【記者会見詳報】「心からお詫びを」舛添要一東京都知事が政治資金規正法違反疑惑で釈明会見、「収支報告書の訂正・削除をしたうえで返金したい」 辞任は否定 2016.5.13

記事公開日:2016.5.13取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材:高橋敬明・阿部洋地、記事:平山茂樹)

※5月13日テキストを追加しました!

 東京都の舛添要一知事は5月13日に東京都庁で記者会見し、「週刊文春」が報じた、ホテルの宿泊代や飲食代に関する政治資金規正法違反の疑いについて、「誠に不徳の致すところと恐縮している。ご心配いただいている皆様方には心からおわびを申し上げる」と謝罪した。

 「週刊文春」は、2013年と2014年のホテル宿泊が、実際には家族旅行だったにも関わらず、舛添氏の政治団体「グローバルネットワーク研究会」が計約37万円を支出していたのではないか、と報じた。舛添氏は、その他の飲食代も含め、今後、政治資金収支報告書を訂正し、返金を行うという。

 IWJでは、2時間近くに及んだ記者会見のフルテキストを公開する(本日は途中までの公開)。

記事目次

■ハイライト

  • タイトル 舛添要一 東京都知事 定例会見
  • 日時 2016年5月13日(金)14:00〜
  • 場所 東京都庁(東京都新宿区)

舛添要一東京都知事による冒頭発言~家族で宿泊したホテルは「会議」で使用!?

▲会見する舛添要一都知事

▲会見する舛添要一都知事

舛添要一都知事(以下、敬称略)「定例記者会見ですが、先日発売の週刊誌の掲載記事につきまして、マスコミ各社からお問い合わせがありますので、この件から始めたいと思います。

 事務所におきまして事実関係を確認いたしましたので、以下の通りに説明をいたしたいと思います。

 まず冒頭、今回報道されている事実関係につきましては、これからご説明を申し上げますけども、その前に今回このようなご懸念をいただいていることにつきましては、まことに不徳の致すところと恐縮しているところでございまして、ご心配いただいている皆様方には心からお詫びを申し上げます。

 そして、この機会に都民をはじめ、皆様からいろいろなご意見をいただいていることに対しましても、真摯に受け止め、今後の政治活動や都政の運営をするのにあたりまして、しっかりと心がけてまいりたいと思います。

 そこで、調査内容でございます。順次、お話をいたします。

 まずホテルの会議費用についてご説明を申し上げます。『グローバルネットワーク研究会』、これは平成26年に解散をしております。この平成25年1月3日、これは支出額が23万7千755円でございます。および平成26年1月2日、この支出額が13万3千345円の各支出につきましては、いずれも同ホテル内の宿泊していた部屋において、事務所関係者らが会議をしております。

 平成25年につきましては、直前の総選挙、これは平成24年12月16日に行われました。その直前の総選挙結果の総括、それからおよび平成25年7月に予定されている参議院選挙への対応について、そして翌年の平成26年につきましては、その直後に出馬表明をすることになりました東京都知事選への対応につきまして、それぞれ会議を行っております。

 ただ、会議に使用していたとはいえ、家族と宿泊していた部屋を利用していたことからご懸念を招いたことにつきましては、反省をしております。今後、同様な状況があるとしたら、誤解を招かぬように別途会議に使用する部屋を借りるなどしたいと思います。

 以上のような観点から、この二件の会議費につきましては、収支報告書の訂正削除をしたうえで返金することといたしました」

イタリア料理店、回転すし店、天ぷら店・・・「収支報告書の訂正削除をしたうえで返金する」

舛添「次に、飲食代についてのご説明を申し上げます。まずイタリア料理店についてでございますが、平成25年に研究会で三件。研究会は先ほど申しましたグローバルネットワーク研究会の略称です。平成26年に泰山会で一件のイタリア料理店における飲食代について記事で指摘されております。本件記事では、世田谷区にある自宅近くの飲食店での飲食代であることから、家族とのプライベートな会食の支出ではないかとのご指摘であります。

 確かに、自宅の近くでもあり、わたくしの家族も利用していることは事実でございます。他方で、政治団体の事務所の近くでもありました。従いまして、このイタリア料理店が打ち合わせなどに便利であることから、事務所関係者などとの会合でも使用しているところでございまして、報道されている研究会の二件、および泰山会の一件につきましては、事務所関係者との会合で利用しております。

 ただ、平成25年6月1日の支出につきましては、今回、改めて確認したところ、政治活動に利用したことまでが確認できませんでした。そこで6月1日の支出につきましては、収支報告書の訂正削除をしたうえで返金することといたしました。

 続きまして、回転すし店についてでございます。報道されている回転すし店は、確かにわたくしが役員をしております会社の湯河原の施設の近所にある店ですので、そこを訪れた際に、同店をわたくしが私的に利用したり、また家族で利用することはあります。

 他方で、施設に来た事務所関係者などと同店を利用して打ち合わせなどしていることも事実であります。事務所で今回確認したところ、研究会の平成24年一件、および平成25年3月の利用につきましては、事務所関係者との打ち合わせや会合にかかる支出でございまして、収支報告書に計上したことは法律上問題がないと考えております。

 ただ、平成25年4月の支出につきましては、改めて確認しましたところ、政治活動に利用したことまでが確認できませんでしたので、収支報告書の訂正削除をしたうえで返金することといたしました。

