2018年10月24日(水)に、司法記者クラブにて、豊洲新市場用地取得に関する公金返還請求訴訟 口頭弁論期日後の記者会見が行われた。
この公金返還訴訟は、東京都民である原告らが、東京都知事に対し、東京都が豊洲新市場予定地を購入した2011年当時の東京都知事・石原慎太郎氏を相手として土地取得額である約578億円の損害賠償を請求するように求めるものである。
同日14時から東京地方裁判所103号法廷で予定されている口頭弁論期日においては、補助参加人である石原慎太郎元知事の反論書面が提出された。また、口頭弁論後には、非公開の進行協議期日も行われた。
原告弁護団事務局長・大城聡弁護士は「10月11日付で補助参加人準備書面が、石原元知事側から提出された。実は、10月9日が書面提出の約束の日だった。一行目に『本日、平成30(2018)年10月11日、豊洲市場が開場した。』と、強調されてアンダーラインが引いてある。これほど裁判を馬鹿にしたものはない」と語った。
続けて大城氏は怒りをあらわにしながら、こう述べた。
「裁判所としては、豊洲が開場したから問題が解決したわけではないし、裁判の争点はあくまでも、平成23年の売買契約締結時に、この価格で買ったことが適切かどうかですよと、法廷でしっかり確認ができた。
補助参加人の、開場したからもういいだろという思惑が、透けて見えるかのような書面が提出され、この感覚自体が司法を馬鹿にしているし、都民を馬鹿にしていると言わざるを得ない」
築地市場移転問題・原告の水谷和子氏は「裁判の過程の中で開示された資料で、気になる資料があった。石原元都知事が移転を決意した時の、都知事に対する12行しか書かれていない、ブリーフィング資料が1枚ある。
冒頭に『市場移転は豊洲のどの部分をつかうのか』からスタートする。市場が豊洲のどこにあるのかさえも認識していなかった。私はこれを非常に重く受け止めている。
最後の2行に『ローリングなんかやってられない』『移転しかないな』『築地市場に視察にいく』その後に視察して『汚い・狭い・危ない』と発言した。その意思決定過程自体が石原元都知事のその後の姿勢を示している」と述べた。
IWJ取材による、過去の豊洲新市場用地取得に関する公金返還請求訴訟の記者会見は、下部からアクセスしてご覧いただけます。