被曝労働環境是正を求め、市民と関係省庁が議論。話は平行線 ~被曝労働に関する関係省庁交渉 2013.6.20

記事公開日:2013.6.20取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年6月20日(木)13時30分より、東京都千代田区にある衆議院第一議員会館にて、被ばく労働に関する関係省庁交渉が開催された。この会合は、事前に、渡されていた11項目にわたる要請書をもとに、各省庁担当者からの回答と、質疑応答の形で進められた。それは、労働相談、多重派遣、偽装請負の摘発、労災職業病や賃金未払いなどの発生状況、労働者の被ばく線量管理など労働環境、労働被ばく者への環境改善を求めた内容だ。質問になると、各省庁のあいまいな答弁に、原発労働者の環境を改善しなければ、原発労働者は安心して働けない、と問いつめる場面も見られた。

■ハイライト

  • 13時30分~14時30分
    ・放射線審議会および緊急作業に向けた法整備について 〔原子力規制委員会委員会〕
    ・放射線被ばくによる東京電力による賠償ないしは労災保険による補償や被ばく線量超過による雇用問題に関する周知啓発について 〔文部科学省〕〔厚生労働省〕
    ・福島第一原発の事故収束作業に従事する労働者の被ばく線量管理 〔経済産業省〕〔厚生労働省〕
  • 14時30分~16時00分
    ・内部被ばく記録を2mSv裾切り問題 〔経済産業省〕〔厚生労働省〕
    ・福島第一原発などにおける労働相談の充実に向けて 〔厚生労働省〕
    ・多重派遣、偽装請負の摘発と根絶に向けて 〔厚生労働省〕
    ・福島第一原発における労災職業病や賃金未払いなどの発生状況 〔厚生労働省〕
    ・福島第一原発における緊急作業従事者等の長期的健康管理 〔厚生労働省〕
    ・被ばく線量管理制度の改正と健康管理手帳 〔厚生労働省〕
    ・メンタルヘルス対策について 〔経済産業省〕〔厚生労働省〕
  • 参加省庁 厚労省、文科省、経産省、人事院、原子力規制委員会
  • 参加団体 ヒバク反対キャンペーン、原水爆禁止日本国民会議、特定非営利法人アジア太平洋資料センター(PARC)、福島原発事故緊急会議被爆労働問題プロジェクト、全国労働安全衛生センター連絡会議、原子力資料情報室(告知

 原子力規制委員会の北村国際放射線専門官の交渉会見から始まった。内容は「放射線審議会および緊急作業に向けた法整備について」。まず最初に、北村専門官は緊急作業従事者の被曝線量を250ミリシーベルトとした声明が、2011年3月26日、放射線審議会から出された経緯について、「当時、丹羽太貫会長代理(元放医研)が草案し、各委員にメールを送り、確認をとった」と答えた。また、同委員会の田口専門官が「当規制委員会では、緊急時の作業員の被曝管理において、一人ひとりについて審査はしない。これらは電力会社の責任でやることになっている」と回答した。

 そして、北村専門官は「緊急時の作業員の被曝管理は、基本的には各省庁が、それぞれの所管に基づいた法整備で管理基準を設けているので、そちらに問い合わせていただきたい」とした。田口専門官は「原子炉等規制法では、電力会社に対して、100ミリシーベルト以下になるよう指導するにとどまる。(要望書に記載された)放射線管理記録のために、放射線管理手帳を発行することは考えていない」と述べた。

 また、北村専門官は「放射線審議会は、各省庁の諮問を受け、放射線障害の防止のための技術的手順、安全基準の策定をし答申する、と法律で決められていた」と述べた。質問者が「では、ICRPの基準は、どこから諮問を受けたのか」と尋ねると、北村専門官は「諮問は受けていない」と答え、質問者は「ICRPの基準は、多様な評価がある。それを検討するための審議会ではないのか」と指摘した。

 交渉参加者は「過酷事故を想定した、緊急時における作業員の被曝基準などの法整備は、どの省庁も検討していない。だからこそ、規制委員会が、各省庁をとりまとめて審議すべきだ」と問いただしたが、規制委員会側は、縦割り行政であることを理由に、最後まで言葉を濁し、堂々巡りの質疑応答で時間切れになった。

 文部科学省、厚生労働省との交渉会見に移り、「3の放射線被曝による東京電力による賠償ないしは労災保険による補償や被曝線量超過による雇用問題に関する周知啓発について」では、まず、文科省原子力災害賠償対策室担当官が回答した。「損害賠償の情報については、ネット以外での周知活動を進めている。また、ADRセンター(原子力損害賠償紛争解決センター)の紹介を考えている」と話した。

 続いて、厚労省労働基準局労災補償部補償課担当官は「放射線被曝と労災に関する周知活動に関しては、昨年リーフレットを配布した。また、東電は、新規入所者への安全教育の場で労災保険の説明も行っている」と答えた。

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