政府が自衛隊中東派遣を閣議決定!事実上の「参戦」の始まりを国会審議も経ずに!! 米国の有志連合には参加しないと言いながら米中央海軍司令部に連絡要員を派遣!? 2020.2.1

記事公開日:2020.2.1 テキスト
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(IWJ編集部)

特集 中東有志連合構想|特集 中東|特集 野党合同ヒアリング―カジノ法案・イラク日報隠蔽疑惑・教育現場不当介入・その他
※この記事は2019年12月28日発行の日刊ガイドに加筆・修正したものです。

 2019年12月27日、政府は海上自衛隊の中東派遣を閣議決定した。

 防衛省は現在ソマリア沖のアデン湾で海賊対策にあたっているP3C哨戒機を使い、年明け1月下旬に活動を始めるほか、護衛艦「たかなみ」を2月上旬に派遣し、2月下旬から活動を始める予定である。

▲護衛艦「たかなみ」(海上自衛隊ホームページより)

 活動範囲はオマーン湾、アラビア海北部、アデン湾の3海域の公海上で、防衛省設置法にもとづく「調査・研究」目的であり、武器使用は認められないとされている。

 今回の活動範囲からはホルムズ海峡より内側にあたるペルシャ湾は除外された。これは緊迫度が高い海域であることや友好関係にあるイランへの配慮とのことである。

 また、今回の派遣は日本独自のものであり、米国主導の有志連合には参加しないとのことであるが、バーレーンの米中央海軍司令部には連絡要員の自衛官が派遣され、相互に情報が共有されることになる。

 期間は来年12月26日までの1年間となるが、再度の閣議決定で延長することも可能である。

 政府は中東への自衛隊派遣について「中東情勢の悪化」を理由としてあげているが、具体的な説明はない。

石破茂元防衛相が武力衝突が発生した場合の法的正当性の担保について苦言を呈するも、他の与党議員は「勇ましい」発言に終始

 10月に自衛隊の中東派遣について議論が行われた自民党国防及び外交部会合同会議では、石破茂元防衛相が「自衛隊員の立場を考えなければならない」「派遣は(防衛省設置法ではなく)自衛隊法で位置付けなくてよいのか」と、自衛隊員の活動の正当性や、万が一武力衝突が発生した場合の法的正当性の担保について苦言を呈した。

▲石破茂衆議院議員(IWJ撮影)

 しかし、他の多くの議員は、米国の有志連合への参加や武器使用を認めることなど、集団的自衛権行使や安保関連法案改正などを根拠にした「勇ましい」発言に終始した。

法的正当性未整備のまま、自衛隊派遣を繰り返す危険性に専門家が警鐘を鳴らす

 万が一の突発的事態に対する法的正当性を整備しないまま、米国の顔色をうかがうように自衛隊派遣を繰り返す危険については、東京外国語大学の伊勢崎賢治氏や元内閣官房副長官の柳澤協二氏が繰り返し批判している。

 下記の岩上安身によるインタビューをぜひご覧いただきたい。

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