「平和の少女像」展示に「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」と京アニの悲劇を悪用した卑劣な脅迫!企画展は8月3日で中止に! 脅迫者を責めずに展示関係者に謝罪しろと迫る河村たかし・名古屋市長は脅迫者サイドに立つつもりか!? 2019.8.4

記事公開日:2019.8.5 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 8月1日から10月14日まで続く、愛知県の名古屋市や豊田市など複数の会場で行われている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、企画展の一つ、「表現の不自由展・その後」が、開催3日目の8月3日限りで中止になった。

 「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏によると、この企画展は「日本の公立美術館で、一度は展示されたもののその後撤去された、あるいは展示を拒否された作品の現物を展示し、撤去・拒否された経緯とともに来場者が鑑賞することで、表現の自由を巡る状況に思いを馳せ、議論のきっかけにしたい」という趣旨だったということだ。

▲表現の不自由展・その後(あいちトリエンナーレ2019 HPより)

 この「表現の不自由展・その後」は、2015年に美術評論家や編集者ら有志が実行委員会を作り、東京都内のギャラリーで開いた「表現の不自由展」の「その後」として、2015年以降に規制された作品を加えたもので、10月14日の芸術祭終了まで展示される予定だった。

 展示には2012年に東京都美術館で展示されながら来館者の指摘により撤去された、韓国の彫刻家キム・ソギョンさんとキム・ウンソンさん制作で、第二次大戦中の韓国人従軍慰安婦問題をモチーフにした「平和の少女像」のほか、政治家の靖国参拝を批判して東京都美術館から撤去か改変を求められた中垣克久さんの作品などが含まれていた。

▲キム・ソギョンさん、キム・ウンソンさん制作の「平和の少女像」の一つ(あいちトリエンナーレ2019に展示されたものとは別のもの、Wikipediaより)

 韓国の新聞「ハンギョレ」は、芸術祭の開催直前に津田氏に取材し、「日本ではこの造形物の名前が平和の少女像であり、慰安婦像ではないということすらあまり知られていない」「どのような経緯で製作され、どのような意味があり、なぜ(2012年の提示当時、レプリカが)撤去されたかを、客観的な事実とともに示したいと思っている」「実物を見て判断してほしい」などの津田氏のコメントを伝えながらも、「愛知県は日本の中でも保守的地域の一つとされる。これを受け、日本全国の市民数十人が交代で展示場を訪れ、右翼の妨害に対応する予定だ。日本国内では安倍政府の対韓貿易規制に賛成する世論が高まっている。少女像は最後まで展示されるだろうか」と記事を締めくくっている。

 「ハンギョレ」の、最後まで展示されないかもしれない、という懸念は的中した。

 芸術祭開催直前の7月31日以降、事務局へはテロ予告や脅迫を含む電話が殺到した。

 「表現の不自由展・その後」は、表現の自由の尊重を訴える試みであるはずなのに、卑劣な脅迫と激しいバッシングを受けて中止に追い込まれ、日本の現状がまさしく「表現の不自由」状態にあることをまざまざと見せつける結果となってしまった。

記事目次

河村たかし・名古屋市長が「平和の少女像」を「日本国民の心を踏みにじるもの」だと誹謗中傷し、大村秀章・愛知県知事に撤去を要請! 松井一郎・大阪市長が河村氏に連絡したことを表明「われわれの先祖が、けだもの的に取り扱われるような展示物」と非難! 河村氏の背後に維新あり!

 8月2日には、会場を視察した芸術祭実行委員会長代行の河村たかし・名古屋市長が、「平和の少女像」を「日本国民の心を踏みにじるもの」だと誹謗中傷し、芸術祭実行委員会長の大村秀章・愛知県知事あてに少女像の撤去を求める要請書を提出した。

▲河村たかし・名古屋市長(河村たかし氏HPより)

 この河村市長の視察については、日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長が2日の会見で、自分が河村氏に連絡し「展示が問題だ」と指摘したことを明らかにした。松井氏は会見で「われわれの先祖が、けだもの的に取り扱われるような展示物を国民の税で展示されるのは違う」と記者団に語った。

 政治団体「減税日本」代表である河村市長は、先の参院選で日本維新の会と合同で候補者を擁立するなど、維新とは深い関係にある。

 芸術祭の運営費は総額12億円で、愛知県が6億円、名古屋市が2億円を負担している。さらに芸術祭は文化庁の補助事業に採択され、2019年度末に愛知県に7800万円が交付される予定だ。

 菅官房長官は補助金の交付について、2日の記者会見で「決定に当たっては事実関係を確認、精査した上で適切に対応していく」と、慎重に判断する考えを表明した。

芸術祭3日目に大村知事が企画展中止の会見! 「撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する」!? 京アニ放火事件を連想させる卑劣なテロ予告まであった! 脅迫はれっきとした刑事犯罪であり、同調者は共犯!

 8月3日、実行委員会の大村知事はメイン会場の愛知芸術文化センターで「表現の不自由展・その後」の中止を発表する臨時の会見を開き、「(少女像を)撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する」という、京都アニメーション放火事件を連想させるFAXも送られてきたことを明らかにした。

▲大村秀章・愛知県知事(大村秀章氏ツイッターより)

 大村知事は「(管轄である)東警察署とはすでに情報共有して対応しております」と、警察に届けたことを明らかにしている。

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  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    これ幸いとばかりに中止を決めたのではないか。

    「平和の少女像」展示に「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」と京アニの悲劇を悪用した卑劣な脅迫!脅迫者を責めずに展示関係者に謝罪しろと迫る河村たかし・名古屋市長は脅迫者サイドに立つつもりか!? (link: https://iwj.co.jp/wj/open/archives/454891)
    @iwakamiyasumi
    https://twitter.com/55kurosuke/status/1158148055591354368

  2. 志田 匠 より:

    >>「こういう展示をすれば、相当に強烈なリアクションが来ることを想定し、
    >>覚悟を決めて対応を準備したうえで決行したんだと思いきや……。甘い見通しで
    >>冒険をして、脅しに屈する形で全面撤退して、ますます日本の表現の自由を
    >>めぐる状況を後退させるという、最悪の展開」

    確かにその通りですね。 一方で例の産経新聞・加藤達也が、当時のパククネ大統領が
    不倫していた旨の韓国タブロイド紙・引用記事を掲載したために逮捕された際には、
    なぜか国内メディアこぞって「表現の自由に対する侵害(笑)」と喚き散らしたのも
    記憶に新しいところです。特にTV・新聞の大手メディアは、表現の自由の
    意味を少なくとも100回くらいは自問自答してもらいたいところです。

  3. 志田 匠 より:

    >>「日本ではこの造形物の名前が平和の少女像であり、慰安婦像ではないということすら
    >>あまり知られていない」

    重々承知の上で、各メディアともあえて報道も拡散もしていない可能性がありますね。
    あの池上彰もTVではっきりと慰安婦像と言ってました。しかも感情に任せて声の大きさや
    勢いだけで相手を蹂躙しようとする傾向は、断じて看過してはなりません。

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