2016年9月30日午後5時40分ころ、首都圏反原発連合のスタッフが毎週金曜日に抗議行動を行っている首相官邸前に到着すると、そこにすでに13名ほどの右翼活動家がいた。彼らは内閣府に申し入れをした帰りに、再稼働反対の抗議行動を妨害する目的で3名が居残り、「原発賛成!」「再稼働賛成!」などと拡声器で声をあげ続けた。
首都圏反原発連合のスタッフが、何度か交渉を試みようとしたが、警察官が間に入って制するなどしたため、実現しなかった。結局、首都圏反原発連合は、場所を首相官邸前交差点から50mほど離れた国会議事堂前駅3番出口の前に移し、再稼働反対の抗議活動を行なった。
参加者からは「(柏崎刈羽原発の再稼働が争点となっている)新潟知事選の影響か?」などと勘ぐる声も聞こえた。拡声器を通して、「再稼働反対」の声と、「再稼働賛成」「原発売るぞ」などの声が、首相官邸前で入り交じる状況が続いたが、抗議活動はいつもどおり午後6時半に始まり、8時を過ぎると双方が抗議のマイクを置いた。
首都圏反原発連合のスタッフの一人によれば、「今までも、同じ活動家に抗議中に妨害を受けたことはあったが、抗議前から居座られたのは初めて」とのこと。
「今日最も気をつけたことは?」とのIWJの問いには、「参加者の安全です。残っていたのは3名ですが、何らかの形で仲間が来る可能性があったので」と答えた。さらに続けて、「たまにこういうことがあるのも、反原発運動がピークほどではないにしろ、注目されている証だと思う。もちろん100%ではありませんが、参加者の安全は、私たちが身を挺して守るので、安心して官邸枚抗議にいらしてください」と、笑顔で語った。