2022年1月12日午後2時より、東京・衆議院第二議員会館にて、立憲民主党・西村智奈美幹事長の定例会見が開催された。
会見冒頭、西村幹事長は、定例会見に先立って開催された立憲民主党第40回常任幹事会での決定事項についての報告を行った。
「文通費国庫返納に向けての資金プール」や「新たな『まん延防止等重点措置』の適用決定を受けての方針」等が決定されたが、その詳細については、全編動画にてご確認いただきたい。
続いて、「Choose Life Project(以下、CLP)」に関する問題について、以下のとおり報告があった。
「『CLPに関する立憲民主党の支援』という件について、私が、代表より、調べるようにというお話もございまして、この間、旧立憲民主党の会計に関する決裁資料などを確認し、また、当時の福山幹事長、および、事務局に聞き取り調査を行いましたので、その結果をご報告差し上げたいと思います。
まず最初に、広告代理店および制作会社を通じて、2010年3月から8月までの分として、4回の請求が党にありまして、同年8月から10月にかけて、合計1500万8270円の支払いが、立憲民主党から広告代理店に対してなされておりました。
最後の支払いについては、広告代理店から、9月1日の請求でありまして、10月1日に支払いがなされています。旧立憲民主党が9月に解党しておりますので、この請求については、新立憲民主党から、福山前幹事長の決裁において、支払いが行われておりました。
立憲民主党がCLPに対して支援を行った経緯は、福山前幹事長の出されたコメント、および、CLPの佐治共同代表のコメントにおいて触れられており、また、聴き取り等の、私が行いました調査において、同内容であるということを確認致しました。
すなわち、『フェイクニュースや、あまりに不公正な差別が横行する状況に対抗するための新しいメディアを作りたい』というCLPの考え方に、福山前幹事長が共感し、番組制作・運営のための支援を行ったということ。そして、ネット配信の内容や出演者等、番組編成に関して、党が影響を与える意図はなく、実際に、一切、番組内容等に関する要求は行ってはいないこと。以上は確認致しました。
実際の支援としては、2020年3月に支援が開始されて、同年7月にCLPが法人化して、公共のメディアを作るとして、クラウドファンディングを開始することになったことから、協議の上、同年9月を以て、党からの支援は終了することとなりました。
なお、CLPの行ったクラウドファンディングについては、CLPでの検討から実施までを含めて、党としては一切関与していません。上記の内容を踏まえまして、現執行部としては、本件の支出は違法なものではないものの、公党として、3つの観点から、適切ではなかったと考えております。
一つは、特定のメディアに公党が資金を提供したにもかかわらず、そのことを公表せず、その出処を隠していたのではないかとの疑念を持たれるものであったこと。
二つ目は、そもそも、特定のメディアに党が資金を支援することそのものが適切であるか、議論があること。
三つ目は、立憲民主党・CLPの両者において、公党からの支援が適切なものであるのかについて、支援の開始がなされた時、あるいはCLPが公共のメディアを作るとした理念をまとめた際等、その妥当性について、組織として議論検討した形跡がないことであります。
以上により、CLPに関わったジャーナリストの方々をはじめとする多くの方々、そして、国民の皆さまに疑念を与える結果となったと認識しております。この点については、反省をすべきだと存じております。
今後の対応策についてですけれども、今後は、支出の妥当性などのチェック体制を組織として、確実に実施するとともに、党内ガバナンス機能の点検を行って参ります。資金の使途だけではなく、メディアとの適正な距離感を保ち、国民の皆さまに、疑念を抱かれることのないように努めて、類似の事案が発生しないように致します」。
その後、質疑応答では、まず、CLPを除いた案件についての質疑となり、IWJ記者は、「オンラインギャンブル」の問題について、以下のとおり質問をした。
「オンラインギャンブルの問題について質問します。ネットを通じて金銭を賭けるオンラインギャンブルが問題となっています。
海外で認定され運営されている賭博に日本から参加し、掛け金を出すことについては、法制度化されておらず罰則規定がなく野放し状態です。
実際昨年の、年末に行われた総合格闘技の試合では、日本からネット上で海外の賭博にお金を賭けていた事をSNS上で動画として流していた事案がありました。また、その格闘技では、八百長疑惑も上がっており、今後は、八百長の試合に海外のギャンブルにお金をかけることもでき、反社会的勢力の資金源や、マネーロンダリングにつながる恐れもあります。
日本から海外の賭博にネット上でお金をかけることの法整備の必要性について、どのようにお考えですか?」
これに対し、西村幹事長は次のように回答した。
「今いただいたお話については、ぜひ、研究をさせていただきたいと思っております。実態把握も含めて、研究をさせていただきます」。
その後、CLP問題についての質疑応答となり、IWJ記者は次のとおり質問した。
「この問題について、CLP側は、弁護士や研究者など外部の専門家に報告書の作成を依頼するとしていますが、立憲民主党も第三者に調査や報告を委ねるおつもりはあるでしょうか?
あと、もう一点、現在、本件について、福山前幹事長は会見などを開いていないと思いますが、党として、福山前幹事長の会見を今後、開催する予定はおありでしょうか?」。
西村幹事長は次のとおり回答した。
「まず、我々の今後の調査のあり方ですけれども、先ほども申し上げましたが、前の体制ですね、新立憲民主党になってからの前の体制で、類似支出があったという調査結果は出ておりませんけれども、なお、幹事長部局で現在確認中でございます。
なかなか、取引内容に関わることでもあり、内容も非常に細かいものですから、少し時間がかかっておりますけれども、そこは確認中でして、第三者委員会などを設ける予定はございません。
また、福山前幹事長の会見ということですが、これはご本人のご判断にお任せをしたいと思います」。