「いったん立ち止まる」とした豊洲移転問題だが「延期の可能性」ついては明言せず――まったく立ち止まることなく、政治姿勢を変え続けていく小池百合子新都知事、第一回定例記者会見 2016.8.5

記事公開日:2016.8.5取材地: テキスト動画
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(青木浩文)

特集 築地市場移転問題

※8月7日テキストを追加しました!

 小池百合子新都知事による第一回目の定例記者会見が、2016年8月5日東京都庁にて行われた。就任して初の定例会見ということもあり、記者席は満席となり、また多くのテレビカメラが会見室の壁を埋めるようにして設置された。

 しかし、5日の会見はきっちりと1時間で終了。IWJも含めまだ多数の記者の手が上がっていたが、小池氏はそれに答えることはなく会見室を後にした。

■ハイライト

  • タイトル 小池百合子 東京都知事 定例記者会見
  • 日時 2016年8月5日(金)14:00〜
  • 場所 東京都庁(東京都新宿区)

韓国人学校への都有地「貸し出しの白紙撤回」の方針に変更なし――「ここは東京であり、日本でございます。我が国が主体となって判断する」

 小池氏は、舛添要一前都知事が韓国人学校への貸し出しを進めていた新宿区の都有地に、都知事選が始まる前の7月9日に訪問し、「貸し出しの白紙撤回」を打ち出していた。

 都知事に就任後もその方針に変わりはないか、記者から質問されると、

 「答えはイエスでございます」と即答した。

 「いつどこでどういう形で決められたかわからない。韓国人学校の建設について、地元にも十分な説明がなかった。(地域住民から)保有地を有効に利用するならば、(韓国人学校の建設ではなく)保育、そしてまた高齢者に対してのケア(などに活用して欲しい等)、これらに対してご要望がございました」

 しかし、本件は、舛添要一前都知事が2014年の訪韓時に、朴槿恵(パククネ)大統領と会談し、学校用地の確保に協力を約束した経緯がある。

 先の記者が、「それ(前知事の約束)を撤回されるというのは、かなり問題になると思いますが」との質問に対し小池氏は、

 「韓国の関係者には、きちんとご説明は必要かと思っております。しかし、ここは東京であり、日本でございますので、我が国が主体となって判断する」と主張した。

 いったん約束したものを覆すとなれば、外交問題に発展しかねない。

 日韓関係は、この問題で大きな亀裂が入るのではないか。

「いったん立ち止まる」と発言した築地市場の豊洲移転計画、「11月7日の移転も延期がありうるのか」との質問には、「それは仮定の話」と明言を避ける

▲築地にて街頭演説をする小池氏(2016年7月22日)

▲築地にて街頭演説をする小池氏(2016年7月22日)

 築地市場の豊洲への移転計画に関して、都知事選期間中に、築地市場から豊洲新市場(江東区)への移転は、「いったん立ち止まる」と発言したことについて説明を求められると、

 「都からすれば、この問題はとにかく11月7日のオープニングに合わせて、引っ越しもすべて決まっている。すでにオンゴーイング(計画進行中)の話」

 「一方、安全性を含めて、それから繁忙期にかかるので、11月7日の先延ばしを望む方もおられると聞いております。混乱するかもしれませんけれども、都の話は聞きましたので、今度はそのステークホルダー(市場関係者)の方々にお話を聞く時間を設けたいと思っております」と返答した。

 他方、「11月7日というのはもう決められている中において、しかしながら都民の皆様方の納得が得られるようなものなのかどうか。8月にはもう農水大臣からの承認、10月は事実上の安全宣言になるのかどうか。これらのスケジュールの中で何ができて、何ができないのか見極める。そういう意味で『いったん立ち止まる』という表現を使わせていただいている」と述べた。11月7日までの移転スケジュールにあらためて触れた。

 拍子抜けするような話である。選挙期間中、築地市場の豊洲への移転を見直すように求めていた宇都宮氏の政策を手放しでほめ、持ち上げていた小池氏。「いったん立ち止まる」とは、数多くの問題を抱えた豊洲市場について、オープンまでのスケジュールを一時凍結し、抜本的な見直しを行うことなのか、と思われたが、まったくのあて外れだった。

 さらに、「市場関係者の納得が得られなければ、11月7日の移転も延期がありうると理解してよろしいのでしょうか」と記者から確認を求められると、「それは仮定の話でございます」と答えるに止め、延期の可能性については明言を避けた。

「農水省は『マスコミなどで問題などが指摘されている状況で、東京都から認可申請があるとは考えておりません』明言。国と東京都は喧嘩状態」――中澤誠氏(東京中央市場労働組合執行委員長)

▲中澤誠氏(東京中央市場労働組合執行委員長)

▲中澤誠氏(東京中央市場労働組合執行委員長)

 小池氏は、都知事選の選挙期間中において、築地市場移転の今後の日程について、8月に卸売市場法にもとづき、農水大臣に移転許可を申請し、安全性を含めて適切かどうか審査を求め、10月下旬には土壌汚染防止法に絡み、形質変更時届出区域の指定解除ができるか、安全宣言が行われるかを明確にした上で、11月7日を迎えると説明してきている。

 これに対して、東京中央市場労働組合執行委員長である中澤誠氏は、8月2日に都庁前で行われた『小池百合子に訴える! ~「築地移転」絶対反対!都庁前アクション』においてマイクを握り、小池氏が言及している「8月に農水省へ認可申請」というスケジュールに対して、これまでの抗議活動を踏まえて牽制した。

 「私たち築地市場パレード実行委員会で農林水産省に行った時に、農水省は『マスコミなどで問題などが指摘されている状況で、東京都から認可申請があるとは考えておりません』とはっきり言っています。だから農水省は東京都に、問題が解決しないまま、認可の申請をしないでくださいね。問題はあなたがたがすべて解決して、問題がない状態で認可申請をするならば、すればよかろうと。それが国の考え方です。これは国と東京都は喧嘩になっているということなんです」

「8月に農水省へ認可申請」、しかし「8月18日から24日までリオ出張」――「ステークホルダー(市場関係者)の方々にお話を聞く時間」はいつ設けられるのか?

 「8月に農水省へ認可申請」を行うのであれば、築地市場の豊洲への移転問題は今月大きな山場を迎えることになる。

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