「政治の考え方そのものが間違えている」
自由党代表の小沢一郎氏はそのように語り、安倍政権の進める新自由主義的な政策が、次々に国民の生活を破壊している現状を厳しく指弾した。
2017年4月15日(土)、東京都内で「山田正彦の炉端政治塾」が開かれ、元農林水産大臣の山田正彦氏が「最も尊敬する政治家」と語る小沢氏が講演を行なった。
( 取材・文:城石裕幸、記事構成:城石エマ)
※4月26日テキストを追加しました。
「政治の考え方そのものが間違えている」
自由党代表の小沢一郎氏はそのように語り、安倍政権の進める新自由主義的な政策が、次々に国民の生活を破壊している現状を厳しく指弾した。
2017年4月15日(土)、東京都内で「山田正彦の炉端政治塾」が開かれ、元農林水産大臣の山田正彦氏が「最も尊敬する政治家」と語る小沢氏が講演を行なった。
■ハイライト
講演の中で小沢氏は、「日本のGDPの内、6割強を個人消費が占めています。だから、小泉内閣以来減る一方の国民所得(実質所得)を増やし、個人消費を増やすような政策を取らなければ、景気は良くならない」と説明する。
ところが、安倍内閣の経済政策は、「規制撤廃」という名のもとに年金や医療、あるいは雇用政策などの社会保障制度をどんどん劣化させている。だから、不安定な雇用と将来を見通せない不安で、個人消費は一向に増えないのだ。
「民主党が政権を取った時に(2009年)、私は民主党でしたが、『国民の生活が第一』というスローガンを掲げて戦いました。先般、安倍内閣のある国務大臣が、『国民の生活が第一なんて考えている政党はおかしい』と話したんですね。
国民の暮らしを、もちろん命もですが、それをきちんと守っていくことが政治の役割のはずです。それを否定したら、政治はいらないわけです。
現在は、まさに安倍内閣の閣僚が、『国民の生活が第一なんていう政党はおかしい』と、公然と言うくらいに、非常に極端な考え方で、経済政策が運営されている」
このように批判した小沢氏は、「ですから、そういう意味で、政治の考え方そのものが間違えている」と、訴えた。
小沢氏の述べる「『国民の生活が第一なんて考えている政党はおかしい』と話した」という安倍内閣のある国務大臣とは、稲田朋美・現防衛大臣のこと。自民党が下野していた2012年4月16日、ホテルニューオータニで行われた「衆議院議員稲田朋美さんと動議大国を目指す会」で、稲田氏は次のように発言している。
「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違っていると思います。今私たちが生きているのは、私たちの今の生活だけが大切なんじゃなくて、先人から引き継いできた・・・世界中で日本だけが道義大国を目指す資格があるんです」
IWJは稲田氏のこの発言について、徹底批判をしているので、ぜひ、ご一読いただきたい。
政治の基本的な考えも忘れ、「道義国家」という内実のよくわからないものを目指そうとする自民党にすり寄ったのが、当時の民主党・野田佳彦政権であった。そして、陸山会事件の濡れ衣を着せられ、異常なメディアスクラムでバッシングを受けていた小沢氏を突き放し、国民を裏切ったのも、野田政権であった。その野田氏が今、蓮舫代表体制の民進党を後ろから支え、その民進党からは議員の離党が相次いでいる。
「国民の生活が第一」という政治の基本理念を思い出さなければならないのは、自民党だけではないはずだ。