2021年6月23日、「森友学園」文書改竄問題で自殺に追い込まれた近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが国に賠償を求めた訴訟の口頭弁論が大阪地裁で行われた。その後、原告代理人の弁護士による記者会見が開かれた。
代理人の生越(おごし)照幸弁護士は、「口頭弁論では、提出されたのは、原本をコピーしてマスキングをかけたものだが、これがほんとうに赤木ファイルなのか、原本との同一性はどうなのかという問題提起した」「(原本を)見せてくれ、と」と述べた。
しかし、生越弁護士は「我々代理人が原本を見ることは国も受け入れがたいと我々も考えた」として、「『裁判所に現物を提出してくれないか』と。裁判官に、本当にすべてコピーされているのか、全体を見てもらうという提案をした」と続けた。7月の次回協議では、国からこれに対する回答があるだろうとのことである。
同じく代理人の松丸正弁護士は、「(賠償請求の焦点である)赤木さんの心理的負荷の強度は、今回の赤木ファイルで明らかになってきた」「佐川(宣寿)理財局長(当時)から、国会答弁を踏まえた上で作成するよう指示があったとか、かなり具体的なことが出ている」と一定の評価をした。しかしその一方で、「『別添資料にもとづいて局長説明を行いました』と書かれたメールに、別添資料が付いてないなど、欠けた部分もある」と欠陥を指摘した。
松丸弁護士はさらに、「赤木ファイルは2月16日から始まっている。翌日の2月17日に安倍(晋三前総理)さんの予算委員会での答弁があった。だから、赤木さんは、改竄の出発点はここから始まっているという認識だ」と述べた。