2019年1月31日、橋下徹・前大阪市長がホスト役をつとめるAbemaTVの冠番組『NewsBAR橋下』に国民民主党の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表がゲスト出演し鼎談の収録が行われ、2月7日午後11時から配信された。
配信された番組では、45分あたりで司会の高橋茂雄(お笑いコンビ・サバンナ)氏から、橋下氏の政界復帰について話を振られた小沢代表は、「橋下さんはぜひ国政に出るべきだと、かなり前、何年も前に2〜3度言った」「今も決断してもらったらいいと思っている」と発言。玉木代表は「橋下さんは安倍総理をある程度評価しているが、ポスト安倍になってくる」とまで、語った。
さらに、小沢氏は「橋下さんは二大政党制の考えを持っている。ぜひ、その中心となってほしい」と述べた上で「全野党をまとめるリーダーと、やるならそうしなきゃ。実務は我々がやるから、国民に対するアピールの面で役割を果たしてほしい」と、熱烈なラブコールを送った。
番組収録が終了直後、気になる鼎談内容について、取材したフリージャーナリストの横田一氏の「橋下さんは政界復帰に前向きなのですか?」との問いかけに玉木代表の秘書は、「小沢さんが橋下さんに秋波以上に、(政界復帰のラブコールを)明確に送っていました」と証言し、さらに玉木代表が「かめはめ波を送っていました」と明かした。
横田氏が「『野党のアタマになってもらいたい』とか、そんな感じですか?」と重ねて聞くと、玉木氏は「まあ、いろいろな話をしましたね」とぼかしていたが、実際にオンエアされると、「全野党をまとめるリーダー」になってもらいたいと言葉にしているのだから、それ以上である。
一方、自由党の小沢代表は、2月5日の定例記者会見で、「具体的な話に及んだわけではありません。『野党がしっかりせい』という結論になったかな」と述べた上で、「諸君がニュースにするほどの話ではありません」と、会見に臨んだ記者たちを牽制するかのように答えた。
実際には、フタを開けたらご覧のとおり、あの「橋下徹」氏に「全野党をまとめるリーダーに」などとおだて上げていたのである。オトボケが過ぎるというもので、小沢氏や自由党の支持者の間でも、動揺は避けられないだろう。
結論から言えば今回の3者による野党結集の話には賛同しませんし、期待もしません。自民党に対抗する政党としての理念や政策、私たち国民に向かってどのような政治をしてくれるのか明確に話をしていません。特に橋本氏には、大阪市長として行ってきた教育政策や右寄りな言動やポピリスト的な言動には危険なものを感じます。二大政党論には賛同しますが、単に反安倍首相という雰囲気だけで結集しても離合集散を再び繰り返すことになることを恐れます。自民党の経団連や商工会議所など財界を中心にした政党ではなく現在の平和憲法を遵守し、国民生活や市民活動に寄り添った理念や政策を掲げて結集した政党を作り上げることが必要と考えます。小沢氏には政界のドンとしての二大政党作りの裏方で期待しますが、玉木氏にはリーダーとして期待できません。