 続きまして、てんぷら屋さんでございますけれども、研究会の平成25年二件、および平成26年一件のてんぷら屋における飲食代については、私の個人の飲食代が誤って計上されていることを確認をいたしました。そこで、この三件、合計5万2千550円につきましては、収支報告書の訂正削除をしたうえで、返金することといたしました。以上、私的に利用した飲食代が誤って含まれていたことは、今回の事務所調査で判明をいたしました。

 当時の経理担当者によれば、いずれの飲食店も私や事務所関係者が政治活動で利用している飲食店であったことから、私の個人の飲食であるとは思わず、誤って計上してしまっていたようでございます。

 続きまして、平成25年に千葉県内のアウトレットにおいて購入した事務所用品についてのご指摘でございますが、確かにアウトレットで小さな事務用品を入れるのに便利なポーチを購入しておりました。そのポーチは日常の政治活動の際に携行している鞄の中に入れて使用しておりました。収支報告書に計上することに法律上の問題はないものと考えております」

書や版画、リトグラフなどの額装を「政治資金」として計上

舛添「続きまして、世界堂についての言及でございますけれども、まず世界堂への支出についてのご指摘がございます。

 私は海外との交流の仕事がおおございまして、国会議員の時代も、知事になってからも、議員外交、都市外交を積極的に進めてまいりました。そこで海外の方と交流を行う際に、書や仏教絵などの版画などをツールとして活用しております。世界堂における支出は、そのような書や版画、リトグラフなどの額装にかかる費用が大半でございます。書や版画などはいずれも金額的にはわずかなものばかりでございますけれども、額装することで非常に見栄えが良くなるものでございます。

 また、私は書道をやっておりまして、書をたしなめますので、よく海外の方から、寄贈してくれということを頼まれます。これを額装して、政治団体の費用として計上しているところでありまして、法律上問題はないものと考えております。

 なお、本件記事中、記事の中では、私が美術品に興味があるとの過去の雑誌記事を紹介しておりますが、美術は私の趣味なのは事実であります。しかし、以上のような国際交流で使うものと、自分のコレクションとは明確に分けてございます。したがって、一部雑誌で言われているように、政治資金で財テクをしている事実はございません。

 それから、書籍代の話がでてございました。平成26年に泰山会で合計10万3千680円を、私の自著の購入費として支出しているとの指摘がありましたが、これはその通りであります。この本は、私の都政に関する基本的な考えを記したものでありまして、都外の方などに都政を理解していただくための資料として配布することを予定して購入したものでございまして、法律上なんら問題はないと考えております。

 以上、今般週刊誌におきまして、報道されました事実関係につきまして、ご説明を申し上げました。今回の報道を受けまして、事務所において、収支報告書を確認させたところ、いくつか私的な支出が誤って計上されていたことが判明しましたことにつきましては、心からお詫びを申し上げます。

 今回、会計責任者などのチェックが十分でなかったことから、いくつか訂正をすることになりましたことにつきましても、心からお詫びを申し上げます。

 収支報告書の訂正すべき点は、早急に訂正すべしと事務所に指示したところでございます。長年の秘書経験を持っているまじめな会計責任者に収支報告書の作成はすべて任せておりました。今までは、収支報告書の詳細については十分な把握をしておりませんでした。

 しかし今回報道されました事実関係の確認作業を通じまして、不適切な点がいくつかあったことを踏まえまして、今後は政治資金に精通した専門家にチェックをお願いしたいと思っております。そして、その専門家は、事務所とは関係のない第三者の方を考えております。今後このようなことがないように、以上の考えを事務所に伝えまして、適切な措置の検討を指示したところでございます。

 最後に、冒頭に申し上げましたけれども、今回の報道によりまして、都民の皆様にご迷惑、ご心配をおかけし、また大変不愉快な思いをさせましたことにつきまして、重ねて心からお詫びを申し上げます。

 私の不徳の致すところによるところでありまして、深く反省いたしまして、二度とこのようなことがないようにいたします。また、ホテルや飲食店をはじめ、多くのお店の方々に多大なご迷惑をおかけして、本当に申し訳ございません。

 これからは、東京を世界一の都市にするんだ。そして、2020年オリンピック、パラリンピック東京大会を史上最高の大会にするんだと。この大きな目標に向かって、全力を挙げて、努力をして都民の皆様の信頼を回復していきたいと考えております」

▲頭を下げ、謝罪する舛添知事

▲頭を下げ、謝罪する舛添知事

自らの責任について謝罪、「深く反省し、二度とこのようなことがないように努力をする」

幹事社・東京MXテレビ「改めまして、幹事社の東京MXテレビ三島です。今、ご説明された政治資金の問題の件なんですが、全体像を精査してからまとめて丁寧に説明したいということで、繰り返しておられました。その結果、収支報告書の訂正に至るような部分があったという部分や、冒頭に不徳の致すところとお詫びするような点があったというふうに分かりました。

 政治家として、今回のご自身の責任について、どのようにお考えになっているのかというところと、また有権者からは、今回の問題について、批判や指摘が多く挙がっています。今回の説明と謝罪で、有権者への理解は得られたとお考えでしょうか? その二点についてお願いします」

舛添「後者のほうから先になるかもしれませんが、ご指摘された点は少し時間がかかりましたけれども、しっかりと調べて今日、ご報告を申し上げた通りであります。

 しかし、こういう疑惑をもたれるということは政治家としてまことに恥ずかしいことでありまして、これは深く反省し、二度とこのようなことがないように努力をするとともに、これからは、しっかりと仕事をして、都民の皆様のために、今まで以上に働く。

 そして、先ほど申し上げましたように、東京を世界一の街にする。そのために、全身全霊を打ち込んでやっていきたいと思っております。それが私の今の気持ちでございます」

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です