2023年9月27日(水)午後3時より、大阪地方裁判所前の集会と、その後、大阪市中央公会堂での「ノーモア・ミナマタ 第2次近畿訴訟 判決日」記者会見が行われた。
大阪地方裁判所において9年間の審理を経て、昨年12月に結審したノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟の判決が、9月27日午後3時、202号大法廷で言い渡された。チッソの工場排水中に含まれたメチル水銀で汚染された不知火海産の新鮮な魚介類を、日常的に食卓に載せて食べ続けていた住民は、数十万人に及んでいる。
これまで7万人余りが何らかの形で救済を受けてきたが、水俣病被害を少なく見せようとする国・熊本県、チッソの患者切り捨て策のため、未だに救済されていない慢性水俣病の患者がいる。全国で1600名余りが原告となって、地元熊本の他、東京地裁、大阪地裁で救済を求めて裁判をしている。大阪地裁の判決は、その最初の判決になる。原告は129名、漁業の崩壊や集団就職などで地元を離れて、近畿地方、中部地方、中国地方に移住してきた被害者たちだ。
手足のしびれ等の感覚障害に苦しめられてきたが、水俣病との診断さえ受けることができず放置されてきた被害者たちだ。受診しても原因不明と言われ、自分が水俣病であることの自覚さえ奪われていた。
大阪地裁に続き、熊本地裁の裁判は9月に結審し、来春以降に判決が予定され、また加害企業は異なるが、同じ水俣病の被害者が新潟地裁で裁判をしており、その裁判も今年10月には結審して来春に判決が予定されている。
このように9月から来春以降、水俣病被害者の救済にかかる判決が連続する。公式確認から既に67年以上の年月が経ち、被害者も平均年齢が75歳を超え、今や水俣病被害者の救済は人道上の課題だ。
国、熊本県、チッソの責任において、すべての水俣病被害者の救済のために、早急に協議を実施させることが重要な課題となっている。初となる近畿訴訟の判決は、解決に向けて極めて重大な判決となった。