東京電力福島第一原発の事故から7年3ヶ月が経とうとしている6月1日、環境省は除染土を園芸作物などの農地造成にも再利用する方針を決めた。
除染土は、現在でもすでに多くの反対を押し切って、建設土木資材、造成土などに再利用する実証事業がおこなわれているが、さらなる再利用を推し進める決定だ。環境省によると、食用作物の農地には用いないという。
- 除染土、農地造成に再利用 環境省方針、食用作物除く(共同通信、2018年6月1日)
この方針は、2018年3月に有識者検討会で示された内容に沿って決められた。発表によると除染土の放射性物質濃度は1キロ当たり5000~8000ベクレル以下とし、農地に除染土を入れた上で、放射線遮蔽のために50センチ以上別の土で覆い、花やバイオマス燃料用植物を植えるとしている。この措置は実証試験として、帰還困難区域の飯舘村長泥地区で適用される。
園芸植物用と限定している除染土の利用が、食用作物の農地に転用される可能性はないのだろうか。2018年6月5日の定例会見において、中川雅治環境相はIWJ記者の質問に対し、「そのようなことは考えていない」と否定した。
しかし、果たしてそれで済む話だろうか。そもそも、そこに存在していてはいけないほど汚染されているからこそ、多くの税金を投入して取り除いた「除染土」ではなかったのか。それをまた、多くの税金を使って汚染された地域に戻すのである。いったい何のための除染だったのか!?
IWJは環境省に直接取材をおこなった。