【スピーチ全文掲載】「メディアに言いたい! 参院選の真の争点は『改憲』だ!!」とSEALDsの奥田愛基氏が喝破 2016.6.5

記事公開日:2016.6.6取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材・記事 青木浩文)

 2016年6月5日、国会正門前で行なわれた「明日を決めるのは私たち―政治を変えよう!6.5全国総がかり大行動」で、スピーチをしたSEALDsの奥田愛基氏は、「改憲」が次の選挙の争点であるにも関わらず、メディアはそのことを正しく伝えていないと訴えた。

 正門前では、いつもの様に多数のマスメディアのビデオカメラが奥田氏のスピーチを撮影していた。他方、「次の選挙の争点は改憲だ」と強調した彼の言葉を、いったいどのくらいのメディアが報じているだろうか。

 以下に奥田氏のスピーチを全文掲載する。ぜひ他のマスメディアの報じ方と比較してみて欲しい。

 スピーチの最後に奥田氏は、俳優の故・菅原文太氏の「弾はまだ残っとるがよ」という言葉を紹介し、どんな絶望的な状況でもまだ希望はある、と自らを勇気づけ、聴衆はそんな彼のスピーチに大喝采した。

 しかし、この言葉の裏を返せば、今は絶体絶命、まさに崖っぷちに追い込まれ、絶望的な状態であるということの例えでもある。次の参議院選挙で改憲勢力によって3分の2議席を取られてしまったら、もう「弾」は一発も残っていないかもしれない。

 毎日新聞社特別編集委員の岸井成格氏は、同日の6月5日朝、TBS系列の報道番組「サンデーモーニング」に出演して、次のように語っていた。

 「アベノミクスが失敗したのかどうかは、(次の参議院選挙の)ひとつの争点としてあるかもしれない。他方、自民党内、あるいは政府与党内で、何をいちばん問題にしているかといったら、『安保』も、『憲法』も票にならない。あるいは票が逃げるから、争点化しないという、いわゆる『争点隠し』」

 「3年前の参議院選挙の時は、『アベノミクス三本の矢』とやった。しかし、選挙が終わった途端に、国会で『特定秘密保護法』を一気にやってしまった。1年半前の総選挙で訴えたのは、まさに『消費増税の先送り』で信を問うとした。ところが、終わったら『安保』をやった」

 「これは安倍内閣の基本的な戦略。選挙ではアベノミクス、経済、景気、だけど終わったら違いますよという」

 「では、今回なにをやるのか。『憲法改正』。それを隠していていいのか、というのが問題」

 「争点は改憲」であることを明言した岸井氏だが、同氏がプライムタイムの報道番組「News23」を3月末に降格になっていることを、忘れてはいけない。自民党にとって不都合な情報は、そして不都合な真実を語るものは、メディア報道の現場から次々と消されてしまっている。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

2015年11月のポスターで『経済で結果を出す』とした安倍首相、「もう経済で結果出たんじゃないんですか?」

 「ご紹介に預かりましたSEALDsの奥田愛基です。よろしくお願いします。

 暑いですね。去年、一年前の6月5日に初めて国会前に立って。その時、雨が降っていて。500人くらいしか集まんなくて。一年立っても、まだここに立っているのかって感じしますけど。(笑)でも、今日も声をあげて行きたいと思います。

 安倍晋三さん、あなたは『経済で結果を出す』って言って、11月にポスターを全国に貼っていましたよね

 今がリーマン・ショックなみの危機が起こっているとするならば、もう経済で結果出たんじゃないんですか?

 僕の同期が言っていました。確かに安保法制や改憲の議論では、安倍首相の言っていることは間違っているかもしれないけれど、経済政策では自民党が有利だと。

 でも、もう経済でも結果が出ていて、良くないっていうデータが出ているんだったら、もう良いところ何も無いんじゃないですかね?

