医師二人がALS患者に薬物投与して殺害!?「嘱託殺人」の疑いで逮捕!大西つねき氏がした主張「命の選別」が現実に広がり始めている!間違えてはならない!「安楽死」は殺人である! 2020.7.25

記事公開日:2020.7.25 テキスト
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(IWJ編集部)

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特集 ナチスと同じく、生命の選別をしようとする者ども! 大西つねき、大久保愉一、山本直樹、成田悠輔、松井一郎、馬場伸幸、植松聖、麻生太郎!! 彼らの思想も政策も許さない!
※これは日刊IWJガイド2020.7.24日号~No.2871号に掲載された記事を加筆・修正したものです。

 京都市に住む一人暮らしの50代のALS(筋萎縮性側索硬化症)女性患者から「安楽死」の依頼を受けたとして、宮城県と東京都の医師二人が京都の女性患者の自宅でこの女性に薬物を投与して殺害。京都府警が23日、この二人の医師を嘱託殺人の疑いで逮捕した。

 複数の大手メディアの報道によると、昨年11月、容体が急変して搬送先の病院で死亡した女性の体内から、普段使用していない薬物が見つかり、警察が捜査を進めたところ、防犯カメラに二人の医師が映っていたとのことだ。

 二人はこの女性の主治医ではなく、SNSを通じて知り合ったとみられています。この女性は24時間介護が必要な状態だったとみられており、周囲に「安楽死させてほしい」と話していたとも報じられている。

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「宮城県の医師」は、安楽死の法制化を訴えるなど、優生思想の持ち主

 その後の京都新聞の続報で、最初に報じられた「宮城県の医師」が、元厚生労働省の医系技官だったことがわかった。また、二人のうちのどちらかは明らかにされていませんが、一人はネットに「高齢者は見るからにゾンビ」などと投稿。高齢者医療は社会資源の無駄だと主張し、安楽死の法制化を訴えるなど、優生思想の持ち主であったということだ。

 ALSは進行性の難病で、筋肉の運動をつかさどる神経が障害を受け、脳からの伝達が伝わらなくなることで徐々に筋肉がやせて力が弱くなっていく。その一方で、視力や聴力、体の感覚や内臓機能は通常のまま保たれる。れいわ新選組の舩後靖彦議員が重度のALS患者であることはよく知られている。

 今回の京都の事件では、死亡した女性が安楽死を依頼した可能性があるとのことだが、詳細は捜査とその後の裁判の結果を待つしかない。

1995年横浜地裁の判決で、松浦繁裁判長が示した「医師による安楽死の4要件」

 過去には1991年に、神奈川県伊勢原市の東海大学医学部付属病院で、入院中の末期がん患者の家族が治療の中止を希望し、担当の内科医が治療を中止した上で薬剤を注射し、患者を殺害した「東海大学病院安楽死事件」が知られている。

 1995年の横浜地裁で出された判決では、松浦繁裁判長が「医師による安楽死の4要件」を提示し、この事件が積極的安楽死には当たらないと判断して、医師に懲役2年、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。

 判決で示された積極的安楽死の4要件は

1.耐えがたい肉体的苦痛があること、
2.死が避けられずその死期が迫っていること、
3.肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし他に代替手段がないこと、
4.生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があることである。

 とされている。

▲横浜地方裁判所(ホームページより)

舩後靖彦参議院議員の声明「『死ぬ権利』よりも『生きる権利』を守る社会」にしていくことが、何よりも大切」

 昨年の参議院選挙でれいわ新選組から初当選した舩後靖彦議員が、重度のALS患者として注目された。

 その舩後議員は、れいわ新選組から参院選に立候補した大西つねき氏が自身の動画で「命の選別発言」をしてれいわを除籍処分になった際、記者会見で次のように述べている。

▲大西つねき氏(IWJ撮影)

 「大西氏は『障害者やその他の社会的弱者を対象にしたものではない』との趣旨のことをおっしゃっています。しかし、そこで一度、大西氏の言うように、順番として、高齢の方からという線引きを許してしまえば、その対象はあらゆるところに広がっていきます。

 最初は高齢者、次は障害者、難病患者、稼げない人。私は進行性の難病があり、人工呼吸器を使わなければ、寿命が尽きています。大西氏の表現する順番どおりで言えば、すでに 線引きの対象にされていたでしょう」

▲舩後靖彦参議院議員(ホームページより)

 また舩後議員は、この事件を受けて23日、ホームページに以下のように見解を発表した。

 報道を受け、インターネット上などで、「自分だったら同じように考える」「安楽死を法的に認めて欲しい」「苦しみながら生かされるのは本当につらいと思う」というような反応が出ていますが、人工呼吸器をつけ、ALSという進行性難病とともに生きている当事者の立場から、強い懸念を抱いております。なぜなら、こうした考え方が、難病患者や重度障害者に「生きたい」と言いにくくさせ、当事者を生きづらくさせる社会的圧力を形成していくことを危惧するからです。

 私も、ALSを宣告された当初は、出来ないことが段々と増えていき、全介助で生きるということがどうしても受け入れられず、「死にたい、死にたい」と2年もの間、思っていました。しかし、患者同士が支えあうピアサポートなどを通じ、自分の経験が他の患者さんたちの役に立つことを知りました。死に直面して自分の使命を知り、人工呼吸器をつけて生きることを決心したのです。その時、呼吸器装着を選ばなければ、今の私はなかったのです。

 「死ぬ権利」よりも、「生きる権利」を守る社会にしていくことが、何よりも大切です。どんなに障害が重くても、重篤な病でも、自らの人生を生きたいと思える社会をつくることが、ALSの国会議員としての私の使命と確信しています。

2020年7月23日

参議院議員 舩後靖彦

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