「私たち沖縄の人間がどれだけ殺され、どれだけ涙を流しても、どうすることもできない」――また米軍関係者による凶悪事件発生〜沖縄選出・糸数慶子議員らが「日米地位協定」改定を要求! 2016.5.26

記事公開日:2016.5.27取材地: テキスト動画
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(原佑介)

※5月27日テキストを追加しました!

 「私たち沖縄の人間がどれだけ殺され、どれだけ涙を流しても、どうすることもできない」

 元海兵隊員で、現在は米軍属として沖縄県・嘉手納基地で働くシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者が2016年5月19日、うるま市在住の20歳の女性・島袋里奈さんの遺体を遺棄したとして逮捕された。シンザト容疑者は「わいせつ目的で女性を探し暴行した」「殺害し、遺体をスーツケースに入れて運んだ」などとも供述しているという。

 暴行目的で凶器をあらかじめ所持して、殺害におよんだことを自供しているのに、警察はいまだに「遺体遺棄事件」容疑のままで、「暴行・殺人」容疑に切り替えていない。このこと自体、「異様」であると言わざるをえない。

 またも防げなかった米軍関係者の凶悪犯罪を受け、5月26日、参議院議員会館で「女たちは怒っている! 沖縄女性殺害に関する緊急集会」が開催された。集会で講演した沖縄選出の糸数慶子参議院議員は、「言葉が見つからない」と沈黙したのち、「痛ましい現実に怒りや痛みが湧き上がってきて、おさえることができない」と事件に抗議。不平等な「日米地位協定」の改定を訴えた。

 参加者らは涙をこらえられず、黙祷時にはすすり泣く声が静かに響いた。

■ハイライト

  • 司会・進行 福島みずほ議員
  • 沖縄からの報告 糸数慶子議員
  • 発言(予定) 落合恵子氏、国会議員、性暴力問題に取り組むNGO、他
  • 日時 2016年5月26日(木) 17:30~
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

本土復帰後の沖縄だけでも殺人、強盗、放火、強姦などの凶悪事件が571件も発生している現実

 沖縄では、1972年の本土復帰から2014年までの米軍人・軍属とその家族による刑法犯罪の検挙件数は5862件にものぼる。

 例えば1955年に石川市で起きた「由美子ちゃん事件」では、当時、わずか6歳の女子が米兵に誘拐され、嘉手納基地内で何度もレイプされた後に殺害され、遺体は施設内のゴミ捨て場に捨てられた。1995年に起きた沖縄米兵少女暴行事件では、当時小学校6年生だった女の子が3人の米兵に拉致され、輪姦された。こうした米兵による殺人、強盗、放火、強姦などの凶悪事件は、本土復帰後でも米兵の犯罪と確認されているだけで571件発生している。

▲講演する糸数慶子参議院議員

▲講演する糸数慶子参議院議員

 糸数議員は、「国土面積の0.6%しかない沖縄に、74%もの米軍基地が押しつけられているが故の事故で、今回のような事件は、沖縄のどこで起きてもおかしくない」と語り、米軍に与えられた特権「日米地位協定」に言及した。

「このような不平等な地位協定があるかぎり、私たち沖縄の人間がどれだけ殺され、どれだけ涙を流しても、どうすることもできない」

 「まず『財産権』。日本国の当局は米軍の財産について、捜索、差押え、検証を行なう権利をもっていない。ふたつ目は『国内法の適用除外』。航空法の適用除外や自動車税の減免が定められている。さらに、『出入国自由の特権』。事件を起こして逃げる兵士がいても、日本の法律が適用されない状況では止められない」

 さらに糸数氏は、捜査当局などを基地内に入れない「排他的管理権」、米軍人・軍属の公務中の犯罪については米側が第一次裁判権を持つという「裁判の優先権」、基地返還時の「原状回復義務の免除」など、日米地位協定で定められた「米軍特権」を列挙。「このような不平等な地位協定があるかぎり、私たち沖縄の人間がどれだけ殺され、どれだけ涙を流しても、どうすることもできない」と訴えた。

▲沖縄本島で発生した凶悪事件の図を示す糸数慶子参議院議員

▲沖縄本島で発生した凶悪事件の図を示す糸数慶子参議院議員

 G7首脳会議(伊勢志摩サミット)の開幕を前に、来日中のオバマ米大統領と25日に会談した安倍総理は、「オバマ大統領に日本の首相として断固抗議した」とアピールしたが、これについて糸数氏は「日米地位協定の抜本的な改定には触れず、沖縄県民が辺野古の新基地建設に『NO』と言っていることも、オバマ大統領に一言もおっしゃらなかった」と指摘した。

 そのうえで、「基地問題は沖縄だけの問題ではない」と主張。「日本の国内には今もたくさんの米軍基地がある。なぜ、しっかりと米国と向き合って話せないのか。これでは一向に解決されない。事件が起きるたびに『綱紀粛正』『再発防止』と言うが、もう聞き飽きた。これまで講じられた対策がちっとも役に立っていないのは、今回の事件をみても明らかだ」と断じた。

「私も沖縄も無視され続けてきた」〜米兵によるレイプ被害者が「日米地位協定」の改定主張

 この日の集会には米兵によるレイプ被害者であるキャサリン・ジェーン・フィッシャー氏も駆けつけた。

 ジェーン氏は2002年、横須賀で米兵にレイプされた。事件は起訴されず、ジェーン氏は東京地裁に民事訴訟を起こした。結果、地裁は加害者の米兵に300万円の賠償金の支払い命令が下したが、時すでに遅く、加害者はすでに帰国。ジェーン氏はその後、自力で加害者を探しだし、加害者が住む米国ウィスコンシン州の裁判所に裁判を起こし、2013年に勝訴した。詳細はIWJが記事化している。

▲米兵によるレイプ被害者・キャサリン・ジェーン・フィッシャー氏

▲米兵によるレイプ被害者・キャサリン・ジェーン・フィッシャー氏

 ジェーン氏は、被害当時、神奈川県警に被害を申し出たが取りあってもらえず、「加害者扱い」さえされたと振り返る。「沖縄で起きていることと同じで、みんなが私のことを無視した。裁判にも、ひとりもきてくれなかった。いつも自分はひとりだった」と述べ、涙を拭った。

 さらにジェーン氏は、「日米地位協定には、米兵は日本の法律を『尊重する』となっており、『従う』とは書かれていない」と指摘。「沖縄は70年間、ずっと見過ごされてきた。私も見過ごされてきたが、一緒に声を上げていこう。地位協定は間違っている。この悪の循環を壊さなければいけない」と訴えた。

「日米首脳会談に翁長知事同席させるだけでも、今回の事件が『みんなの問題』となったはずだ」

▲講演する落合恵子氏

▲講演する落合恵子氏

 作家の落合恵子さんは「私たちはあと何度、こんな憤りと悲しみに満ちた集会を開かなければいけないのか」と投げかけた。

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