住宅支援打ち切り問題に対する市民会議による交渉および署名提出 2012.12.10

記事公開日:2012.12.10取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2012年12月10日(月)、福島県が、新規避難者の住宅支援受付打ち切りを各都道府県に要請した問題で、原発事故子ども・被災者支援法市民会議による交渉と署名提出が、福島県庁の生活環境部避難者支援課で行われた。福島在住の被災者団体、県外に避難した人たち、全国の支援団体が参加し、住宅支援打ち切りの撤回を要請した。

■全編動画
※動画データ変換時のトラブルにより、映像と音声にズレがございます。

  • 日時 2012年12月10日(月)
  • 場所 福島県庁生活環境部避難者支援課(福島県福島市)

 「今回の支援打ち切りに対して、福島県としての意向を踏まえ、尊重した」とする厚生労働省の見解について問われた、福島県生活環境部避難者支援課長の野地誠氏は、「福島県が、一方的に打ち切りの意向を示したわけではない。支援打ち切りには反対し、来年の3月までの延長を求める意思表示もした」と述べ、県としての意向ではなく、厚生労働省に従う形での結論であることを説明した。

 帰還、移住、避難、それぞれが選択肢として、残されるべきであり、その選択肢が切り捨てられることに対して疑問を感じている、という声があることに対し、野地氏は「県内自主避難と、帰還の受け皿を残す中でのセットで決断したものである」と述べた。

 国に対して、支援の要請をし続け、できないのであれば、その繋ぎを県として行うべきである、という意見に対しては、「新規の避難者に対する住宅支援法の要望を出してはいるが、現行制度の中での対応は難しい」と答え、新しい法律の中で、対応していくというコメントに留め、繋ぎの対応については言及を避けた。

 県の対応について、「国のせいにするのではなく、県として住民を守ってほしい」という声が挙がり、満田夏花氏は「今回の説明では納得できない」と述べて、実施されていない支援法を盾にとり、現行制度の打ち切りを進めることに対して疑問を呈した。

 その後に行われた記者会見で、宍戸ちか氏は「県内に残るという選択をしても、妊娠期間中だけ県外に移住する、という選択肢もあってよいのではないか」と述べ、「選択肢が失われていくことによって、福島から見捨てられた、という気持ちの引き金になり、福島に戻りたいという気持ちも削がれてしまうのではないか」と危惧した。

 中手聖一氏は「避難、移住、帰還という選択肢を用意し、個々人の自己決定を尊重するべきである。被災者支援のあり方を福島から発信していくべきであり、福島がうしろ向きであることが一番いけない」と述べた。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です