2012年4月6日(金)、東京都千代田区の国民新党本部で行われた、亀井静香氏・亀井亜紀子氏による緊急記者会見の模様。
(IWJ・原)
2012年4月6日(金)、東京都千代田区の国民新党本部で行われた、亀井静香氏・亀井亜紀子氏による緊急記者会見の模様。
■ハイライト
亀井静香氏は、国民新党が混乱した状況となったことに対し、代表として大変な責任を感じるとし、亀井亜紀子氏とともに国民新党離党を表明。「国民新党代表のまま、国民新党を離党する」と語り、あくまで連立維持を主張した他6名の所属議員の「代表変更手続き」に則った形ではないことを主張した。
亀井亜紀子氏は今回の離党の原因を、消費増税法案を巡る分裂だけではないという。「(国民新党は)志を一つにする政党だったが、結党メンバーが入れ替わり、議員の質が変わったと思う。確かに規約や党則に不備はあった。総会の位置付け等もあるべきはずかもしれないが、そもそも立ち上げ時、5名の議員を集めるだけでも大変な状況だった」と説明。今回のような幹事長の招集する総会や代表解任手続きを想定すらしていなかったようだ。
亀井静香氏は「無所属の一議員となったが、永田町の今の議員だけに任せておけないという状況が溢れている。日本の政治を一新したい」としながらも、「間違いなく無所属の議員がいくらいても政治は動かない」と述べ、「志あるものが一つの政党として集まるのは当然。そんなに遅くないだろう」と、新党結成の可能性ありとの姿勢をみせた。
【以下、全文書き起こし】
急遽会見をお願い致しまして、お集まり頂きまして、ありがとうございました。只今を以て国民新党から離党を致します。
6年半前に綿貫先生を代表として、亀井久興先生、長谷川憲正先生、田村先生、5名で結党致しました。その後、日本の良き文化、伝統を破壊していく市場原理、市場主義と必死になって戦ってきた国民新党であります。ちっちゃな党でありますが、その間、民主党、社民党と共に自民党政権を倒し、返済猶予法案、また零細共済事業が継続出来るための法案をわが党が中心になってこれを作り、また外国人参政権について、夫婦別姓法案について国民新党がこれに対して反対をし、わが党が連立の中に存在しなければ必ず成功した、その2法案の成立も阻止をして参りました。
結党以来、一丁目一番地と位置づけて、いつの日か、いつの日か、国民生活、国家にとって大事な郵政事業、これをきっちりと見直していく国民新党にとっての悲願でもあります。いままでわが党は党の名誉も名も伏せてこれをどうしても成立させるということで頑張って参りました。おかげさまでユニバーサルサービス、また国家の責任をきっちりと維持出来る法案として、議員立法として今国会において間違いなく100%成立が出来る状況に持ってまいりました。
そうした状況の中で、国民新党は一貫して民主党との連立の重要な部分である『消費税増税をやらない』と、国民に対してそれを約束し続けておる中で、残念ですが民主党が、またそこから出ておられる野田総理がこの30日にこれを今国会で提案をするという閣議決定に踏み込まれる状況になり、我々としては国民との約束を破るわけにはいかない。郵政法案はお陰さまで今国会で間違いなく成立する状況の中で、国民との約束を党として守りぬく、という判断の中で、わずかな議員でありますが、私もここの議員の意見を聞き、また議員総会においても皆さん方の意見も聞き、29日に議員総会で『皆さん方の意見はいろいろあるけれども、連立を解消するという決断をする』と。
そのことを総理に通告に行くということで29日の夜8時に参り、総理に対して閣議決定をすることを思いとどまってくれませんかという再三の説得を2時間にかけて致しました。残念ながら、どうしてもおやりになるということでありますので、国民新党は連立を解消するということを通告を致しました。
しかし、私は国民新党から内閣に出ている議員が消費税増税以外の問題について、郵政改革、また被災からの復興、原発対策、また外交等に対して、全力を挙げて頑張っており、それに対しての強い情熱を持っている状況を知っておりますから、総理に対して『うちから出ている議員を評価してるんですか?大変よくやってくれているということでありますから、それでは総理、わずか8名の党でこういう対応をすることは辛いことではありますが、連立は解消しますが、無所属という身分で引き続いて、総理、仕事をさせて頂けませんでしょうか』とお願を致しました。総理は、それはダメですとおっしゃる。再考願います、と申し上げたんですが、いまOKするわけにはいかないと。じゃあ一晩検討するとおっしゃって翌日の朝7時半に再会を約して翌日、お会いしました。『やはり、無所属で働いてもらうということは出来ない』ということでありますので『残念でありますが、最終決定であればやむを得ません』ということで15分ぐらいで公邸を辞したわけであります。
そうした経緯を辿った後、私どもは『与党という立場ではなくても国家が、国民が大変な状況に置かれておるとき、党として可能な限りの努力をしよう、いままでとは立場が違っても』ということを所属議員にも話をしてきたわけでありますが、残念ながらこんなちっちゃな党でありますが、党内が大変な混乱に陥りました。現在も続いております。もう、日本の政党政治、どうなったのか。もう、政府が連立を離脱した党に対して党内介入とも思えるような、政権を解消している党に対する対応を続けられている。私は総理に対しても幹事長に対しても何度もいまの政府の対応、民主党の対応は間違っているんじゃないですか、ということも申し上げました。ところが、一向にそれも改まらない状況で現在も進んでおります。
私はこうした混乱の状況に党を置いていることに対して、代表として大変な責任を感じます。国民の皆さんに党員の皆さま方に対して、申し訳ないという気持ちでいっぱいであります。私はこのまま、国民新党におるべきではないと。国民新党代表のまま、いま私は離党をするわけであります。以後はもちろん代表ではありません。いままで寄せられました国民の皆さん、党員の皆さん、党職員の皆さん、辛い思いもしていただいて、いまもしていただいておる。心から感謝を申し上げたい。このように思います。
私はいまから国民から選ばれた一議員としてこのままではアメリカ大陸、中国大陸の狭間で秋津島、沈んでいく。私は大変な危機感を持っております。それは私だけの危機感ではありません。いま日本で、この日本をどうにかしようと、中央の政治だけには任せてはおけないと、そうした声が湧き上がっております。そうしたエネルギーを結集して、この日本が再び元気になり、大変ないまの世界の状況を救っていける力強い日本として、いまから日本が立ち直っていくために一兵卒として全力を挙げて頑張っていくつもりであります。
こんな若輩な男でありますが、今後とも皆様方の強いご指導とご支援を心からお願いを申し上げまして、長くなりましたが、まず私のほうから挨拶を。あとは、亜紀子先生。
司会「では、続きまして、亀井亜紀子政調会長より、お願い致します」
結党時から国民新党に関わっておりますが、昨日を以って私が知っている国民新党はなくなりました。先ほど、綿貫前代表にご挨拶をしまして、それから同じく、この政党を立ち上げました私の父親、亀井久興とも話を致しまして、いまのこの国民新党は国民新党ではないと。従いまして、綿貫代表に『亀井静香元代表と私と国民新党を離党します』ということを申し上げたときに『国民新党じゃないんじゃない?』と言われました。
(…会員ページにつづく)