「マルクスやレーニンがどう言おうが、労働者がイエスと言わなくては何も変わらない。電車だって止まる。それが民主主義」――。
政府が行おうとしている憲法改正や原発輸出に対して抗議の声を上げる人々は、2013年8月15日(木)13時から、東京都中野区のなかのZERO小ホールで「8.15労働者・市民のつどい」を開いた。登壇者のひとりは、「権力の排外的な思想などに負けずに、99パーセントの人々で連帯して頑張ろう。敵は各国の権力側にいる1パーセントの支配層。世界で連帯を」と訴え、自民党の改憲案に対しても抗議の声を上げた。
- 登壇者
キム・ミンホ氏とキム・ギホン氏(民主労総ソウル地域本部/韓国から)、佐藤幸子氏(いのちのせんたくひろば代表/福島から)、西川重則氏(平和遺族会全国連絡会代表)、森川文人氏(弁護士)、石井真一氏(動労水戸委員長) ほか
- 主催 戦後50年を問う8.15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
葉山岳夫弁護士による主催者挨拶のあと、7月の参議院選挙で東京選挙区から立候補して当選した、山本太郎氏の選挙ボランティアに参加した学生が登壇。山本氏が当選したことの意味を語りながら、「労働問題と改憲の問題は繋がっている。改憲に前のめりな現政権に対して、それぞれの職場で不条理に対する声を上げる必要がある。現在、一人ひとりが実際に闘うかどうか、が問われているのだと思う」と述べた。
続いて佐藤幸子氏が、正しい情報を伝えようとしない政府、マスメディアについて、「日本では、事実を知った上でそれぞれが考え、行動するという、当たり前の事ができない。福島の状況に対して、国は安全だと言い張るだけ。真実を伝えてほしい」と話した。そして、「人類が生きていくために何をすべきかを、原発事故は教えてくれた。これ以上、過ちを繰り返してほしくはない。過去は変えられないが、未来は変えられる。自然に感謝し、考え、行動しましょう」と呼びかけた。
全学連委員長の織田陽介氏は、3.11以降、責任を負わず、再稼働を進めようする電力会社を批判し、「社会のあり方を変えていかないといけない。マルクスやレーニンがどう言おうが、労働者が首を縦に振らなかったら、何も変えることができない。今こそ、労働者や民衆が世界的に連帯し、闘っていくことが求められている。労働運動と市民運動が繋がることができれば、反原発運動をリードしていける」と語った。
森川文人弁護士は、安倍政権の改憲、戦争への策動、原発の再稼働の動き、アベノミクスの破綻を問題視し、1%の富裕層が99%の人間を支配する新自由主義的な構図に照らして、「私たち99%の怒りを、(権力側の)1%にぶつける反乱が始まった」と述べ、市民による団結の必要性を説いた。西川重則氏は、政治家たちの靖国参拝、政府の戦争に対する歴史観の問題点について触れた。石井真一氏は、JR東日本による被曝車両の再運用に対して、動労水戸を中心として総力でストに立った時の様子、その運動が水戸から郡山に拡大していった動きを報告した。
キム・ミンホ氏は、韓国の労働環境の実態を説明した。その上で、「マスコミなどを通して接してきた、日本の同志たちの国鉄民営化反対、憲法改悪反対、原発反対の闘争には、深い共感を持っている。環境破壊と大量殺傷破壊の要因となる原発の廃止を訴え、軍事国家を目指す憲法改悪を強力に糾弾する」とし、次のように述べた。「同志と共に、国際連帯を拡大していきたい。労働者、民衆が主人公になる世の中を勝ち取っていきましょう」。
動労千葉委員長の田中康宏氏は「3.11以降、多くの人が、嘘とペテンに満ちたこの国の問題に気付きはじめている。世の中を動かしているのは、腐り果てた政府やマスコミでなく、われわれ労働者である。団結して、今起こっている現実に立ち向かう必要がある」と話した。NAZEN東京の北島邦彦氏は「原発再稼働の動きが加速する中、廃炉のための闘いは、安倍政権、新自由主義との闘いでもある。原発を止める力は、労働者の団結にある。共に闘いましょう」と訴えかけた。