『なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク』による青森県庁への申し入れ 2013.3.27

記事公開日:2013.3.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部玲)

 2013年3月27日(水)13時から、青森県青森市の青森県庁で「『なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク』による青森県庁への申し入れ」が行われた。県庁議会棟1階の議員面会室に於いて、同ネットワークの代表者から、三村申吾青森県知事に対する要請・質問書が、県の担当者に手渡された。内容は「さよなら原発・核燃 3.11青森集会」で採決されたもので、核燃再処理工場の停止や、核廃棄物の受け入れ停止などが含まれている。

■全編動画

  • 日時 2013年3月27日(水)13:00~
  • 場所 青森県庁(青森県青森市)

 要請文・公開質問状の提出の際に、なくそう原発・核燃、あおもりネットワークの代表者より、内容の読み上げが行われた。要請文は、第1に「専門家によって、東通原発敷地内にあると指摘されている活断層調査を、至急、県でも責任をもってやるべきである」、第2に「核燃再処理をしてプルトニウムを作っても、使う原発が現在は不透明。再処理工場を動かすのは問題であり、中間貯蔵施設の意味が失われている。六ヶ所村の施設を停止させ、フルMOX燃料の大間原発の建設も停止すべき。停止中の東北電力の東通原発、また、計画中の東京電力の東通原発も、永久に運転中止させるよう求める」、第3に「このままでは青森県は核のゴミ捨て場となってしまう。最終処分法がはっきりしない状況にあって、フランスからの廃棄物の受け入れはせず、核廃棄物は電力会社に返還する、と知事に宣言してほしい」というものであった。公開質問状については14項目あり、時間の関係から質問内容は省略し、「後日、文書で回答してほしい」と言い添えられた。

 これに対し県の担当者は、「公開質問状については要望通り、後日、文書で回答する」と返答。要請文第1の活断層の評価については、「県としても安全第一と考えているが、原子力規制委員会の安全確認が前提となっており、対応状況を注視している」と述べた。第2については、「去る1月17日に改めて現政権に確認したところ、茂木経産大臣より『核燃サイクルは、引き続き継続する』との明確な回答があった。国民全体が共有する問題であり、国には責任を持って対応してもらいたいと考えている」と回答。第3については、「もともと一時貯蔵という約束であり、仮置き場である。事業者とは覚え書きを交わしており、そういう事態になれば、粛々とそれに沿って対応する」と応じるのみであった。

 市民側からは「大間原発はMOX燃料であり、今度は、MOXの加工工場を新たに作らないといけなくなる。これまでも、再処理施設建設だけで2兆2000億円も投じており、できもしないことにお金をどんどん費やしていくのは不道徳である」という指摘がなされた。県はこれに対し「この計画は大変な広がりがあるもので、国策である。完成はしていないが、後戻りせず完成に近づけていく、ということなので、県としても協力していく。事業所の対応状況を見守っていきたい」と述べた。

 市民たちは「県は『国に任せればいい』ということではないはず。県民の安全性を守るために、県として、安全性をどう確認するのか?」と重ねて問いただしたが、県は「第一義的には国、つまり原子力規制委員会が決定するもので、新安全基準の策定を見守る」という立場を崩さなかった。

 「もし福島の事故のようなことが青森に起きたら、被害対策はどのように考えられているのか」との質問には、「福島のことは不幸なことだったが、これからは起きないように、ということ」と答えた。これに対し、市民側は「起こらないことを前提とするのではなく、起こることを前提とするのが、県民の生命、財産を守るということではないのか」と、不満を表明した。

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