2018年9月26日(水)、原告人・福田圭子氏、原告訴訟代理人・弁護士の海渡雄一氏、中川亮氏、小川隆太郎氏、海渡双葉氏らが学校法人・加計学園が愛媛県今治市で獣医学部を新設するにあたり、文部科学省に提出した文書が情報公開請求で不開示になったのは違法だとして、不開示決定の取り消しと開示を求めて東京地裁に提訴し、同日に記者会見を行った。
これに先立ち、2017年10月17日には、文科省の図面・見積書・契約書の不開示決定に対して行政不服審査請求をしており、2017年12月25日に文科省は請求に関して、当該学校法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあることを理由に、理事会議事録や建築図面を黒塗りで開示している。「開示」したといっても、ほとんどが黒塗りであり、事実上の「不開示」といっていい。
原告訴訟代理人・弁護士の海渡雄一氏は、起訴理由をこう述べた。
「加計学園で問題になっている、バイオセーフティーレベル3のような施設は市民から危惧がある。安全性を確認したいのは当然。今までの情報公開の基準であれば部分不開示はあったかもしれないが、今回は全面不開示になったことに、心から憤りを感じている。日本の情報公開制度そのものが根本からおかしくなってきている。このやり方が蔓延していく危険性がある」
そう述べた上で「他の私立大学で不開示の問題はあるのか」という記者の質問に対し「いくつかの新設大学に同じく申請したが、この件で前例ができてしまい、全部不開示になってしまった」と答えた。もうすでに「不開示」がスタンダードという状態が蔓延化しているようだ。
情報公開制度が空洞化してしまえば、国民が事実を知る手だてが奪われる。行政と業者の癒着がことごとく隠されてしまう。国民の知る権利、民主主義、国民主権の根幹に関わる大問題である。
建築図面が黒塗りにされた理由について、海渡氏は「バイオセーフティーレベルに適さない構造になっていて、安全性を確保できず、その事実が明るみに出れば、大学の設置に支障が生ずるからではないのか」との疑いを述べ、「いずれにせよ、簡単に出てくると思っていたものがこんなに出てこないということは、何か大きなことが隠されているのではないか」と述べた。
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