「一人区でちゃんと小選挙区協力の態勢作りますから。そうしたら、応援団になってくださいね!」
民進党・安住淳代表代行のこの言葉に、集まった2500人の聴衆の熱気が一気に高まった。
2017年1月7日(土)、「ともに闘う 2017ファーストアクション 1.7新宿西口大演説会」が、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の共催で行われた。民進党・共産党・社民党・自由党の野党4党と市民連合が、年内にも実施が予想される衆院解散総選挙での連携と選挙協力を誓いあった。
▲(左から)市民連合・山口二郎法政大学教授、自由党・青木愛副代表、社民党・福島瑞穂副党首、民進党・安住淳代表代行、共産党・志位和夫委員長、総がかり行動実行委員会・菱山菜穂子氏
- 主催挨拶 山口二郎氏(法政大学教授、市民連合、立憲デモクラシーの会共同代表)
- 野党代表スピーチ 福島瑞穂氏(社会民主党副党首、参議院議員)/青木愛氏(自由党副代表、参議院議員)/志位和夫氏(日本共産党委員長、衆議院議員)/安住淳氏(民進党代表代行、衆議院議員)
市民連合と共産・社民・自由の3野党の代表者らが「安倍自民党政治からの変革」を訴えた後、最後に民進党の安住代表代行がスピーチのために用意された街宣カーの上に登場。民進党にプレッシャーをかけるかのように、集まった市民のあちこちから「野党は共闘!」の掛け声が発せられた。その声の大きさは、もちろん最大野党である民進党への期待の裏返しでもある。
▲土曜日の午後、新宿駅西口に2500人の聴衆が集まった
昨年(2016年)の夏に行われた参議院選挙一人区での結果を振り返りつつ、「野党が一つになれば必ず安倍政権に対抗するもう一つの流れを作ることができる」と安住氏は訴えた。
しかし、民進党は参院選の後、新潟県知事選、衆院東京10区・福岡6区補選と立て続けに他野党との選挙協力を拒んできた。民進党最大の支持母体である連合の「共産党アレルギー」に振り回されて、岡田克也前代表のもとでせっかく軌道に乗り始めた「野党共闘」を自らの手で壊してきた蓮舫氏を新代表に担ぐ現在の執行部ではないのか。
有権者の不信感にこたえるかのように、安住代表代行は「ここから総選挙に向けて、必ず結果を出す一年にしたい」と意気込み、次のように語った。
「私たち民進党と共産党、自由党、社民党とは、率直に言ってまだまだ政策に違いがあります。しかし、真摯に向かい合って話し合い、市民のみなさんに納得していただいて、小選挙区で自民党の候補者に一対一で向かい合う、その構図を作り上げていく一年にする。私たち野党が具体的に行動することを、ぜひ見てもらいたい」
▲民進党衆議院議員・安住淳代表代行
そして最後に安住氏は、「一人区でちゃんと小選挙区協力の態勢作ります」と約束を断言したのだ。
■安住淳代表代行発言
安住代表代行の発言は、民進党執行部の公式見解と受け止めて良いのか。蓮舫代表が、連合の圧力を退けて共産党との選挙協力を決断したのか。今年の民進党の動向に、有権者の注目が集まる。