岩上安身によるインタビュー 第61回 ゲスト 「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」 2010.11.1

記事公開日:2010.11.1取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

 2010年11月1日(月)、岩上安身が、前田恒彦元検事を特別公務員職権濫用で告発した「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」へ緊急インタビューを行った。

 今回、告発状を提出する経緯、その告発状の内容、受け渡しの様子などを語った。また、サポート会員のみ公開の動画には、告発状を提出した時の模様も掲載した。(「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」のメンバー撮影)

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 岩上が「昨日(10月31日)、ツイッター上で本日、検察へ告発状を渡すと告知をし、さきほど検察に提出してきた「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」の皆様を、急きょ、インタビューすることになった」と前ふりを語り、市民の会のメンバーが各自、自己紹介をした。

 岩上はじめ、メンバー同士も、昨日、ツイッターでの呼びかけに応じて集まり、初対面だ。また、今日、参加していないが、他のメンバーには、弁護士、有識者も多いという。

 岩上は、まず、郵政不正事件の元主任検事で、FD改ざんで起訴されている前田恒彦元検事を、特別公務員職権乱用罪で、告発することになった経緯を訊いた。

 この会の代表を務め、歌手で作家の八木のぶよ氏は、「前田元検事は、証拠隠滅罪という、軽い罪状で起訴されている。かたや村木局長は、5ヶ月間の収監、社会的制裁も受け、不釣り合いすぎる。検察は、ない罪をでっち上げた。

 かつ、従来のえん罪事件より悪質で、レベルが違う。日弁連の弘中弁護士の、証拠隠滅ではない、という意見も知った。村木局長を有罪に貶めようとしたこの事件は、黙っていてはこのままで消えていく。なんとかしないと日本は、たいへんなことになる、という危機感から立ち上げた」と応じた。

 岩上は「最高検は、10月中、伊藤次長検事、池上刑事部長が交代で記者会見をした。そこで自分も、弘中弁護士の発言を引用して、特別公務員職権乱用罪のことを訊ねた。すると、伊藤次長検事は、できるならやってみろ、という挑発的な態度だった」と意見を挟んだ。

 八木氏は「前田元主任検事の告発を、ネットで問いかけたら、信じられないほど、たくさんの人たちから賛同をえた」と述べ、岩上はそれについて「日本人は、行動しない、考えを表に出さない、消極的と言われがちだが、そういうことはない。なにかキッカケがあれば、大きく動く。それで、告発状は、普通、郵送で送るものだが、直接、持参した。それで検察では、どんな態度だったのか」とその様子を訊いた。

 八木氏は「霞が関で、みんなが集まって検察庁前に向かった。すると、いきなり守衛に、『写真は撮るな、階段前までは、法務省の敷地だから、出ろ』と注意されたという。「係員に要望を伝えると、その場で告発状を受け取って去ろうとした。もちろん名刺も渡さないし、IDカ−ドも見えないように裏返しにしていた。それで、これはないだろう、ということで押し問答をした結果、庁舎内の面談室に入れてもらえた。

 そこで担当者から、名刺はもちろん出さないし、告発状の受け取り書も規則で発行はできない、と言われた」などと、提出する一連の様子を語った。

 また岩上は、他のメンバーたちに気持ちを訊いた。

 「失敗も成功も考えず、まずはやってみる。ようやく、その一歩が始まった」、「個人的に、生きてきて今までで一番、おかしな気配を感じる。ネットでも同様な雰囲気がある。だから今、やらないと後戻りできなくなると思った」、「村木局長は、161日間、収監された。かたや前田主任検事は、証拠隠滅罪だと2年以下、特別公務員職権乱用罪だと、10年以下の懲役だ」と答えた。

 岩上が「証拠隠滅罪だと、FD改ざんのことしか、罰していない。無実とわかっていたのに、有罪に仕立て上げようとしたことを立証できるか。検察全体としての認識があったことを、証明できるか。と主張すれば捜査をしてもらえるキッカケになる」と話すと、八木氏は「今後、この市民の会は、前田検事だけではなく、検察審査会の問題などもこれから、追求していく」と語った。

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