」と求めた。これに対し、前原外相は、「私は、今まで仲井眞知事に話をしているし、岡田前外務大臣や平野前官房長官も話をしているが、知事は納得されていないのだと思っている。我々は、引き続き経緯やプロセスについてもしっかりと話をすることが大事と考えており、納得していただけるまでしっかりと話をしていきたいと考えている」と答えた。

 民主党の小沢一郎元幹事長に関する質問も飛んだ。小沢元幹事長に対し、検察審査会が2度目の起訴相当の議決を出し、強制起訴されることが決まったことについて、「今後の国会審議に与える影響や、小沢元幹事長本人や党執行部が処遇に関して、どのような判断をすべきだと考えているか」との問いに、前原外相は、「検察審査会制度は、国民の目線に立って、国民から選ばれた人々が判断する仕組みだという認識を持っている」とし、「今回の『起訴相当』は、小沢さんの今までの政治と金の問題について『納得できていない』という国民の声を反映したものと、我々は真摯に受け止めなくてはいけない」と語った。その上で、「裁判を通じて、小沢さんは自らの考えをしっかりと述べていただきたい」と語った。

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