2012年12月10日(月)15時30分、文化放送にて「夕やけ寺ちゃん活動中」の生放送が行われた。岩上安身は、北朝鮮ミサイル発射延期や公職選挙法に関わる日本維新の会、橋下徹代表代行のTwitter上での発言、食の安全が脅かされる築地市場移転問題などについて語った。ゲストとして、原発問題、福島の取材を精力的に行っている、おしどりの二人が出演した。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
特集 築地市場移転問題
2012年12月10日(月)15時30分、文化放送にて「夕やけ寺ちゃん活動中」の生放送が行われた。岩上安身は、北朝鮮ミサイル発射延期や公職選挙法に関わる日本維新の会、橋下徹代表代行のTwitter上での発言、食の安全が脅かされる築地市場移転問題などについて語った。ゲストとして、原発問題、福島の取材を精力的に行っている、おしどりの二人が出演した。
■ハイライト
「今日の夕刊読み比べ」では、北朝鮮ミサイル発射延期に於いて、技術的な問題や寒波の影響、中国を始めとする国際社会の予想以上の反発への考慮等、さまざまな見方がされていることについて、岩上は「いくらなんでも寒波の影響は織り込み済みではないか。これは軍事的な実験ではなく、16日の総選挙、19日の韓国大統領選が控える中で、駆け引きの手段としての、政治的なデモンストレーションだと思う」と話した。
野田総理の選挙事務所が、公示日に、船橋市や習志野市の街頭で、メッセージビデオを流したことによって、公職選挙法との指摘を受けたことについては、「仮にペナルティがあるとしても、重いものではない」と述べた。一方で、日本維新の会の橋下徹代表代行が、Twitter上で、「公職選挙法に抵触する恐れがある」と自ら発言した問題については、「橋下さんは弁護士であり、この問題については専門家である。Twitterをやるという事は、公職選挙法に引っかかるということを理解した上で、それでも、あえてここまでやり続けて騒いでいる。これは炎上マーケティングならぬ炎上選挙戦術と揶揄されてもしょうがない」と指摘した。
続いて、「本音と建前」のコーナーは、石原慎太郎前都知事が推し進めた築地市場移転問題をテーマに取り上げた。「なぜ、築地を豊洲に移転しようという話になったのか」という寺島氏の質問に対して、岩上は「2兆円とも言われる再開発利権への欲求が根っこにある」と述べた上で、環境学会の前会長、畑明郎氏の「豊洲に移すと、日本史上最大の公害問題になってしまう」という発言を挙げ、豊洲の東京ガス工場跡地が、検出されてはいけないヒ素や鉛、水銀カドミウム、基準値の4万数千倍の発がん性物質ベンゼンが検出されている汚染地域であることを指摘した。
岩上は「石原さんは築地について、古い、狭い、危ないと言い、地震の危険性も指摘しているが、3.11の地震の後、建物はびくともしていない。そもそも、関東大震災の時に、日本橋からわざわざ移転してきた経緯もあり、地震には強い土地である。一方で、豊洲は汚染レベルが酷く、液状化もしている。移転するにしても、少なくとも食べ物を扱ったら駄目だ」と警鐘を鳴らした。
また、都知事選において、築地移転に賛成を表明している候補者が多い点については、「この問題が争点化されていないことが問題。この市場から、各地に魚を流通させるという点で、全国的に大きな影響が出る。食の安全に責任があるはず」と述べた。
おしどりをゲストとして招いた「編集長は見た!」のコーナーでは、水俣へ取材に行ったおしどりが「今回の原発事故後の国の対応は、水俣病の被害者への対応と似ている」と話した。それに対して、岩上は「水俣病の問題を追求すると、国家や国内企業の権力に突き当たるが、原子力の場合は、国内だけで解決しない。国際的な原子力ムラ、産業の利益があって、そこを仕切っているのはアメリカ。脱原発を目指すことは脱米ということである。この点が、放射能汚染と公害病との大きな違いである」と指摘した。
また、アスベスト被害の問題に関連して、岩上は「アスベストが使われ続けた理由は、建材として安く、使い勝手が良かったから。被害が出て、国内で規制を厳しくできるなら、改善の見込みがある。怖いのは、TPPに入ってしまうと、国内規制が徹底的に撤廃されることだ。グローバル資本が、公衆衛生を考えないで、儲かるものをどんどん使っていくのを、国内で規制をかけることができない体制が生まれてしまう」と、TPPの恐ろしさについて警鐘を鳴らした。