 麻生さんも、谷垣さんも、消費税上げられなかたら、2012年に… 2014年の時にわざわざ解散しておいて、これで上げられなかったら、もう一回解散するしかないというもの、全く聞かないで、延期しましたよね。自民党のなかでも、これよくないと思っている人たくさんいるんじゃないですか。

 もうちょっと、まともな政治してくれないですかね」

5b8419ab3eabf8c6deca8c3ccc9b46bd

「議事録を後で変えていいんだったら、もう国会の運営は必要ないじゃないですか」

 「TPPの合意の文章、全部黒塗り。こんなんで国会の運用できるわけないでしょう。安保法制の議論の時も、100回くらい審議が止まって、それで通しちゃったわけですよね。それは正常な国会運営って言えるんですか?

 昔、浜幸さんて言う人が、「自民党は誰のものだ」って言ってましたけど、本当に未来の子どもたちに、顔向けできるんですか?

 (参院安保特別)委員会が通った時の議事録が残っていなくて、後々変えましたよね。そんな例は一度も無いって言っていましたよ。そんな議事録を後で変えていいんだったら、もう国会の運営は必要ないじゃないですか。もう国会始まった瞬間に、与党議員でかまくら作って、立ったり座ったりしたら、法律できちゃうじゃないですか。

 今、何時代ですか? 鎌倉時代ですか、これは? 平成とか現代に戻して欲しいと、僕は思っています」

「メディアはちゃんと報じてほしい!」「今回の選挙でいちばんこの日本が変わろうとしているのは『憲法』ですよ」

 「あと、もうひとつ。メディアの人に言いたいのは、これ多分アベノミクスの是非って言って、争点作ると思うんですけれど、これ実際、2014年の選挙の時に、アベノミクスが争点だと言って選挙をやった後にやったこと何ですか? 安保法制だったでしょ。

 これ安倍さんは、絶対3分の2を取って改憲したいと思っていますよ。

 であるならば、今回の選挙でいちばんこの日本の政治が変わろうとしているのは、憲法ですよ。これを僕は強く言いたい。

 なんかもう振り回されて、あっちや、こっちにやって、分断するのは、やめて欲しい。だって、生活困ってますよ。アベノミクスでいいと思っている人なんて、ほとんどいないですよ。

 だけど、本当のことを言わないで選挙をやるのは、おかしくないですか。ちゃんとそういうことを、もっと報じて欲しい。3分の2を取ったら、何をしようとしているのかってこと、ちゃんと報じて欲しい。自民党改憲草案ってなんなのかって、ちゃんと報じて欲しい。

 で、毎回怒っているんですけど、こういうこと毎回やっていると、疲れてきますよね。あいも変わらず、同じこと言わせんなって、毎回思っているわけです。

 国民の政治離れなんていっていますけど、政治の国民離れですよ、これ。舐めないで欲しい」

「安倍さん、まだ弾は残っとるがよ!」

 「で、ぼくが諦めそうになった時に、毎回思い出す言葉があって、菅原文太さんの言葉なんですけど、「弾はまだ残っとるがよ」って言っていたんですよね。知らない人は『仁義なき戦い』を見てください。ラストのシーンです。

 でも、これを若い人に向けて『FRIDAY』で、「弾はまだ残っとるがよ」の「弾」の意味を答えているんですね。菅原文太さんが言うには、この「弾」っていうのは、今まで出会った人との出会いとか、今まで学んできたこととか、誰かから愛されたこととか、そういうことが自分の中に弾としてまだ残っている。

 どんな絶望的な状況であっても、まだ俺には弾が残っている。

 今日も菅原文太さんに習って…。参議院選挙の結果を、いろんな世論調査が出て、あまり良くないです。ぶっちゃけ。一人区でもそんな勝てるかどうかぶっちゃけわかんない。けど言いたい。

 安倍さん、まだ弾は残っとるがよ!

 ひっくり返しましょう。ひっくり返していきましょう」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です