公務執行妨害などの容疑で逮捕・起訴され、すでに70日以上も勾留され続けている沖縄平和運動センター議長・山城博治氏。2015年には悪性リンパ腫で入院。闘病生活を経て復帰を果たしたが、現在も体調に不安を抱えている。
大きな事件でもない限り、起訴後は釈放されるのが常だが、今も弁護士以外の接見さえ認められておらず、長期勾留が続いている。現在、「山城博治さんらの釈放を!」と題した署名も呼びかけられている。(参考サイト)
▲集会「山城博治さんらを救え!」で掲げられた山城博治氏釈放を求めるポスター(2017年1月12日)
那覇地裁はIWJの取材に対し、「山城氏を保釈するかどうかは裁判の中で判断していくので、現段階では何とも言えない」と回答。健康状態を考慮して保釈する可能性については、「総合的に考慮した上での判断になる。現状のままではおそらくそのまま勾留が続く」と話している。
▲集会「山城博治さんらを救え!」で発言する満田夏花氏(2017年1月12日)
76か国にネットワークを持つ環境NGO「FoEインターナショナル」(本部:オランダ)が2017年1月9日、山城氏の釈放を求める声明を発表した。2017年1月12日、IWJのインタビューにこたえたFoE Japanの理事・満田夏花氏は、声明の主旨について次のように述べている。
「なぜ環境NGOがそんな声明を出すのか、と思われるかもしれないが、今、世界的に、先住民族の使っている森を守る運動や、あるいはダム建設に反対する運動のリーダーたちが弾圧を受けています。そうした世界的な流れがある中で、日本では、米軍基地建設に反対する地元の運動への威嚇が行われています。環境というのは地域の資源でもあります。これを守るのは民主主義、草の根の運動ですから、環境NGOの立場としても放置できません」
FoE Japanは高江の市民運動を弾圧する機動隊などの活動について、その法的根拠や不当性を問う行政交渉も行っている。
以下、FoEインターナショナルの声明文を転載する。
FoE インターナショナル 声明
沖縄の米軍基地建設に反対する人々への連帯を表明し、山城博治さんの解放を求めます
FoE インターナショナルは、最近の沖縄での米軍基地建設に反対する人々の逮捕、長期拘留に深い懸念を抱いていることを表明します。
沖縄平和運動センター議長であり、抗議活動のリーダーでもある山城博治氏は70日以上に及び拘留されており、他にも抗議者が拘留されています。抗議に参加する地元のグループや個人は、故郷の森と平和な生活を守るため、非暴力のルールに従いながら、沖縄における米軍軍事施設の建設に長年反対してきました。
山城氏の状況は特に懸念されます。過去に大病を患った山城氏には定期的な検診が必要ですが、弁護士以外、家族でさえ接見が制限されています。
FoE Japanは現在、山城氏やその他の拘束された人々を解放するためのキャンペーンをサポートしています。
FoEインターナショナルは抗議者に対する長期拘留と不当な扱いに非常に強い懸念を抱いています。沖縄現地の人々が新基地建設に反対しているにもかかわらず、日本政府は強硬に建設を推し進めています。これは環境破壊、人権侵害、そして民主主義の破壊に他なりません。
FoEインターナショナルは、平和や正義を求めて米軍基地建設に反対する人々への連帯をしめし、山城博治氏を含む抗議者の即時解放を求めます。
▼原文はこちらから
http://www.foei.org/news/solidarity-peaceful-protest-us-military-construction-okinawa-requesting-release-hiroji-yamashiro